天性の詳細①
僕は何をしようと、ほとんど無感情だった。
(僕は…もう終わりだ)
という言葉が僕の頭の中をくるくると回る。
「シライ。今日、町に行ってみない?」
「…うん」
僕は言われるがまま、町にお父さんと共に向かった。
向かっている場所は、町ではなく森の方だった。
(どこだろ…僕捨てられるのかな…)
僕は少し震えながらついて行った。
「行くのは教会だ」
「教会…?」
「教会に行くとな、天性の詳細がわかるんだよ」
「例外はないの?」
「例外があったってことは聞いたことないな」
「そっか…じゃあ失格者じゃなくなるかもってこと?」
「そういうことだ」
僕の人生には、うっすらと光りが差し込んだ感じがした。
そんな話をしている間に、僕たちは見たことのない教会に着いた。
『コンコンコン』
とお父さんはドアをノックし、ドアを開けた。
「さあシライ、入りな」
「…うん」
僕は教会に入った。
そこには、沢山の椅子が並びその向こうには、金で出来た大きな像があった。
「すごい…」
「教会だからな」
「信仰者さんですか?」
僕たちの会話を聞いて、シスターさんがきた。
「なんのご用意ですか?」
「天性の詳細を…」
「わかりました。では検査しましょう」
そう行って何処かに行ってしまった。