ひきこもりっつ!
私 48歳 バツイチ
元妻 47歳 バツイチ
娘 23歳 元妻と一緒に住む
離婚の勢いで、会社を辞めてしまった私は、結構な額の退職金を手に入れ、悠々自適な生活を送っていた。これが、今までの忙しさから解放された「自由」というものなのか。退職金を見つめながら、私はふと思った。やることがないのも、ちょっと困る。
まずは、買っただけで手つかずだったゲームを引っ張り出すことにした。ゲーム名は『ファイナルファンタジーX』。ええ、もう何年前の話でしょうか。物語を進める中で、ティーダとユウナの別れに涙した。
「はぁ、よかった。」そう思いつつ、最後にアニマを捕まえて終わらせようと意気込む。ゲームをクリアするのも、実は私の新たな目標になっていた。
次に、アマゾンプライムにハマり、ビデオを見まくることにした。昔のアニメから最近の新作まで、ありとあらゆる作品が揃っているではないか!「ガンダムってこんな話だったのね。奥が深いわ。」
ZZまでは見たけれど、逆シャアを観た時にはシャアの気持ち悪さに愛想を尽かし、すっかり遠ざかっていたのを思い出した。「あのシャアの言動には、今更ながらに呆れてしまうな。」まさにオタク魂、久しぶりにスイッチが入った瞬間だ。
懐かしのアニメを観る中で、一つだけ不満があった。最新作のアニメ、表示はされるけれど、プライムではすぐには観られないのだ。「待たなきゃいけないなんて、何てことだ!」
ネット検索をしてみると、「prime for dアニメ」という魔法の言葉が目に飛び込んできた。どうやら、直接dアニメに加入したほうが、はるかにたくさんの作品が観られるとのこと。
「なんと480円!安っす!!大丈夫か?」今のオタク生活は、コスパが良すぎる。プライムの500円も安いと思っていたが、こっちは480円。中高生の頃はレンタルビデオ屋で一本380円が普通だったのに。あの頃、5本で1000円のキャンペーンに大喜びしていた私が、今や980円(税別)で無限のアニメを楽しめるなんて、この世はオタク天国じゃないか!
「何という幸せな時代だろう…」と、感慨にふけりながら、私は次のアニメを探し続けた。これからも、悠々自適なひきこもり生活を満喫しつつ、オタク魂を再燃させる日々が続くのだ。