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世界よ、なぜ僕に失格者の烙印を押したのですか?  作者: 燐華織
第二章

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事前準備② ―地下の武器倉庫と自我持つナイフ―

村長は蓋を開けた。

――そこには梯子はしごが下へと掛かっていた。


「まずは梯子を下りようか――私は防具を渡してくるから先に行ってくれ」


「はい、、、」


僕は少し恐怖心があったものの、ゆっくり足をかけて下りて行った。


ギシッ…ギシッ


(はぁ、、、めっちゃ疲れた)


僕は大きく安堵のため息を吐いた。

――初めての梯子に緊張が走りまくり、下を見る余裕さえなかった。


(ていうか、どこにあるんだ?)


僕は梯子を背中にし、振り返った。


「すげぇ、、、」


咄嗟にそんな言葉と心からの声が出た。

――そこはまるで小人になった気分だった。

1mは超える大剣とおの、そして盾が並び、横にはどんな巨人が着るのかというほど

巨大な銀の防具一式が防具立てに掛かっていた。

そしてそれが道の両側があるのが一番の驚きだった。

そんな道の行き止まりはどんなに目を細めても見えないほどだった。


(こんな巨大な武具、、、どこの武具屋にも置いてないぞ)


僕はこんな異世界のような場所に少し心が舞い上がった。


(でも、、、触っちゃだめだよな)


僕は出来るだけ自分の心をしずめながら道を歩いた。

歩くたび、僕の心は舞い上がりを見せる。


(すげぇ、、、こんなの人生で見ることが光栄なレベルだ)


僕はゆっくりと両側の武具を観察した。

――一つ一つが素晴らしい輝きを見せていた。


(これって本当に使われてたのかな、、、)


僕はそんな疑問を持ちながら、歩いた。



僕が少し歩くと、僕の目に籠に入るナイフの山が留まった。

――僕は急いで駆け寄った。


(なんだこれ、、、)


そこには何本のナイフがあるか数えるのに数時間はかかりそうなほどのナイフが入っていた。


(触ってみようかな、、、)


僕が触れようとした時だった。


ギシッ、ギシッ


そんな慣れたように速いスピードで、梯子を下りる音がした。

――僕が振り返ると、そこには村長が居た。

そして、村長は僕の方へ小走りで走ってきた。


「今渡してきたんだが、3時間くらいで完成するそうだ」


「わかりました、、、」


「どうだ?良さそうな物見つかったか?」


「、、、今のところはあんまり」


「そうか、まあゆっくり見ると良いよ」


「はい――ナイフとかって触ったりしてもいいですかね?」


「あぁ、それは構わないさ」


「ありがとうございます」


「私も少し見て回ってくるな――危険なものもあるから気を付けてな」


「はい」



僕は試しに籠からナイフを一つ取った。

――白い刃に木の持ち手が着いたシンプルな見た目だった、そして今まで使っていたナイフの何倍も軽く、さらに小回りが利く感じだった。


(すげぇ、、、軽い)


僕は少し感動しながら、一つ一つ取り出した。

――中には、宝石がチャームポイントとして埋め込まれているもの、やいばが金色のもの…

まるで宝箱のような感じだった。



数十分探した結果、、、


(まったくいいのしっくりこない、、、)


籠の大体の調べたがしっくりくるものは無かった。

――宝石がチャームポイントなナイフも、刃が金色のナイフも僕の性に合わないし、だからと言ってシンプルすぎるナイフは心が乗らず、、、


(はぁ、、、どうしようかな――やっぱり要らないかな、、、)


そう思っていた時だった。

――壁に掛かっているナイフに目が留まった。


(あれ、、、)


僕の目に留まったのは、刃が黒く、持ち手は白く、真ん中に線が入っており、何かしらの輝きを発しているナイフだった。

僕は立ちあがり、その透明な箱に入るナイフに顔を近づいた。


(近くで見ると、なんかまが々しいな――でもとても寂しそうだ)


僕は少しの好奇心と大きい恐怖心が入り混じりながら、箱を開けようとした。

その時だった。


「シライ君、それは危ない」


そう声が倉庫全体に響いた後、走る足音が聞こえた。

僕が見ると、そこのは走る村長の姿だった。

――村長は僕に近づくと、すぐにナイフと僕を離した。


「どうしたんですか?そんなに慌てて」


「はぁ、はぁ、このナイフは本当に危ない」


「え?」


「このナイフは、通称『堕天使』だ」


「堕天使?何を言ってるんですか?」


そういうと、村長はゆっくりと深呼吸を始めた。



そして村長は話し始めた――村長の目と声はまるで違った。


「まずは話を聴いてくれ」


「わかりました、、、」


「このナイフは『自我じが』を持ち、主人を選ぶんだ

――気に入らない者は弾き、気に入った者にはすんなりとなつく。

そして、このナイフは壊れること、傷がつくことが一切としてない。


だがその代償が『手入れ』だ。

――実際に昔このナイフを使った男は、狩りに使ったのにも関わらず、三日間も手入れをせず、四日目の早朝、男はナイフに首を刺され、死んだんだ

それから、このナイフは恐れられ今はこうやって保管されているんだ」


「そうなんですか、、、」


「そしてシライ君、君はナイフを手入れするか?」


「、、、しないですね」


「だから君には持たせることはできない

――シライ君みたいな若き有望な戦士を簡単に死なせるわけにはいかない」


僕はそんな正論に言い返す言葉は出なかった。

――だからと言って、諦める気持ちにはならなかった。

僕の心にも、なぜかはわからなかった。


「確かに、村長の話は正論です、それは認めます」


「あぁ、なら…」


僕は村長の言葉を遮った。


「でも僕には、あのナイフの『寂しさ』が見えたんです、

使われない寂しさ、恐れられる寂しさ、近づいてこない寂しさ、、、」


「だとしても、渡すことはできない」


「寂しさは誰かが拭わないといけない」


その言葉と同時に、僕はナイフの箱へ走った。

――なんでこんなに執着をしているのかがわからない、でも僕の心が動けという、、、

村長は驚いた顔をしていたが、僕の肩に腕を置いて止めた。


「冷静になるんだ、なぜそんなに執着をするんだ?」


「わかりません、でも心が止まらないんです、まるで自分のことのように」


(箱は、後ろにある!)


僕は肩に置かれた村長の腕をほどき、箱に手を伸ばした。


「届いてくれ、腕よ」


そんな僕の飛び込む姿を、一生懸命村長は止めようとした。

――だが、僕の意志に村長の妨害は効くことはなかった。


バシッ


僕は箱の扉を動いている力で、開けた。


(もうすぐだ)


でもギリギリ、ナイフは取れなかった。

――僕が地面にうつ伏せになると、村長がそこに体を被せてきた。


「シライ君、捕まえたぞ」


その言葉と同時に、箱からナイフが出た。


(まだ、チャンスはある)


僕は腕を一気に伸ばした。

――そして、、、


ガシッ


「掴んだ」


だが僕の意志は砕かれた、、、

――手にビリビリとした感触と共に、ナイフは僕を受け入れないみたいに、逃げた。


(え、、、)


そう思うと同時に、僕の体の動力は無くなった。

村長は、立ち上がり安堵したような声で言った。


「はぁ、、、拒否されたか――これで死ななくて済む、シライ君も一旦冷静になりなさい」


僕はその時、初めて知った。

あの手に流れたビリビリとした感触は拒否されたしるしなのだと、、、

そして僕は絶望した。

――ナイフに拒否されたのだと、、、

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