バイク屋探訪っつ!Re:原付という名の戦友募集
私:48歳。バツイチ。配達員初心者
現在の装備:緑のウバッグ(凶器)
不足しているもの:バイク
ウバッグを手に入れた俺は、完全に“気持ちだけは現役”になっていた。
だが、現実を見ろ――移動手段がない。
徒歩で配達?ナメてんのか。
自転車?気持ちはあるけど、体力が昭和。
そう、俺に足りないのは……バイクだ!
まず向かったのは、かつて俺がバイクを買った場所。
清水口の坂の下にあった、懐かしのバイク屋。
到着。……が、店がない。
「あれぇ?つぶれてんじゃん。」
この絶望感、RPGで町の道具屋が焼け跡になってる時と同じやつ。
当時はチョイノリっていう可愛い原付を買ったんだ。
名前からしてもう“手乗りバイク”感がすごくて、
「5万?安っす!」って即決した。
でも元嫁に見せたら、秒で怒られた。
「何これ!?危ないでしょ!」
「でもこれでローソンまでスッと行けるし…」
「荷物どうすんのよ!!」
……あっ、フロントフックもメットインも無かったわ。
結果、三ヶ月で飽きて、車庫の隅で冬眠。
やがて保険切れ→処分。南無チョイノリ。
そんな過去を思い出しながら、
スマホで「名古屋 原付 中古」と検索。
御成通の近くに、ヒットした店があるらしい。
ナビを頼りに、徒歩で向かう。
平安通を北へ5分。あった。まじであった。
気配ゼロの隠れ家的バイク屋。
中古スクーターがギュウギュウに並ぶ店先。
こういう雰囲気、嫌いじゃない。
店の奥から男性登場。たぶん店主。
「原付、見たいんですけど…」
「何に使うの?」
――くっ、出たその質問!
(配達って言うと恥ずかしいな…)
(でも、ウーバーって言うと若者ぶってるみたいだし…)
「……通勤に」
「どのあたり?」
「白壁から伏見です」
「その距離なら、これで十分かな」
彼が勧めてくれたのは、
ヤマハ・レッツ4(黒)
価格:69,000円。走行距離:1,000kmちょい。
「これ、女性向きだけど、シート下にメットインありますよ」
「ほんとだ、穴空いてる!」
「あと消耗品は全部交換済みで、登録費21,370円です」
「じゃあ、自賠責5年でお願いしまーす」
言われるがままに書類を書きながら、
こっそりAmazonでヘルメットを検索する俺。
(すまん店主、でもネットのほうが2000円安いんだ…)
納車は来週予定。
つまり、俺の足がついに“戦闘仕様”になる日が近い。
帰り道、昔のチョイノリと、
これから始まる新たな原付ライフを想像してニヤついた。
「さあ、ウバッグ。次はバイクと一緒に暴れようぜ」
クイズ?なめんな。こちとら大卒じゃい。
→秒で落ちた。
『ウーバーのクイズっつ!Re:信号と記憶は忘れるもの』