第ニ章 後悔しないように (3)
なんか、大変なことになったな。
本当に大丈夫かな?
でも、救いたいって言ってくれたから、行くんだ。
不安と決意がごちゃ混ぜの中歩いているとすぐに国立公園についた。
電話で10分って言ったけど、8分で着いちゃった。あの人、来てるかな?
周りを見渡す。
公園の入り口に車が一台止まっていた。
近くには女の人がいた。
女の人というより、女の子という方が近いけど。
とりあえず、近づくと、
「宇治さんですか?」
その女の人から声をかけられた。
「はい」
「ここから車でお店まで移動するので、乗っていただけますか?」
・・・ちょっと怖いな
「・・・失礼かもしれないですけど、これ、もし、警察に言われても大丈夫なやつ、ですよね?」
「誘拐、疑ってる?」
「ちょっとだけ」
「大丈夫だよ。私も運転してる人も、まだ十代だから安心してほしいな。そういう問題じゃないかも、だけど、本当に誘拐とかじゃないよ。ちゃんと家に帰すよ」
「乗ります」
僕は、この人が悪い人だとは思えなかった。
だから、車に乗った。
車に乗ってもなかなか車は動かなかった。
「宇治くん、思ってたより身軽だね。家出って言ってたから、もう少し荷物持ってるのかと思った」
「そうですか。僕、親に怪しまれないように・・・」
あれ、眠たい。
「なんか、眠いです」
「そっか。疲れてるんだよ。寝ていいよ。結構時間かかるからさ」
「わかりました」
『お前は高校へ行け。家族のことやお金のことは考えるな』
・・・?!
目を開けると、真っ白な天井があった。
僕の部屋ではない。
えっと、何があったんだっけ?
えっと・・・
「あ、起きた。おはよう」
えっと・・・
「ここはお店。ぐっすり寝てたから、起こすのもかわいそうでさ。寝かしといたんだよ?」
ああ、僕は家出して、この人に救いたいって言われて、車に乗って、寝ちゃったんだ・・・