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世界よ、なぜ僕に失格者の烙印を押したのですか?  作者: 燐華織
第二章

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特人依頼② ―採取と例外的な妖使―

僕の足は、部屋の方へと進んでいた。


(一旦バック取ってからだな、、、)


僕はそう思いながら、さっきもらった二つの紙をポケットに入れた。



僕は部屋に着いた。


(よしスペース作れば、、、)


僕はバックの中に入っているものを出し、肉の葉っぱ包みやナイフを左に寄せ、本を仕切りをして利用し、右側にスペースができた。


(これでいいな、、、)


僕は整理したバックを背負い、外への扉を開けた――まだ空は明るかった。


(まずは森に行くか、、、)


僕の足は一歩また一歩と、森へと向かっていた。


(さっさと帰ってくるか、、、)


僕はそう思いながら森へと入った。



僕が森に入って少し経つと、ポケットに手を入れた。


(えっと、なんてやつを見つければいいんだっけな)


僕は特人依頼書を読み返した。


(『シャーキャニム』、『エルバ』か、、、)


僕は一個致命的なことに気づいた。


(どんな薬草なんだ、、、)


僕は、村長に頼まれた薬草の二つがわからなかったのだ。


(やば、、、どうしよう)


僕は咄嗟に帰ることを考えたが、、、


(依頼を受けた以上、今からやめるのは信用に関わるし、、、)


僕の心がそれを却下してしまった。


(じゃあどうしよう、、、帰るわけにも行かないし、だからと言って裏切るのもな、、、)


その時、一つの音が鳴った。


パサッ


そんな草に紙が落ちる音がした。


(なんだ、、、)


僕が自分の足元を見ると、四つ折りの小さな紙切れがあった。


(そういえば、、、)


僕は村長からこの紙を受け取ったときのことを思い出した。


(、、、村長)


僕はしゃがんで、その紙を拾った――紙を開いた。


――――薬草:シャーキャニム――――


葉っぱが小さく丸い、厚さがなく触り心地が良いのが主な特徴である。

山に多く分布しており、簡単に採取できるものである。

とても甘く、そのまま食べるのは至難の業であるとされている。

使用法:薬を包み飲む


――――薬草:エルバ――――


葉っぱは先が細く、基部は広くなっている広被針形こうひしんけいになっており

その葉っぱに囲まれた、細長い花があるのが主な特徴である。

湿っている場所に多く分布している。

味は苦みはあるがほんのりと甘味があり、清涼感せいりょうかんを感じられる。

使用法:薬として飲む、お茶にし飲む


そう書き記された薬草全書ほんの端切れだった。

そして紙の角には、、、


頑張れ


そう書いてあった。


(未来が見えてるような人だな、、、)


僕はそう思いながら、特徴を細かく読み、周りを見渡した。


(まあそんな簡単にないか、、、)


そして僕はまた、森の奥へと歩いて行った。



数十分が立ち、少しづつ太陽が沈み始めていた。


(ないじゃん、、、)


僕はその時、文句をこぼした。


(ていうか、特徴が大雑把おおざっぱすぎるし、こんなのどんな葉っぱでも当てはまるわ、、、)


僕がそう文句を言っても、時間は進み続けていた。


(はぁ、だから無知が作った本は嫌だ)


僕がいくら周りを見渡しても、すべてがそう見えてしまい、探すことが出来なかった。


「どうすっかな、、、」


そんなことを呟くながら、胡坐あぐらをかいて座った。

その時、僕の頭に一つの言葉が浮かんだ。


『植物と人間は同じである。

すべて同じ個体に見えるが、一つ一つは違う個体だ。

これが見抜けぬものは人と植物を区別するのは、生涯を費やしたとしても、不可能である』


僕はこの言葉を、小さい頃に読んだが、今だに覚えている。

――だってあまりにも人という生物を語った言葉だからだ。


(そうか、一つ一つ)


