ウーバーのクイズっつ!Re:信号も記憶も、黄色から赤へ
私:48歳。バツイチ。ウバッグ装備済み
武器:中古原付(納車待ち)
最終試練:ウーバー・交通ルールクイズ
ある日、ウーバーからメールが届いた。
タイトル:「アカウント有効化のご案内」
いよいよ俺も、
黒い箱を背負って街を駆け巡る時が来たわけだ。
「クイズに答えてね♪」
軽いノリで書いてあるが、
これ、交通ルールに関する試験らしい。
「赤信号では、どうしますか?」
「歩道は歩行者が優先される?」
ふっ、なめるなよ。
俺、免許歴30年だぞ。
一度もゴールドになったことはないけどな!
問題をサクサク進める。
右か左か、止まるか進むか。
そのうちのいくつかは、「まあ、こんなもんだろ」で選ぶ。
結果。
撃沈。
画面に表示されたのは、
「クイズ未合格。アカウントは一時無効化されました」
「あれ?え?マジで??」
「俺、人生で初めてクイズ番組の予選落ちみたいな気分なんだけど!?」
自分がどれだけ交通ルールを“気分で覚えてた”か、痛感する。
歩道を逆走してたチャリを怒ってたけど、
たぶん俺もやってた。
たぶん、っていう時点でアウト。
焦って再受験しようとしたが、不可。
ダメ、絶対。
ウーバーは“優しいけど厳しいお母さん”みたいな存在だった。
(やばい…バイク買ったのに、これで無職のままだったら…
俺、マジで緑のウバッグだけ持ってる中年になる…)
その夜、不安で眠れなかった。
でも、翌朝。
スマホに通知。
「ウーバーイーツ アカウント有効化のお知らせ」
「……え?通ってるやん!?」
どうやら、アカウントは一回は落ちても許されるらしい。
ウーバー、仏。
「ヒーローは、立ち上がるんだよ……!」
気持ちだけは『本気で学園モノの主役』だった。
こうして俺は、
人生初の“ウーバー配達”へと向かうことになる。
ドキドキの初配達。
中華料理とウバッグと、俺。
『初めての配達っつ!Re:バイクに乗った中年がヒーローになる瞬間』




