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第77話:捕らわれた笹山さん

【センセ~~~~~~!! 厳木さ~~~~~~~~ん!!】


 あっさり水の封印に辿り着いたと思ったのも束の間、球体が液状化して大きくなり、笹山さんが中に捕らわれてしまった。あの様子だと、助けようとして中に手を突っ込むと多分こっちが取り込まれる。さてどうするかと思っていると、尾峰がバッとこっちを向いた。


「厳木クン! 棍棒を貸したまえ! それで笹山クンを引っ張り出そうぞ!」


 なるほど。それなら試す価値はありそうだな。尾峰も手駒にはなってくれそうだ。


「じゃあこれを」


「うむッ!」


 昨日のよりもずっと長い、5メートルの棒だ。相手が液体だから金属にしたので重いが、武術を嗜んでるなら大丈夫だよな?


「噴ッ!」


 ぶん、ぶん、と尾峰は頭上で大きく棒を回し始めた。へえ、やるじゃないか。そして尾峰は思いっきり振りかぶったあと、


「笹山クン、つかまれぇぇぇぇぇい!!」


 棍棒を前に突き出して球体の中に入れた。


【センセー・・・!】


 笹山さんがさっそく棍棒を掴もうとしたのだが、


「ぬっ・・・!?」

【え・・・!?】


 棍棒が液状化してすぐに球体と同化し、笹山さんの手は単に自らの拳を握るに終わった。更に、


「先生、手を・・・!」


 放すよう言おうと思ったのだが、遅かった。棍棒の液状化は球体の外側でも一瞬で進み、


「ぬお・・・っ!」


 尾峰が握ってる部分まで完全に液状化した。


「しもた・・・儂としたことが・・・!」


 多分もう、手が離せなくなっている。となれば辿る道は、ひとつだ。


「ぬぅぅおわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・!!」


【センセーーーーーー!!】

「くっ・・・」

「そんな・・・っ」


 案の定、尾峰も球体に取り込まれてしまった。


【ウソでしょ!?】


【ぬかった・・・っ! 後は頼んだぞ、厳木クン!】


 顧問が平然と部員でもないゲストに後を頼まないでくれますかね。


「どうすんのよ鏡子・・・!」


 ンなこと言われてもな・・・。道具を使った外部からの支援でも巻き添えだろ? こっちが道具から手を放してりゃ巻き込まれはしないだろうけど、


「どっ、こい、せっ!」


 ロボットアームでロケットパンチを飛ばしたら、


 じゅわわ~~っ。


 捕らわれた2人に触れるよりも先に、ロケットパンチも液状化して融合した。しかもなんか、球体がデカくなった。


「やっぱ無駄かあ」


【しかもなんかデカくなってない!?】


 なってるねえ。


「ホントにどうすんのよ・・・」


 諦めてはいないながらも、動くこともできない面々。言うて鈴乃にセルシウス、あとは部長ハナちゃん2年男子ABだからな。できることは限られてる。


 しかし、相手は宙に浮いてるだけの水の球体。


「一応、策があることにはあるけど・・・」


【ホント!? 何でもいいからやって!】

【早くするんだ責任は儂が取る!】


「蒸発するのと氷漬けどっちがいい?」


【ダメダメやめて死んじゃう!】

【待て早まるんじゃない厳木クン!!】


 だよなあ・・・。さすがの私も知り合いが氷漬けで粉々になったりボコボコに茹でられたりするの見たくないもんなあ・・・。


「知り合いじゃなかったらいいって訳じゃないでしょ・・・」


「でも何とかなんないかなあ。凍るギリギリの手前まで冷やせば手を突っ込んでも大丈夫とか」


「やめてよね? 鏡子まで捕まったら終わりだからね?」


「じゃあ鈴乃がやる?」


「絶対イヤ!!」


 なんだよ。まあ犬死にするだけだろうからやんないけど。


「もし、できるなら・・・」


 セルシウスが呟く。


「尾峰先生が笹山さんを勢いよく押したらどうだろう」


 確かに、外からの支援はできなくても、中からなら押せるかもな。これで犠牲が増えることはないし、ダメ元でやってもみてもいいだろう。笹山さんさえ救出できれば尾峰は置いて行ってもいいし。1人残されても例の頸檄流とやらで液体の頸を取ってしまえよ。