僕は今までの探し方を思い出した――一つ一つ探すわけではなく、一つの『塊』として見ていたのだ。

そこから僕は、胡坐をかいたまま、木の根っこを見続けた。

目が痛くなるほどにずっとずっと、、、

――それは傍から見れば『鑑定士』のように見えるほどにじっくりと見ていた。


「あった、、、」


僕の努力の甲斐もあってか、一つのシャーキャニムを見つけることが出来た。

僕は立ちあがり、駆け寄った。

そして、手に取り、根元から引っこ抜いた。


パチッ


(これが、、、シャーキャニムなのか)


まるで感動の再会をしたかのような、涙を流した。


(よかった、、、)


僕は背負っていたバックを降ろし、開けた。

そして、ゆっくりと右側のスペースに入れた。


(よし、記念すべき一つ目だ)


そして僕はまた、さっきあった場所を探した。


(まだあるはず、、、)


もう空は真っ暗だったが、僕の目ではまだ明るく見えた。


「あった、、、というか、ここら一帯じゃないか」


僕がさっき一本見つけた場所は、小さな塊だったのだ。

――そこには大体10本から30本程度あった。


(これで、、、)


そう思ったが、僕は一つ聞き忘れたことを思い出した。


(これって、一種200gなのか、それとも二種で200gなのか、、、)



僕は考えた末、この答えは神のみぞ知る状態を解決させる方法を思いついた。


(よし、一種200g採取するか)


僕がこの答えに導かれたのは、一つの言葉だった。


『安パイ』


多く採っても怒られることはない、逆に感謝されるかもしれない。

逆に少なかったら、怒られ信用を失うかもしれない。


(じゃあ多分シャーキャニムは200gくらいあるし、次はエルバを見つけるか)


そして僕はその場を立ち、バックを背負った。


(じゃあ湿った場所でも探すか、、、)


僕はそう思いながら、歩き始めた。


(ていうか、湿った場所ってどこだよ――川か?)


でもここら辺に、川は流れていなかった。


(まあ歩いていれば見つかるでしょ)


僕はとにかく歩くことにした。



僕が歩いて、何十分だろうかもうわからないほど経った。


(どこにあるんだか、、、)


僕がそう思いながら歩いていると、草むらが揺れる音がした。


ガサッ ガサッ


(ん?なんだ?オオカミか?それとも妖使ごくしか?)

――妖使ごくしとは、人々の厄災とされている生き物のこと。


僕は足に入っているナイフを取り、戦闘態勢に変えた。


ガサッ ガサッ バサッ


そう草むらを揺らしながら、飛び上がったのはやはり『妖使ごくし』だった。

――上半身は人の体に似たもので、下半身は蛇のようにぐにゃぐにゃしており、うろこまとっていた。


(これって、本で読んだ『ナーガ』ってやつじゃあないか)


そんな驚きと同時に、ナーガに関する情報を思い出した。


(そういえばナーガの討伐法は、まだ確立されてないんだよな――じゃあやばくないか)


そうナーガの討伐法以前に、討伐したという情報もなく、簡単に言えば討伐者がいないのだ。

――その情報が暗示あんじするのは、『死』だった。

僕は少しづつ、後ろに下がっていくことにした。


(どうやって逃げるかも考えないとな、、、)


その間も相手はずっと僕を見つめていた。


(攻め時でも考えているのか?それとも殺意を感じ取っているのか?)


そんな考えも出たが、この世の妖使ごくしはそんなに知能は高くない。

稀に、少し知能の高い個体が生まれるくらいなのだ。

稀と言っても、本当に稀なほどだ。


(じゃあ何を待っている、、、)


僕の目を、ずっと見つめていた――いや見つめているだけだった。


(やるしかないよな、生きるためだ)


僕は今までにないほどに、汗をかいた。

――背中せなかひたいうで


そして僕は、足に一気に力を入れた――目線はずっと相手の首を見ていた。


(今しか、、、ないッッ)


僕の足は一気に、ナーガへと飛び、距離が詰まった。

――全身に流れた汗が後方へと飛んだ。

そして僕は狙いであったナーガの首に飛ぶことが出来ず、下半身に切り込みを入れようとした。


(切れないのか、、、)


