物損事故?
前回の続き。
タクシーの運転手が110番へ通報して数分後・・
赤ランプを点滅させた、警察のワンボックス車が現場に到着し、
ルーフに「事故」と表示された特大の電光プレートを掲げた。
タクシー会社のクルマも到着して、
警察官ほかが現場の調査を開始した。
「人をはねたの?」
「そういう感じでしたが」
「被害者はどこにいる?」
「それが・・見当たりません」
タクシーの前方に人影は見えない。
その道路は片側2車線だったが、ほかの車線にも人影は確認できない・・
警察官は道路に広がっていた液状の物を白手袋でさわり、
「血液のようだが、被害者はどこに行った?」
警察官は無線で本署に連絡して、周辺の捜索を依頼した。
数台のパトカーが出動して現場の周辺を捜索したが、
被害者らしい人影は発見できず。
「歩道のポールにぶつかったのではないか?」
「まっすぐに走っていたので、ポールにはぶつかってません」
「片方のライトと、バンパーが破損ということは、何かに衝突したのではないか?
前方にほかのクルマは走行していたのか?
追突事故ではないのか?」
「ほかのクルマに衝突ではないです」
「何にぶつかったんだ?」
「それが・・自分でもわからなくて・・」
「ちょっと待って。本署に聞いてみる」
警察官は無線で照会。
本署から、
「ケガ人は見当たりません。はねられた人は動けないはずで、歩いて病院に行けるはずがない」
警察官は、「とりあえず物損事故として処理します。明日の午前中に、周辺の病院に重いケガ人が行ったか確認します」
翌日・・
警察は周辺の病院に照会。
事故の1時間ほど前に、急病の患者が救急車で某病院に搬送されたが、
負傷ではなく脳卒中。
タクシーが何にぶつかったのかは、結局、特定できなかった。
(続く)