【センセーお願い!】


【うむ! 少々手荒な真似にはなるが・・・もし勢い余ってお主の頸を取ってしまっても恨まないでくれるかね?】


【ヤだよそれは恨むんぢゃうよ!?】


 何を呑気なことを言ってるんだ。


【ゆくぞ笹山クン。こぉぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・っ】


【よし来い・・・!】


 宙に浮く水の中に閉じ込められた状態で尾峰は、太極拳とはまた違うような、でもなんか武術のそれっぽい動きをしながら構えを取る。


【尾峰頸撃流、十三の太刀・・・】


 太刀・・・?


【背撃功ぉぉぉぉぉぉ!!】


【んんっ・・・!!】


 笹山さんの後ろから肘打ちしたんだと思う。多分だけど、直撃はさせずに寸止めで。そんな状況把握に至るよりも先に、笹山さんの救出はできたのかという問いに対する回答は得られていた。


【なんで~~~~~~~~~~~~~~!!】


 尾峰に押された直後から、笹山さんは球体の内壁にへばりついていた。球体は妙な伸縮性があるようで、結構こっちの方まで伸びて来た。それでも破裂とかはせず、もちろん笹山さんも外には出れず球体の形は元に戻った。


「ダメか・・・」


「すみません笹山先輩・・・」


【ダイジョブだよ摂津君! ありがとね!】


 しかし、どうしたものか。


「う~~~ん・・・笹山さんだけでも助け出せれば尾峰先生は置いてけるんだけど」


【厳木クンちょっと後で職員室まで来てくれるかな?】


 まずてめーが職員室に行ける状態になれや。こっちはいつでも行ってやるよ職員室ぐらい。


「あ、あの水を・・・」


 今度は部長から提案があるらしい。


「スパッと真っ二つにするのはどうでしょう。2人には上か下かによけてもらっておいて・・・って、無駄ですよね・・・」


 まあなあ・・・。あれを真っ二つにするのは簡単だが、その断面から脱出ってのは虫の良すぎる話だ。単純に2人を閉じ込めるのが球体から半球になるだけだろう。狭くなるのも可哀想だし、やめておこう。真っ二つにするための武器が吸収される可能性も高いしな。そうなればあの2人の空間も広くなるが・・・。


 ってかあの球体、デカくしすぎて地面か天井に接触したら地に足着いてる全員アウトになったりしないよな? 何なら天井や地面と接触してる湖全体との融合すら有り得る。そうなったら日本列島、いや地殻は共有だから地球全体がアウトだ。地球が、地球そのものがああぁぁぁ。あの球体の巨大パージョンになってしまう! あの球体が浮いてるのって、実はすげぇ大事だったんじゃないのか?


 いや、ちょっと待てよ。浮いてるにしたって、空気とは接触してるよな。でも、空気とは融合せずそのままのサイズを保ってる。もし融合できたらそれこそ青天井でどこまでも拡大してしまう。


 だとすると、気体でなら押せるんじゃないだろうか。オッケー任せろ。


 ドン。


 取り出したのは、大きな大砲。


【厳木さん・・・!?】

【厳木クン・・・!!】


「ちょぉっ、鏡子、何する気・・・って、それでも無理なんじゃないの? さっきのロボットアームでもダメだったんだから」


「ノンノンノン。ここから出るのは砲弾じゃなくて、空気砲よ。く・う・き・ほ・お」


「空気砲・・・? あ、そっか!」


「まだ、これは試してないでしょ? そんじゃみんな、もうちょっと離れて」


 そう言うとみんな、元から5~6歩分は離れていたが更に5~6歩ほど後ずさって距離を置いた。


「それじゃあ行くわよ? Come着火」


【ビー・イン・ザ!】


「Everybody ?」


「ファイヤーーーーーーーーー!!」

【ファイヤーーーーーーーーー!!】


「何なのよその賭け声は・・・・」


 導火線は短いので鈴乃が何やら呟いてるうちに到達し、


 ポアァァァァァァァァン!!


 と空気砲が発射された。その瞬間、私は“しまった”と思った。これ以上ないぐらいの悪手を、かましてしまったという思いで心から魂が抜けた。もし、あの球体が飛び散って壁や天井に触れてしまったら? “地球そのものが”案件なのでは?


