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世界よ、なぜ僕に失格者の烙印を押したのですか?  作者: 燐華織
第一章

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謝罪と契り

僕は赤い土に膝を着いたまま、泣いた。


(僕に…生きる価値はない、、、)


そして僕は、空を見て願った。


「殺してくれよ、、、天性――この僕を」


だが僕の頭にはあの音は流れなかった。

僕はさらに涙を流した。

――消えない罪を思い出させる恐ろしい天性、それが僕の『生きる道』だということを示していたからだ。

そんな僕の近くにはさっき落とした血が付いたナイフがあった。


(そうだ…天性がやらないなら)


僕はそのナイフを取って、首に当てた。


(これで死ねる…)


そう思っても手は震え、僕の手と心は僕を楽にはさせてくれなかった。

僕は無自覚にも、お父さんと母さんを見た。

――体の至るところから血が流れ、俯く二人の姿があった。


(二人も僕が…殺したのか…)


僕はナイフを捨て、涙を流しながら、二人に歩いて近づいた。

――一歩また一歩とゆっくりと…

僕は二人に、合わせる顔がないだが一つの言葉を伝えるため歩いた。


(…)


僕は二人の前について、土下座をした――赤い土に頭を擦り付けながら…


「ごめんなさい。ごめんなさい。僕が…僕が助けられれば、、、」


そんな謝罪しても、二人は反応してはくれない。

だがそんなとき、過去のお父さんの言葉を鮮明に思い出した。


「俺たちはお前の親であり味方だ、どんな人間だとしても。でも俺たちの味方じゃなくていい。

だから俺たちを無視して自分を裏切らず貫け」


僕があの時、聞こえなかったところが今になって聞こえた。

僕はその言葉にさらに泣いた、今までにないほどに、、、



そして僕は涙を袖で拭い、顔を上げ、立った。


「こんな僕の…こんな僕の生き様を見ててほしい」


僕はそういって、二人を降ろした。

――一つ一つ、縄を解き、釘を抜いていると、記憶の中にある二人が頭に広がった。

僕と公園に行った記憶、他愛のない話をした記憶、一緒にご飯を食べた記憶…

そんな意味のない記憶が、僕の頭を回った。


(二人はいつも明るかったな、、、)


僕がそう思いながら、母さんを持ちあげた。

――母さんはもう冷たく、重さが増していた。

そして僕は、家の方へ持って行った。


(母さん…生んでくれてありがとう――そして僕を見捨てないでくれてありがとう)


僕はそう思いながら家の後ろに置いた。

そして僕はまた戻り、お父さんを持ち上げ、家の方へ持って行った。


(お父さん…天性を教えてくれてありがとう――支えてくれてありがとう)


僕はそう思いながら、家の後ろに置いた。

そして僕は、シャベルを持ちながら穴を掘った。



僕は穴を掘り終わると、二人をゆっくりと穴に置いた。


「ありがとう…お父さん、母さん」


僕は土を上からかぶせ、角ばっている大きい石を置いた。

そして僕はそこに白い石で文字を書いた。


「親であり味方の愛する二人 ここに永眠ねむる」


僕は家の中に入るにした。

――そこにはあの朝のままの場所だった。

そして僕は一つの紙が落ちているのを見つけた――その紙は僕の天性書だった。


(これか…)


僕はそう思いながらもう一度読んだ。

――やっぱり書いてあることは変わってはいなかった。

だが僕に一つ引っかかるところがあった。


『真の己を掴んだ時、初めて自由を手にする』


僕はその時、一つのことを思った。


(呪縛から解放されるのか、、、)


そして僕は自分のポケットに、折り畳んで入れ、家を探し回った。

僕は懐かしい家族の写真を見つけた。そしてその写真も、折り畳んでポケットに入れた。


(あとは、、、)


僕はサバイバルに使えそうな本を何冊か本棚から取った。

そして僕は玄関のドアを開け、家を出た。


「ありがとう」


そんなことを呟きながらドアを閉めた。

そして僕は、血だらけの商店街の武具屋に行き武器とバックを盗んだ。

僕はバックの中に、いろいろなものを入れた。

――写真、天性書、血の付いたナイフを布で包んだもの、スペアのナイフを布で包んだもの、スペアの靴、火打石、打ち金、本など

僕はそれを背負い、家の後ろに行った。

――そこにはさっき埋めたばかりの二人の墓があった。

そして僕は座って言った。


「二人とも亡くなって早々ごめんね、今さっき決めたんだけどさ、僕、、、旅に出るよ。

今、夢ができたんだ。それはね、天性から解放される夢、、、

夢にもなってないけどさ、天性書に書いてあったんだ。

まあ叶うかわからないよ、だってもう僕は犯罪者だからさ、徳なんて…すべて崩れたと思うしさ。

でも見てて…ほしいな、二人の立派な息子になる瞬間をさ」


そう言うと、二人がほほ笑んだ気がした。

僕は笑顔で返した――だが僕の頬には涙が流れていた。

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