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天性探し

~あんな楽しい会話から、2年の月日が流れた…~

「そろそろ天性が出るかもな」


「うん!ていうかどうやって天性って確認するの?」


「それはな。天性が芽生えたら教えるが空中に直線を書くみたいに上から下に指を動かすんだ」


「へぇ~やってみて!」


「おぉ良いぞ」


そういってお父さんは指を上から下に動かした。


「うわぁ!」


父さんの前には、紙のようなものにいろいろなことが書いてある。


「これはな。ボードっていうんだ」


「ボード?」


「そう。これで自分の天性とか体力とかを数値にして表してくれるんだ」


「へぇ~いいな!僕も早くほしい!」


「そうか。そうか。大丈夫、天性はいつかは芽生えるからな」


「…早く天性もらいたい」


「そしたら明日は町を回ってみるか?」


「何で?」


「天性は何かをトリガーにして芽生えるものなんだ。

だけど5歳までは危なくてできなくてな」


「そうなの!じゃあ早くいこ!」


「今からは危ないから明日にしような!」


「うん!」


僕とお父さんは口約束を交わした。


――――――次の日――――――


「起きて!起きて!」


僕は自分が起きてから、真っ先にお父さんのベッドに向かう。


「わかった。わかった」


「早く!」


僕は急かした。

そしてお父さんは起きてきて、顔を洗い、食事をした。


「じゃあいこうか。シライ」


「うん!」


僕とお父さんは町に、天性探しに出かけた。

お父さんと僕は手をつなぎながら家を出た。


(早く!天性持ちたい!)


僕はその一心で、足を踏み出した。


「まずはこれやってみようか?」


「うん!」


僕はまず、鍛冶屋を訪れた。


「坊や。これを持ってな。叩くんだ」


大きいハンマーのようなものを僕は渡された。


「こう?」


僕は小さいなりにも、力を振り絞って持ち上げ振った。


「シライ。前、教えたみたいに」


僕は指を上から下に動かした。

だが変化なし…


「出てこないか…坊や」


「うん…」


「まあ次に当たってみます。ありがとうございました。鍛冶職人さん」


「あぁ…天性探し頑張ってな」


「うん!」


僕はまた、ほかの店に行くことになった。


「創造系じゃなさそうだな…」


「うん…でもまだたくさんあるしね!」


「そうだな。手当たり次第探してみようか」


僕とお父さんはまた町を歩いていた。

その時だった。


『ドン』


そんな音がお父さんの方から聞こえた。

お父さんは町の人とぶつかったようだった。


「すみません…」


「どこ見てんだよ!くずが」


「すみません…」


そうお父さんが言うと、相手はお父さんの足を蹴った。


「痛!」


お父さんは、その場にしゃがんだ。

だいぶ強く蹴られたみたいだ。


「おまえみたいに邪魔なガキを連れた親がいるとムカつくんだよ」


そういって町の人は歩いて行った。


(完全に相手がわざとぶつかったよな…どっちがくずだよ。

ていうか、何でお父さんも言い返さないんだ)


そんなことを子供ながらに思っていた。

そんな時だった。


『キュワァン…』


そんな音が僕の頭の中に響いた。

だがそんな場合でもなく、僕は一度家に帰ることにした。

お父さんは、ずっと足を引きずっていた。


――――――家――――――


「ごめんな…シライ。天性探しまだあるのに…」


「いいよ。お父さん。別にまた行けばいいし」


僕は自分の部屋に戻った。


(はぁ…なんであんな目に合わないといけないんだ)


僕はそう考えていたが、頭に流れた謎の音について思い出した。


(そういえばあの音って…)


僕は試しに、お父さんが言っていた指を上から下に動かした。


「うわぁ!」


僕にボードが表示されたのだった。


(天性が芽生えたってこと!)


僕は自分の能力を確認した。


般若はんにゃ level1 状態:生成なまなり


僕が今まで見てきた能力で一番わからなかった。

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