 まずい!


 さすがは私の作った空気砲、“まずい”と思った頃にはもうターゲットに到達し、例の球体は弾け飛び始めていた。でもまだ間に合うのが私!


 バババババッと、大量の鉄板を飛ばした。あの球体周りの、壁・地面・天井をコーティングするように、なおかつ壁等にくっつかず少しだけ浮くように。

 ビシャシャシャシャッと、空気砲を受けて飛び散った水が周りの鉄板に掛かる。そして笹山さんと尾峰も、地面から浮いた鉄板に落ちた。


「あいたっ!」

「ぬおっ!」


「って、アタシたち出れた!?」


 だといいが。


「みんなはまだ動かないで」


 なんてことはわざわざ言わなくても、あの液体が飛び散った空間になんか誰も近付きたくはないだろう。だが見たところ、飛び散った液体が掛かったはずの鉄板や、ずぶ濡れ状態の笹山さんと尾峰が液状化したり取り込まれる様子はない。


「2人とも! 走りながらこっちに来て!」


「うん!」

「うむッ!」


 なんだか知らないが、またあの液体が活性化する前に2人を乾かしてやろう。鉄板は、私のすぐ前まで伸ばしてある。


 ブォォォォォォ・・・!


 鉄板上を走って来る2人に強力な温風を当てる。2人とっては向かい風となるが、鉄板の空間はどん詰まりだから後ろから反射してくる分もあるはずで、そこまで苦ではないだろう。完全に乾くまで、鉄板から降りてもらう訳にはいかない。


 で、あの球体は消滅したのか? とてもそうは思えないのだが・・・。走り来る2人の奥に意識を向ける。あの液体を浴びた鉄板にまだ液状化する様子はない。一定以上の体積がないと他の物質を取り込めないとか? いや・・・。


「厳木さん! あれ!」


 セルシウスが叫ぶと同時に、気付いた。宙に浮く小さな雫が、ある。あいつが本体だ!


「2人とも急いで!」


 というかロボットアームを伸ばして掴んだ。


「きゃあっ!」

「のわっ!」


 もう、完全に乾いてなくても問題ない。2人を私の後ろに下げてアームを開き、救助は後ろの面々に任せる。


「儂は平気だ。笹山クンを・・・」


「アタシもだいじょぶ。ありがとみんな。もちろん厳木さんもぉぉっ!?」


 こっちを振り返ったらしい笹山さんが驚いたような声を上げた。無理もない。雫だけ残った例の液体がこっち目がけて突進してきたからだ。


「人質がいなくなったなら余裕よ。みんな下がって」


 飛んで火に入る夏の虫、ではなく飛んで火に入る夏の水ってか。水なんて、100度ぽっちで蒸発してしまうヤワな物質だからな。食らいな、灼熱ビーーーーム!


 ジュワァァ~~~~~ッ。


 直径2メートルほどの300度のビームをぶつけた。この範囲なら逃げられっこないだろう。更に、


「はっ!」


 カプセルを投げた。そのカプセルは、一旦開いて1枚のラップ状になり、ビームが止まった直後の辺りの空気をまとめて包み込みながらまたカプセルの形に戻っていった。これで、ヤツをこの中に閉じ込められたはずだ。


 私の予想が正しければ、ヤツが気体を取り込めなかったってことは、ヤツ自身を気体にすれば何も取り込むことはできない。今、カプセルが無事なことからもそれは明らか。あとはカプセルをヤツの沸点以上に保ち続ければ二度とヤツは外には出られない。もちろんそんなことは、超天才鏡子ちゃんをもってすれば余裕だ。


 というワケで恒温槽を召喚。恒温槽というのは、手っ取り早く言えば保温庫だ。200度までいけるが、150度あれば十分だろう。この中でヤツを永久保管する。当然、私のカプセルはこの程度の温度ではやられない。ほんじゃ、さいなら~♪


