第1話 「不幸の主人公」
神の器の外伝ストーリーです。
神の器と同じくこちらも、かなり過去の作品なので未熟な箇所が多々あります。(あ、でも! 後半すっごく上達してるよ!)
神の器を知らなくても、楽しめるようにしたつもりです……
俺の名前は高杉 紅葉
理由があって入院している。
白のカーテンに白のシーツ、あまりなれない景色が俺を包んでる。
その横で俺の事を心配して、お見舞いに来てくれた、
姉の高杉 静葉妹の高杉 秋葉
が一方的にいろんな話をして疲れて眠っちゃってる。
いったいどっちがお見舞いに来てるんだか。
そんなほのぼのとした生活を送っている俺が入院した理由は通り魔に刺されたからだ。
体長1,5mを超える刃物でバッサリ右肩を斬られてしまった。
しかし不思議な事に、それを見た言う人がいない。
これは仕組まれた何かだと俺はひそかに確信していた。
根拠はないけど・・・
よく考えれば最近、人生の調子が狂いだしたな。
元と言えば寝ていた時に右手に訳のわからない鉄の棒を握っていた時からだ。
それを見て俺はベランダに放置するが、翌朝また手に握ってる。
そんな事を繰り返しているうちにそれが日常となってしまった。
だが、それまではいい。
ネットばかりしていて引きこもりの俺がある日、
何かいい事でもないかなぁと滅多に起きない気紛れで散歩をした時、
たまたま人気の少ない裏路地を通りかけた。
その時、俺の持っている鉄の棒みたいな物が空に浮き、水を撒き散らしてた。
俺は怪しかったので隠れて様子を見ていたら、3人組の子供たちが現れ出した。(俺も子供だけど・・・)
そしてそいつらに水遊びも度が過ぎてるぞ。と注意をしようとした時、何故か周りが謎の蒸気に覆われ始めた。
俺はそれを見て一目散に逃げた。ここに居たらやばいという直感が働いたのだ。
それからあれはなんだったんだ?と言う気持ちでいっぱいだったが、特に追求する事もなく
日常生活を送っていた。しかしそれが悪かった。ただ俺は道を歩いてた。
たったそれだけで、例の3人組のうちの一人が斬りかかってきて今のありさまである。
俺はその時、気を失ってなぜか入院をしていて、
目を覚まし横をよく見ると、姉と妹がいた。
俺はとっさに手に例の鉄の棒を握ってないかと確認するとギブスを充てられていたので
握る事も出来なかったようだ。
ギブスをはめていると言う事は肩を斬られた時になぜか骨折もしていたと言う事になる。
そんな俺が退院できたのは2週間後、学校があると言うのに2週間も休んでしまった。
無事傷は回復し、元どうりの日常に戻る事が出来た。
「おにぃちゃ~ん」
用も無いくせに俺を呼ぶ声が聞こえる。
退院した事がそんなにうれしいのだろうか?
だけど、そんな事でうれしいと思ってくれる人がいるだけで
改めて俺は幸せ者だと実感する。
「なんだ?秋葉?」
「なんでもなぁ~い」
こんなやり取りを一日中繰り返す。
今俺は家に居て、妹と二人で暮らしてる。
不良の姉は一人暮らしをしていて一緒には住んでいない。
ただし俺が入院していた時は秋葉を預かってくれた。
なんだかんだ言って、頼りがいのある姉である。
そして退院して3日後、秋葉と退院祝いで昼は他の子供が多いので
夜に秋葉と公園に向かっていた。
もちろん、秋葉の要望でだ。
しかし、その時俺は見てしまった。
俺を斬りつけた子が闇の中に消えていく姿を。
そんな様子を見て俺は唖然としてしまった。
あいつはいったい何者なんだ?
なぜ、俺を斬りつけた?
そんな奴が今からどこに行く?
そんな疑問が脳裏をよぎる。
「おにぃちゃん、どうしたの?」
「あ、いや、なんでもないよ。さぁ、あの公園まで競争しよっか?」
「うん!」
秋葉は軽快に走りだす。
それに釣られて、俺も走る。
しかしあいつはいったい・・・
それから俺と秋葉は、誰もいない夜の公園で遊んでいた。
しかし、夜は遊具が見えにくいし危ないと妹から指摘されたので
日を改めることにした。
それにしても、妹に注意されるとは情けない・・・
そして翌日、公園へ向かった。
たった、それだけだ。たったそれだけで悪い事は何もしていない。
だが、気が付いたら俺と秋葉は緑が生い茂る森に居た。
はい、と言うわけで、神の鬱です。
う~ん……相変わらず未熟ですね~。