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第7話


「一巻の売り上げはまずまずですよ」

「ほんとですか⁉」

「はい」


 出版社のブースで編集者の宇曽田さんが微笑む。


 思わず椅子から立ち上がった。両腕をかかげてやったー! と声を張り上げる。


 よっしゃ! これで印税が入る! 


 まず新しく出たマニキュアを買おう。あとはリップでしょ、ブランドバッグでしょ、あとは服も見たいなぁ。


 自撮り写真を上げたら有名人に声かけられたりして。きゃっ!


「じゃあ次お願いしますね!」

「え?」


 変な声が出た。


 宇曽田さんが目をぱちぱちさせる。


「えって何ですか。次ですよ次。二巻のプロットお願いしますね」

「二巻出すんですか?」

「当たり前じゃないですか。売り上げは好調ですし、このままいけばアニメ化も狙えます。一巻打ち切りなんてあり得ません」

「アニメ化、ですか」

「そうです。作家のあこがれ、アニメ化ですよ。アニメになれば普段小説を読まない層の目にもとまりますし部数の増加も見込めます」

「へ、へえ」


 つまり、私の作品がテレビアニメになって全国に放映されるってことか。

 

 いまいち現実味がない。何か話が大きくなってきちゃったけど、大丈夫かな?


 まあ大丈夫か。


 それより売上上がるってことは印税も増えるってことじゃん! いいことづくし!


「分かりました! 二巻のブロット考えてきます!」

「プロットですよ田中先生」


 簡単な打ち合わせを済ませて出版社を出た。


 太陽がまぶしい。私を祝福してくれてるみたいだ。


 浮き上がる気持ちに任せてステップを踏む。


「いーんぜい! いーんぜい!」


 このまま売れれば美少女作家の道まっしぐら。将来は明るい!


 せっかくだし何か美味しい物買って帰ろ! 


 二巻のプロットなんて考えてないけど、おしゃれなカフェで考えればすぐに思い浮かぶよね!



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