ひきこもりっつ!Re:ゼロから始める俺生活
私:48歳。バツイチ。自称・自由人。
肩書きは「元サラリーマン」で、現在の職業は「特になし」
娘は元妻と暮らし、元妻は元気。
退職金がドンと入った瞬間、
俺はこう思った。
「……これ、人生クリアじゃね?」
いやほんと、やることがなくなったとき、人は本当に自由になる。
問題は――自由すぎてヒマってことだ。
とりあえず、昔買ったまま放置してたゲームを起動した。
そう、『ファイナルファンタジーX』。
「ティーダとユウナがさ……ほら、切ないじゃん?」
泣いた。ガチで。
「なんで俺、テレビに向かって嗚咽してんの?」ってぐらい泣いた。
ゲームをやりきって、
次はAmazonプライムでアニメを漁る。
『ガンダム』をZZまで観て、
『逆シャア』でシャアに呆れ、
「やっぱ俺、アムロ派だったわ」って再確認した。
しかし不満があった。
最新アニメ、すぐに観れない。
「え、続きは数週間後ってマジ?」
イライラしながら検索すると──
見つけた、dアニメ。
月額480円。
コスパ、神。
「俺が学生の頃はなぁ、レンタル1本380円やぞ」
「5本で1000円!とか言って借りて、延滞で地獄を見るんやぞ!」
そうブツブツ言いながら、ポチッと登録。
気づけば毎日がアニメとゲームで終わっていた。
一日が秒速で終わる。
昼になって起きて、
コンビニで朝昼兼用のサンドイッチ買って、
食べて横になって──
「あれ? これって……最高では?」
世間的には「引きこもり」だが、
俺にとっては「自宅型ライフ・イズ・ビューティフル」だ。
会社に行かないストレスフリーな生活。
無限に溢れるコンテンツ。
そして、誰にも怒られない日々。
ただ、一つだけ問題がある。
金が、減る。地味に、着実に。
貯金はある。
だけど「このペースだと何年持つか?」と計算を始めたら──
眠れなくなった。
「就職?……うーん、それはないな。」
「バイト?……なんか違う。」
そんなときだった。
あの男を見かけたのは。
黒い箱を背負い、
コンビニに颯爽と現れた「アイツ」。
そう、彼こそが――
ウーバー配達員。
ざる蕎麦を忘れるほどの衝撃。
配達員の背中に、俺は未来を見た──!?
『見つけたっつ!』次回、配信予定(たぶん夕方)




