表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
好きだった女子に小説を盗まれたけど、もっと可愛い女の子と仲良くなれたからまあよしとする  作者: 磯野カジキマグロ
2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/72

第31話


 色妃先輩と解散して自宅に戻った。


 手洗いうがいをすませてチェアに腰を下ろした。パソコンを起動してユーザーホームを開き、サイコホラーの案を簡単に書きまとめた。


 入浴と食事をすませた後はネット小説の執筆に取りかかった。


 色妃先輩とのデートもどきをかてにして次の話を書き、ベッドの上で眠りについた。


 月曜日の朝をむかえて登校する。


 教室のドアを開けるとクラスメイトが寄ってきた。


 俺と色妃先輩が歩くところを見た生徒がいたらしい。色妃先輩との関係性について前のめりに問われた。


 俺と色妃先輩の間にあったのはSNSのつながりのみ。


 田中さんも絡むから正直には言えない。適当に曲げた真実を告げて事なきを得た。


 授業が始まって人が散り、休み時間になってまた人が集まる。


 教室内だけじゃない。廊下を介して別教室からも同学年が集まった。


 さながら檻の中にいる動物を観察するような視線だ。休み時間のたびに見られて居心地が悪いったらなかった。


 貴重な休み時間を弁解に捧げて迎えた放課後。選択科目の教室に足を運ぼうとしたら小坂さんに止められた。


 友人いわく、期末試験の一か月前には選択授業がなくなるそうだ。


 代わりに、クリエイター科の生徒にはコミケに作品を出す課題が与えられる。


 期末試験も待っている。気持ち早めに試験勉強を始めないと、課題作成に時間を取られて悲惨な点数を取ることになる。


 小坂さんと御子柴さんを交えて図書室に足を運んだ。


 奥のチェアに座ってテーブルの上に勉強道具を広げる。


「浅原って色妃先輩とデートしたの?」

「御子柴さん、君もか」

「ブルータスはいいからどうなのよ?」

「デートなんかしてないよ。みんな誤解してるんだ、俺と色妃先輩の間には何もない」

「何もないってことはないでしょ」

「どうしてそう思うんだ?」

「色妃先輩って誰を相手にしてもそっけないって有名なのよ。そんな人が教室に来て声をかけるってことがもう異常なの」

「ひどい言われようだな」


 確かに、色妃先輩が教室を訪れた際にはクラスメイトも驚いていた。それだけ稀なことだったのは俺でも想像がつく。


「それで、本当は何があったの?」

「だから何もないって。そんなに気になるなら色妃先輩に直接聞けばいいだろ」

「それができたらとっくにやってるわよ」

「おい、どけよお前ら」


 乱暴な声色を耳にして振り向く。


 知らない男子三人が俺たちを見下ろしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