そんな絶望を抱えながら、ナイフを両腕に変え、力を入れ押した。

そうすると僕の努力が叶ったのか、、、


ズバッ


そんな鈍い音がした。

僕のナイフが切り込みを入れることが出来た。


(勝てる!まだ希望しょうきがある)


僕がそう確信――いや信じたときだった。


「痛い!」


そうナーガが叫んだ。

僕は咄嗟にナーガを蹴り、後ろに下がった。


(なんだ、こいつ)


そう思いながら、ナーガの顔を見ると涙を流していた。

――まるで叩かれた子供のように、、、

だが僕はまだ睨みつけていた。


「私、悪い、妖使ごくし、じゃない」


そんなカタコトな言葉をしゃべった。


(どういうことだ?)


普通に考えて、しゃべれるわけがないのだ。

でもしゃべれる場合がある。

それは『知能の高い個体』だけだった。

そして僕は会話を試みることにした。


「お前はどうして喋れるんだ?」


そう問うと、ナーガは困った顔をしながら言った。


「ナーガ、一族、みんな、喋る」


「は?何を言っているんだ?」


そんな研究結果はこの世には存在しないのだ。

でも僕の思考が高速で巡り始めた。


(研究結果がないからといって、こいつが嘘を吐いているとは断言できない、、、でもだからと言って信用するのも気が引ける、、、)


そんなことを考えるとき、ナーガはまた喋り始めた。


「人間、様、助けて、ほしい」


(助けてほしい?なんだ?こいつ、利用しようとしているのか?)


そんなことを思ったが、僕は答えを返した。


「お前がどんな生物かわからない以上、救うことはできない」


そういうと、またも悲しそうな顔をした。

そして、、、


「でも、私、悪くない、妖使ごくし


僕はその言葉に、言い返した。


「それは僕からしたら、断言はできない――それは誰だって言える戯言ざれごとだともとれるからだ」


そういうと、ナーガは泣き始めた。


「うっ、うっ」


(なんだ、こいつ――感情があるのか?)


そしてナーガは、泣きながら言った。


「子供、死んじゃう、助けないと、死んじゃう」


僕はその時、妖使ごくし相手だというのに感情が動いてしまった。

でも僕の理性は言っていた。


(これが利用されるかもしれない、これは罠かもしれない)


そんな理性と


(こんな嘘を吐けるわけがない)


という感情が交差していた。

そして僕は自分の髪を片手で引っ張り、言った。

僕は物心ついた頃から、自分が葛藤した時『痛み』で決めてきた。

――髪を引っ張ったとき、痛かったら『真』、痛くなかったら『偽』、、、


「お前のその言葉、『真』と取った」


僕がそういうと、ナーガは顔を上げた。


「本当、ですか」


その言葉に、僕は食い気味に答える。


「あぁ、人は嘘を無駄に吐かぬ」


そういうと、ナーガは僕に近寄ってきた。

――近くで見ると、とても大きく2mほどだった。


「ありがとう、人間、様」


その言葉に僕は言った。


「そうか、別にいい」


そういうと、僕に本格的に話しかけてきた。


「私、探してる、薬草」


「そうか、なんの薬草だ?」


「エ、ル、バ?」


「エルバか、、、僕も今探しているんだ」


「持って、ない?」


「あぁ、残念ながらな」


「そう、ですか」


そういうと、やっぱり落ち込んでいることがわかった。

その時、僕の口が勝手に言った。


「でも、何か手伝えるかもしれない――子供の場所まで連れてってくれないか?」


(なに言ってんだよ、あぶねぇじゃあないか)


そういうと、少しナーガは悩み、言った。


「わかった、連れてく、君、信用できる、人」


「そうか、そう思ってくれるならなによりだ」


そういうと、ナーガはボソッと言った。


「人、優しい、思っていた、より」


そういって、ナーガは何もない木の方に〇を描いた。

そうすると、そこの先だけ違う空間が見えた。


「ここに、入って、ください」


「あぁ」


僕はその危険な異空間へと足を踏み込んだ。

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