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神の鬱  作者: 紅きtuki
希望編
15/62

第16話「血みどろの日常」


「俺は紅葉だ。」


 静かな図書室で少年が少女が互いに自己紹介をする。

その声は少しほこりっぽい図書室に良く響く。

客観的に捕らえれば、なかなかいい雰囲気である。

それから2人はしばらく話したが、意外にも気は合うらしく

後日改めて会う事になり、本来の目的を忘れている紅葉だった。

女の子とあまり話した事が無いのか半ば浮かれ気分で下校する、

しかし、そこに悲劇は襲った。


 いきなり鬼のような顔をしたヘルが襲ってきたのだ。

気がつけば3時半、生徒は皆帰る時刻である。

と言う事は紅葉はあの少女とお昼ごはんを食べるのも忘れて

5時間くらいぺちゃくちゃと話していた事になる。

そしてヘルが怒っている理由だが、ヘルが言うには教室移動の際

2人が話していた図書室の前を通りかかった訳だが、

扉が開きっぱなしで中の様子が見えたようだ。

その時、仲良く話している2人が窺えたのだが

どうもヘルにはそれがイチャイチャしてるように見えたらしく

腹を立てているらしい。簡単な話、嫉妬だ。


 紅葉は嫉妬される覚えが無く、困り果てるだけなのだが

ヘルから言わしてしまったら屋根を同じにしてる男性が他の女と話している事が

気に入らないらしい。簡単な話、わがままだ。


 そんなに気に入らないのなら直接現場を押さえたらいいのに

と言うわけだが、押さえなかったのには理由がある。

次の授業までぎりぎりの所で移動を開始したらしく

現場を押さえる時間が無かったとのこと。

そして全ての授業が終り、すぐ紅葉の元へ訪れたと言うわけだ。


「ってなわけで、私以外の女の人と話の禁止。」


「いや、待てよ。おかしいジャマイカ。

何でおれがそんな事を制限されなきゃいけないんだ?」


「あっそう。別に家を出て行きたいんなら良いけどね。」


「すいませんでしたーー!」


 いきなりどけ座を始める紅葉。

それに満足したのか、ヘルは笑顔を漏らし紅葉に手を差し伸べる。

紅葉はそれに安心したのか、ため息を漏らし再び歩き始める。

ものすごく理不尽な理由によりどけ座をさせられた事は納得が言ってないが

宿があったらいいか、と言う気持ちで片づけてしまった。


「あ!」


「どうしたのよ?」


「いや、なんでもない」


 いきなり声を上げる紅葉に疑問を浮かべるヘル

しかし紅葉が声を上げたのにも理由がある。

と言うのも後日会うと言う約束を思い出したのだ。

約束を破る訳にはいかないので会いに行きたいのは山々だが

もしそれがばれたら、本気で宿を失うかもしれない。


 そんな恐怖のせいで今も眠れない紅葉、やがて時は過ぎ朝が来る。

結局寝不足のまま登校を開始する紅葉と快眠したヘルだった。


「あのさ、今日は俺、普通の授業?」


「あたりまえじゃない!」


 分かっても居ながらも聞き、予想していた答えが返ってきて

がっかりする紅葉。しかし、そんな中さらなる不幸が紅葉を襲う。


「あ! 紅葉君だ! アンノウンだよ!」


 茶色の長い前髪を整えたら絶対美少女の、元正体不明が話しかける。

元、と言うのは紅葉と話してからロンリネスはほとんど使わなくなり

正体不明ではなくなったからだ。そんな彼女をヘルは良く知っている。

犬歯を剥き出しにして怖い声で聞く。


「あんた、紅葉とどうゆう関係?」


「え? 私? 私は昨日紅葉君と出会った、紅葉君の彼女候補ですよ。」


「そうそう、っておい! どんな育ち方したら人前で、

しかも本人の前でそんな事が言えるんだよ!」


 ヘルは思わずノリ突っ込みする紅葉を白い目で見つつ

アンノウンにまたもや怖い声で話す。


「昨日知り合った? ごめんね、私達屋根を一つにしている仲だから、」


「ふ~ん……じゃあ、私の所おいで? こんなおばさんよりきっと楽しいよ。

それにおばさん、昨日、紅葉君は私の事、可愛い可愛いって褒めてくれたし

誰もいない図書室で裸見られちゃったの。ね? 紅葉君?」


 ヘルは自分の事をおばさんと呼ぶ少女に怒りを爆発させるが

その少女が後に付けた言葉を聞きその怒りの矛先を紅葉に向ける。


「あ、いや、えーとですね。はい、それは仕方が無くてですね。

その、なんて言うか……一言で言うと、誤解です。って、

ちょっと自称彼女候補こっち来ようか!」


 とりあえず、ヘルと距離を置くためにアンノウンの手を引っ張り少し距離を置く。

その様子をビームでも出るんじゃないかと思うくらい目を光らせながら睨みつけるヘル。

そして少し距離を置いた所で紅葉がアンノウンに問い質す。



アンノウンはやっぱり、可愛いですね~

いきなり土下座をはじめる紅葉も負けじと可愛いですが。

え? 親バカじゃ、無いですよ?

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