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うばっつ!  作者: SOくん
9/16

初めての配達っつ!Re:345円と、中華と、俺。

私:48歳。バツイチ。中年ビギナーライダー

装備:ウバッグ緑(新色)、原付(納車済)、骨伝導イヤホン(カッコだけ)

ステータス:アプリDL済み/心拍数MAX

ついにこの日が来た。

アプリを立ち上げると、地図上ににじむオレンジのシミ。


「あれが……ホットスポットってやつか。」


緊張で指が震える中、画面の「出発」ボタンをタップ──


……


自撮りミッション、発動。


カメラが起動し、

画面に映る自分の顔(+ヘルメット)


「うわ…俺、こんな顔してんの…?」


アングルを何度も調整し、

顔の上にオレンジの丸が合うように必死。

もはやRPGのボス戦より難しい。


なんとか認証を通過し、出発。


そして、ついに。


「チロロン♪」


アプリから通知音が鳴る。


キタ!初オーダー!


場所は──中華料理屋「福龍閣」。

……あそこ、駅の近くのあの店だ。

てことは、配達先もワンチャン近いかも?


バイクを走らせ、到着。


お店のおばちゃんが出てくる。


「番号は?」


固まる俺。


「……えっと、えっと……初めてなんです」


おばちゃん、優しい。

天使。


画面を見せると「あ〜これね!」と笑ってくれる。

袋を手渡され、「がんばってね〜」と送り出される。


ちょっと泣きそうになる。

中華屋のおばちゃん、推し決定。


目的地は軽量鉄骨アパート。

表札に貼られた名前、ピンポンを押すと、

出てきたのは若い男。


「あっす」


これだけ。

アプリで「配達完了」をタップ。


──表示された金額。


345円。


「……っしゃあ!!」


初報酬。涙の345円。

時給換算すればゴミかもしれんが、

この汗と感動にはプライスレス。


アプリのカウントが「1/10」になった。

なんか、RPGのサブクエスト感あってワクワクする。


今日はこの1回で終わりにしよう。

疲れた。でも、めっちゃ楽しかった。


家に帰って缶ビールを開ける。

味が違う。これは勝利の味。


「俺……社会に、復帰してるかもしれん……」

ウバッグの中でチャーハンが踊る!?

銀色の救世主アルミシート登場!


『銀色の解決策っつ!Re:スープを守るために』

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