特人依頼③ ―見ず知らずの子供の危機―
そこには、僕たちが暮らす世界より、明るかった。
(すげぇな、、、ここ)
建物も、畑も、道もすべてが僕たちの世界を上回っていた。
そう僕が見ていると、、、
「人間、様、こっち、です」
「あぁ、すまないな」
僕はナーガを追いかけた。
(こんな場所もすべて整備されている、、、)
僕たちの世界よりも何倍も、整備されていた。
そして少し走ると、ナーガは一つの家の前で止まった。
「はぁ、はぁ、ここか?」
そういうと、コクリと頭を縦に振り、ドアを開けてくれた。
「ど、う、ぞ」
「あぁ、失礼する」
そこには、ベットのような場所に一人の子供がいた。
――子供は泣き喚いていた。
僕はまずナーガに聞くことにした。
「なあ、なんでこんな感じになったんだ?」
「いきなり、こう、なった」
「そうなのか、、、」
僕はナーガの子供の手に触れた。
(震えてる、、、とてつもなく)
手はぶるぶると震えていた。
(そういえば、ナーガはみんな喋れるんだよな)
僕はナーガの子供に話しかけた。
「すまないな、いきなり、痛いところはあるか?」
子供は僕を見ると同時に叫んだ。
「人間、死ぬ」
そう驚いていて、起き上がってしまったが、僕は落ち着いた口調で言った。
「すまないな、お前の母親が助けてほしいらしくてな」
そういうと、驚いていたが子供は大人のような、状況把握能力で言った。
「救って、くれる、の?」
僕はその質問に、断言ができないのに言った。
「あぁ、もちろんだ――この時くらい信じな」
そういうと横になり、さっき言った質問に答えてくれた。
「頭、痛い」
「そうか、ほかには何かあるか?」
「少し、気持ち、悪い、めまい、が、する」
「そうか、ありがとうな――もう寝てていいぞ」
(この症状、知っている――手の震え、頭痛、吐き気、めまい)
僕はその時、確信が着いた。
そして告げた。
「これは、人にあり得る状態の一つだ――エルバは適性ではない」
そういうと、ナーガは驚いて僕に近づいた。
「じゃあ、なに?」
そういうと、僕はその質問には答えず、要求した。
「なあ、すり鉢と水、あるか?」
そういうと、ナーガはコクリと頭を縦に振って、家の奥の方へ行った。
ナーガは駆け足で持ってきた。
「ありがとな、これで、、、」
僕はバックを開け、シャーキャニムを一本取った。
そして僕は、すり鉢に置き、すり潰した。
ゴリッ ゴリッ
そんな潰す音だけが、その場に響いた。
そして僕は、潰したものに水を流し込み、混ぜた。
「なあ、これを呑んでみてはくれないか?」
「うん」
そう子供は言って、すり鉢のまま飲んでくれた。
「いい子だ」
そういって僕は立ちあがった。
そうすると、ナーガは僕に聞いてきた。
「これで、終わり?」
「あぁ、そうだ」
「じゃあ、なんだった、の?」
「『低血糖』だ」
「てい、けっと、う?」
「あぁ、人間もたまに低血糖になるんだ――その時の症状と似ててな、まあナーガでは聞いたことはないが、、、」
「でも、よく、なる?」
「あぁ、後々だけどな」
そういうと、ナーガは安堵のため息を吐いた。
「よかった」
「でも、お前もギリギリだったな」
「どう、して?」
「低血糖の重症化、ギリギリだったんだぞ」
「そう、なの?」
「あぁ、重症化すると昏睡状態とか、痙攣、意識消失したりするんだ」
「そう、だったん、だ」
僕はしゃがんで、バックからあるもの手でつかみ、言った。
「あぁ、だからこれ――あげるよ」
「え」
僕が渡したのは、シャーキャニムを渡した。
「でも、だいじょう、ぶ、なの?」
「あぁ、大丈夫だ」
(こういう時、人間という生物は嘘を吐くんだぞ)
僕がそういうと、ナーガは驚きながらも、喜んだ様子だった。
「これで、また、なっても、だいじょう、ぶ」
「あぁ、そうだな」
そういうと、ナーガは僕に近寄ってきた。
「どうした?」
ナーガの手には、ブレスレットのようなものがあった。
――真ん中に鏡みたいなもんがぶら下がっていた。
「これ、あげる、君、いい子、プレゼント」
そういって僕の首に掛けてくれた。
「ありがとうな、良い妖使さんよ」
そういうと、ナーガはニコッと笑ってくれた。
(こんな友好関係があっても、悪くないんだな)
そう思っていると、ブレスレットについて言ってくれた。
「この、プレゼント、いつでも、この、世界、来れる」
「そうなのか、そんな大事な物いいのか?」
「うん、だから、いつでも、遊び、に、来て」
「あぁ、いつでも来るさ」
そういうと、ナーガは思い出したかのように言った。
「そうだ、家、どこ?」
「あぁ、君と会った近くの村だ」
「そう、なんだ」
「あぁ」
「じゃあ、送る」
「え?でも無理じゃないか?」
「ううん、できる、ナーガ、能力、ある、から」
「そうなのか、、、」
そういうと僕はバックを背負い、共に家から出た。
「今、から、帰すね」
そういうと、また空間を繋ぐ〇が出現した。
「そうか、ありがとうな」
というと共に、僕の目には、一つの光っている花を見つけた。
(あれって、、、)
僕は駆け出した。
「人間、様?」
僕はそんな声も聞こえないほどに、その花しか見ていなかった。
僕が着くと、、、
(これって、そうだよな)
僕の目の前にあるのは、『エルバ』だった。
それに、大きな塊だった。
そう思っていると、ナーガが後から来た。
「どう、した、の?」
「これってよ、採ってもいいのか?」
「別に、いい、けど」
僕は手に取った。
美しい縦長の花を囲うように、広被針形の葉っぱが生えている。
僕はこんなにきれいな花を見たことに感動した。
(美しい、、、)
僕がそう思っていると、ナーガは言った。
「どう、した、の?」
「これは、僕が探していた『エルバ』という薬草なんだ」
「よかった、です、ね」
「あぁ、よかったよ」
僕は数十本、根から取り、バックの中に入れた。
(これで探さなくて済む、、、)
「じゃあ、帰り、ます、か?」
「あぁ、帰るよ」
「わかり、ました」
そういって、また空間を繋ぐ○を描いてくれた。
「すまなかったな、さっきも描いてくれたのに」
「ううん、別に、いい、よ」
「ありがとうな、君の方が優しい者だな」
僕は空間を繋ぐ○の背にして、最後にこの世界を見た。
その時、僕の目が一つの物に釘付けになった。
(この明るさは、あそこからか)
僕が見たのは、この空間を照らす、一つの電球だった。
「どう、したん、ですか?」
「いや、何でもない――でも本当にありがとうな」
僕はナーガに背中を向け、空間を繋ぐ○に入った。
「じゃあ、また今度」
「うん」
そういって、閉じてしまった。
(妖使も悪い奴だけじゃないんだな)
僕がそう思いながら、周りを見渡すと、空は明るくなって、僕が入った森のところに立っていた。
もちろん、村がすぐあった。
(ナーガってすげぇな、、、)
僕はそう思いながら、自分の部屋に帰り、一度寝ることにした。




