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あの夏の冒険  作者: 土御門惟愛


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大阪での夜

大阪での夜

 

 言い忘れてました。僕の名前は鈴木翔太。では話を始めます。

 

 僕は電車を終点の梅田で降りて、眠れそうな所を何ヵ所か頭に思い浮かべた。夏だった事に感謝した。

 淀屋橋の川っぺりのベンチが良さそうだと思い、淀屋橋を目指した。東通りを抜けお初天神の前を通り、コンビニで門出を祝うためのビールを一缶買って。

 ベンチに着いて缶ビールを開けて空に向けて乾杯をした。長年の呪縛から解けたような晴れ晴れとした気分だった。そしてその日は眠る事にした。

 しかししばらく横になって目を閉じるも、蚊に刺されて眠れるどころではなかった。仕方なく東通りまで戻って、しばらく辺りをうろついた。時間は午前二時過ぎだった。

 深夜のシャッター通りになった東通りで、一人のストリートミュージシャンがギターを弾きながら歌を歌っていて、そこに何人かの人が集まっていた。

 吸い寄せられるように僕はその集まりに入った。何人もの人が足を止めては去っていった。

 そして時間は午前三時を回り、ストリートミュージシャンも歌い疲れたのかギターを置いて座り込んで、その場にいる人たちと話し始めた。その場は座談会のようになり、順番にどうして今ここにいるのかを話し始めた。九州から出張で来ているサラリーマン、仕事帰りの風俗嬢、夜を徘徊している少年二人組、そして家出大学生の僕。

 話は空が白んでくるまで続いて、みんな別れを惜しみつつそれぞれ帰る所へと帰っていった。僕は一人取り残された。

 その座談会は一期一会の人たちが何気ない話をしたに過ぎなかったが、それぞれに夢を持っていて、毎日を一生懸命に生きているという印象を強く僕に与えた。

 僕はその時第一志望として教師を志していたが、もう1つ叶わぬ夢として抱いていた夢があった。それは業界人。日本を沸かせるようなアイドルをつくりたいと思っていた。

 僕は高校の学費を出してやったと父親に言われた時、もちろん大変だったのはわかるし、感謝もしてる。しかし子供にそれを恩に着せるなら最初から子供なんて作らなければ良かったんだろ?と言いたかった。

 生まれてこなかったものと思えば、今ここにいるのも儲けもの。いっちょやったるか!と勇気が出てきた。

 そして僕は決断した。日本を沸かせるアイドルを作ってやる!と。

 それには東京に行かなければならないと思った。まずは準備だ。午前中なら家には誰もいない。着替えや大切にしているギター、その他諸々を取りに帰った。それから僕が持っていた鍵は家のポストに入れた。もうここに帰ってくる事はないだろう……と、育った家に別れを告げて出発した。

 準備を整えた僕はさっそく梅田に戻り、高速バスのチケット売り場に向かった。所持金は全財産の1万円と砂利銭ちょっと。バイト料も入る前、前期の学費を支払った後というのはちょっとタイミングは悪かった。でも泣き言を言っている場合ではない。

 足りるかどうか心配だったが、8610円という東京までの値段を見て僕は安堵し、即チケットを買った。ドラム缶バッグ2つにハードケースに入ったギター、にかく荷物が重かったからあまり移動せずにバスが出る夜を待った。その日の大阪は暑かった。

 夜になり僕はJRドリーム号東京行きのバスに乗り込んだ。もう関西には夢を実現させるまで戻らない決意だったので、とりあえず仲良くしてくれた友人たちに一斉送信でメールを送った。「長いような短いような間だったけど、ありがとう」と。そして携帯の電源を落とした。

 僕の夢を乗せてドリーム号は東京に向けて大阪を出発した。

 途中数か所休憩があった。足柄サービスエリアでの休憩の時、夏とは思えない冷たい霧雨が降っていて半袖でトイレに行って煙草を一本吸うと膝と顎が震えた。新しい人生への武者震いのような感じがした。

その日を境にその年、日本は冷夏になっていった。

読んでいただき、ありがとうございます。

最初の話に入っていくところまで続けて投稿します。

文章を書くのは超初心者ですので、読みづらいところは多々あるかと思いますが、ご勘弁いただければと思います。

この後はぼちぼちと書いていきますので、宜しくお願い致します。

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