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世界よ、なぜ僕に失格者の烙印を押したのですか?  作者: 燐華織
第二章

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事前準備③ ―変化する覚悟―

僕はナイフが手に離れてあと、その場に座った。


(断られた、、、受け入れなかったのか、、、この覚悟が)


僕の目には涙が溜まり、頬を伝った。

そんな中、村長は無慈悲な独り言のようなものが耳に入ってきた。


「これで人を失わない、、、このナイフもたまには役に立つじゃないか」


僕はそんなことを小耳に挟みながら、涙を流した。

人生初の拒絶に心底傷ついた。


(なんで、、、このナイフは僕を)


僕はそう思いながら、手から離れた一切として動かない床に落ちたナイフを見つめた。

――ナイフからは拒絶なのか、軽蔑なのかそんな雰囲気をかもし出していた。


(どうすれば、、、)


だが僕の心は収まっては怯んではいなかった――まだまだナイフに夢中なのだ。


(なにか、、、なにか)


そんな僕は思考を巡らせ、考えたが結果は悲惨にもなかった。

――なぜなら他人の心を変えるのはほぼ不可能だからだ、特に堕ちた心は尚更だ。


(でも、、、)


僕の頭は理解している中、心は何食わぬ顔をしているのかというほどに収まらない。

そんな時、村長はトングのようなものを倉庫の奥から持ってきて、ナイフを掴んだ後、箱の中へと戻した。


(なんて、不憫なんだ)


僕はそんなことを、まるで自分自身のことのように思った。

そんな僕を横目に村長は、こちらを向いて言った。


「なんでそんな落ち込んでいるんだ?そんなにあのナイフがいいのか?」


「はい、、、あのナイフじゃないと」


僕がそういうと村長はしゃがみ、言った。


「確かに、シライ君の強い覚悟はわかる。でもな人は時にあきらめないといけないときがあるんだ。それに向ける心がどんなに強くたって」


「はい、、、」


「あとはあのナイフはシライ君を拒否したんだ、もうあの結果は覆すことはできない。あのナイフはそんな軽い意志ではないのだよ、もっと重くもっと強い意志なんだ」


「わかってます、、、」

(わかってるさ、そのくらい、、、でもできないんだよ)


「ならほかのナイフにするのはどうだろうか?ここには軽いナイフが多い、シライ君ならすぐに使いこなせるだろう」


「、、、」


「まあ今はゆっくり考えると良い、私は別に怒っていないしな」


そういって、村長は立ち上がり梯子の方へと歩いて行き、僕に告げた。


「私は準備と仮眠をしてくる、もう少しで出発の時間だ。自分に合うナイフを探しておいてくれよ」


そう告げたあと、村長は梯子を上り、居なくなってしまった。

僕はその場に座り、下を向いたままだった。



僕は涙でかすんだ目で、ナイフの入っている箱を見た。

――そこにはさっきとは少し変わった威嚇のような雰囲気をかもし出していた。


(やっぱり無理なのかな、、、)


そう僕が冷静になってきても、心は変わらなかった。

――ずっと、ずっと、ナイフを手に入れたいと叫んでいる。


(でも、、、)


僕の理性も主張を始めた。

――今すぐ諦め、準備をしろと叫んでいる。


僕にはそんな二つの主張が交差した。

――諦めるか、諦めないか。


(でも、、、)


僕は腕で涙を拭き、立ち上がり、梯子の方へと一歩一歩を地団駄を踏んだ。

――悔しい一歩、逃げてしまう自分への怒りの一歩、諦める一歩、自分を踏みにじる一歩。

背中から感じる『威嚇』のような雰囲気は、『悲しみ』や『寂しい』雰囲気に変わり、踏み出すごとに薄まっていった。


「まるで、僕の心じゃないか」


そんなことを呟き、なんとも言えない気持ちなりながら、梯子の前まで着いた。


(あとはここを登るだけ、、、)


でも僕の四肢ししは動かなかった。

――別にどこも震えているわけでもなく、ただただ動かなかった。


(なんだよ、諦めるなってか、、、)


僕は、そんな重い体を一生懸命動かし、梯子を掴んだ。

――掴んだ力は弱くまた戻ってきた。

そして僕がまた腕を動かそうとすると、、、


『僕はね、人を守れる天性がいいな』


そんな僕が昔、その時考えた中身のないことばが浮かんだ。


(人を守れる天性か、、、叶わなかったな)


そんなことを心の中で思いながら、梯子に手を掛けようとした。


(でも僕は無力だったな、、、あの時)


そう僕の頭の中に、あの時の光景が浮かんだ。

そして僕は呟いた。


「人を守れる人になりたい」


というなんだか夢のようなことを呟いたと同時に、僕はナイフの方へと駆け出していた。

――その体はもう誰にも止められないほどのスピードと意思だ、、、

僕の目はもうナイフしか見ていなかった。

――興奮して観ていた防具、武器が視界に入ることなく、、、



そして僕はさっきのナイフが入った箱の前に立った。


「お前を使わせてくれないか?」


ナイフからは、またも拒絶のような雰囲気が出ていたが、、、


「さっきまでの僕の『覚悟』とは『決意』であって『覚悟』ではなかった、僕は今本当の覚悟を知った。覚悟とは、自死を恐れぬ勇気と想いやりの心だとッ」


そんなことを言ってもナイフの反応は変わらなかったが、僕は続けた。


「僕は今までちょっとでも生に執着していたのかもしれない、いや『ちょっと』じゃなく『だいぶ』だ。だから僕を断ったんだろう?」


だがナイフの反応は変わらなかった。

でも僕の『覚悟』は決まり、ナイフに告げた。


「君は人を信用していないのだろう、最初の持ち主は心を許したのにも関わらず大事にしてくれず、裏切られた気持ちだろう。

ならば、僕は君が許してくれるまでここに居座り、話しながら待とうじゃないか。

どんな妨害・誘惑があったとしてもな」


そして僕は、ナイフの箱の前に座った――傍から見れば駄々をこねる子供のようだった。

でも駄々をこねる子供とは全然『覚悟』が違う。



僕はナイフが入る箱の前に座り、話を始めた。


「実はな『失格者』なんだ、こんな堂々としているけど、、、君も僕と同じなんだろう?」


そんなことを言うと、ナイフの雰囲気は少し怒りのようなものに変わった。


「僕はな、もう何人殺してしまったかわからない。まあ町一つの人口を殺したと考えてくれればいい。

っでなんでそんな殺しちまったかって話だが…」


僕はそこからあの日のことを独り言なのか、誰かに聞かせているのかわからない話し方で

1時間程度ナイフに言っていた。

――親のために皆殺しにしたこと、体が勝手に殺してしまったこと…洗いざらい包み隠さず話した。

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