表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
安全圏では何も起きない俺が、最悪の状況でだけ最強になる  作者: 能力者管理委員会


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/16

第1章7 【 《断絶者/スキル・ブレイカー》 】

 指定された場所は、湾岸エリアの倉庫街だった。

 

 夜の海は暗く、街灯の光がやけに頼りない。


 「……これから、沈められるんですか?」


 助手席の一ノ瀬に言うと、彼女は短く答えた。


 「どうでしょうね」


 え……

 マジで沈められるの?

 俺、何もしてなくない!?


 「冗談です。今回の案件は、能力者(アノマリー)関係です」


 まぁ、そうだろうけど。

 本当に心臓に悪い。

 

 危うくここで能力発動しちゃうところだったよ?


 ……発動するかわかんないけど。


 目的地に着き、車から降りる。

 周囲には黒い装甲車が数台止まっている。

 銃を構えている隊員もいる。


 「状況を説明します」


 一ノ瀬は、倉庫の方を見ながら言った。


 「内部に、意図的に能力を暴走させた人物がいます」


 「……例の、”条件を作る側”ですか」


 「可能性は高いかと」


 倉庫の屋根が、わずかに歪む。


 「中には人質が三名」

 

 「……え? 軽い要請じゃ……」


 「あなたにとっては軽いモノ(要請)でしょう?」


 こいつ……


 一ノ瀬は淡々と続ける。


 「犯人は、能力を使って空間を固定しています。

  通常の部隊が突入すれば、人質は死ぬ」


 つまり。


 「俺に行け、と」


 「あなたが”能力を発動しなければ”何も起きません」


 「発動したら?」


 「人質の助かる可能性が高くなります」


 可能性……か。絶対は無いってことか。


 「―――!」


 倉庫から悲鳴が聞こえる。


 胸の奥が、嫌な音を立てる。


 「ほら」


 一ノ瀬は静かに言う。


 「もう条件が近い」


 逃げ道はいくらでもある。

 でも……


 「……終わったら、飯奢ってくださいね」


 「私たち、そんな仲ではないと思いますが」


 なんてことを言うんだ。確かに出会って数日しかたってないけども!


 俺は、倉庫の方へ歩き出した。


 一ノ瀬が後ろから声をかける。


 「そういえば、あなたのその能力、名前が付きましたよ」


 「名前……ですか。なんて言うんです?」


 「断絶者(スキル・ブレイカー)。そう付けられました」


 ……断絶者。


 「能力者(アノマリー)の力そのものを、

  ”成立する前に壊す”」


 俺の、能力。


 「名前がつくと、急に物騒ですね」


 「実態に即しています」


 倉庫の扉が、ゆっくりと開く。


 中は、歪んだ空間。

 固定された床。

 泣いている、人影。


 そして。


 「来たか」


 奥に、笑う男がいた。


 「俺と対を成す存在――断絶者(スキル・ブレイカー)


 心臓が、嫌なほど強く打つ。


 ああ、そうか。

 

 俺は、もう。


 ”試される側”から、”使われる側”になってしまったらしい。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