表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
安全圏では何も起きない俺が、最悪の状況でだけ最強になる  作者: 能力者管理委員会


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/5

プロローグ 【 生きるのを諦める 】

 人生が詰んでいると自覚したのは、3度目のため息をついたときだった。


 朝でも夜でもない中途半端な時間。

 帰り道のコンビニ前で、俺はスマホを眺めながら立ち尽くしていた。


『ーー都内で発生した能力者(アノマリー)による事故について、警察は……』


 画面の中では、見慣れた街角が立入禁止の黄色いテープで囲まれている。

 血痕はぼかされているが、空気の重さまでは隠しきれていない。


「またか」


 能力者(アノマリー)

 最近やたらと耳にする単語だ。


 突然、ありえない力に目覚める人間。

 英雄になるやつもいれば、ニュースの見出しで終わるやつもいる。


 まあ、俺には関係ない。

 そういう”選ばれる側”じゃないことぐらい、自分が一番よく知っている。


 スマホをポケットにしまい、ため息を吐く。

 いつもと変わらない日常。それだけで十分だ。

 

 その瞬間だった。


 地面が激しく揺れた。


 低く、鈍い音。

 ガラスが震え、遠くで悲鳴が上がる。


 「……は?」


 顔を上げた先、交差点の中央で、何かが”歪んで”いた。

 空気が捻じれ、光が曲がっている。形は人間の姿をしていた。


 逃げなきゃ…

 頭では分かっているのに、足が動かない。まるで根を張っているようだ。


 周囲では、人が転び、叫び、誰かが泣いている。パニック状態だ。


 最悪だ。


 俺はただ、巻き込まれたくなかっただけなのに……


 ――分かってたんだ。

 こういう時に限って、俺は安全圏にはいられない。


 逃げ道はない。

 理解した瞬間、何故か不思議と心が静かになった。


 「……どうせ俺だし」


 諦めた。

 俺は生きるのを諦めた。


 瞬間、視界が暗転した。


 そして俺は、

 何が起きたのかを、覚えていない。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