「ふぅ。こんなところね」


 みんながいる方を振り返ると、ぽかんとしていた。まあ、ビームを撃ってからここまで10秒のできごとだからな。


「えっと、なんとかなった、の・・・?」


 鈴乃が言った。私が答える。


「なんとかしたのよ」


 全く、手こずらせやがって。おまけに恒温槽を1個潰された。スペアはあるが、また作らないとな。


「きゅうらぎさ~~~~ん!!」


 がしっ。


「おわっ」


 笹山さんか。


「ホントありがと~~! 怖かったよぉ~~~!!」


「はは・・・」


 そりゃどうも。


「みんなもありがと~~! 今日の晩ご飯担当はアタシだね! 腕をヨリにヨってみんなの分を作っちゃうよ! そして食べちゃうよ!」


 食べるんかい。あと腕はあまりヨりすぎないように。


「ですが、」


 1人で料理をしようという笹山さんに、部長が言う。


「今日は皆既月食の観測と、天の封印のこともありますからね。1人では時間も掛かってしまうし合宿としてどうなんだという話にもなりますから、普通にみんなでやりましょう」


 それがいい。


「あーーっ、野々宮君どうせアタシの料理なんてマズいと思ってるんでしょ~っ。当たってるけどバカにしないで?」


「当たってるなら尚のこと任せたくないですよ・・・」


「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ。またしても不覚を取ってしまったが、何はともあれ一件落着じゃな」


 いいや、まだだ。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・!


「きゃっ」

「えっ、何!?」


 突然の揺れに一同が驚く。そりゃあ、あの液状の球体を始末したっきりまだ報酬を得てないからな。出てきてもらわないと困る。


「みんな、あれ」


 セルシウスが指差す。行き止まりになっていた奥の壁が、開く。と言っても、広い部屋があるとかではない。せいぜいが押し入れ程度の広さだ。その押し入れにはまた台座があって、水色でツヤのある球体が置かれていた。


「今度こそ本物!?」


 期待している様子の笹山さん。


「触って確かめてみたら?」


「絶対ヤダ! 厳木さんお願い!」


「はいはい」


 あれが本物だったとして、さっきの今で素手で触ろうなんて人はいないだろう。


「とにかく行ってみましょ」


 みんなで奥の方まで進み、私はロボットアームを召喚。いざという時はすぐ切り離せるようにして、そっと、水色の球体をつまんだ。


「よし」


 がっつり固体だ。そのままアームを引いて、球体を回収。


「水の封印、ゲットね」


「ほおっ」


 誰の声なのか、安堵したような溜め息が聞こえてきた。で、手に入れたばかりの水の封印の球が淡い光を放ち出す。


【よくぞ、水の封印をも解いてみせた。人の子よ、天の封印がぬしらに解けるか? それができた時、稀代の賢人が遺した秘宝を手に入れることができよう!】


 そう言って球は光るのをやめた。


「素晴らしいッ! いやはや、こんなこともあろうかと厳木クンを呼んでおいて良かったわい」


 本気でこんなことがあると思ってたのか?


「ほんと、センセだけだったら今頃あの化石に食べられちゃってるか水に閉じ込められたままだったよ」


 化石に食べられるって・・・。


「すまぬ。儂としたことが不甲斐ない・・・」


 いやむしろあの不甲斐なさこそが“尾峰らしさ”とも言えるね。後悔の念に駆られる尾峰に苦笑いを向けたあと、部長の野々宮が仕切る。


「一旦地上に戻りましょう。地に足を着けているとは言え、この空間は疲れます。お昼も近いですし」


 さんせー。


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 昼飯は、昨日の残りのカレー。で、笹山さんが張り切っちゃいそうな晩飯は、魚と野菜のグリルだ。言うほど技量が関わる要素もないのだが、カレーを食べながら話し合われた結論はこうなった。


「デザートかぁ。よーし、野々宮君のほっぺがドロドロになっちゃうぐらいの絶品を作っちゃうからね」


「ドロドロにはしないでくださいよ・・・」


 食事は普通にみんなでやることにして、笹山さんはデザート担当になった。


「な~ににしよっかな~。フルーツポンチは決定として・・・」


 そうだな。材料は限られている。お菓子代わりの果物がそれなりに残っているのと、サイダーもあるからフルーツポンチはできる。だが乱暴に言えば混ぜるだけでできちゃうから、笹山さんが腕をヨジれない。


「ふーむ、せっかくだし管理人に何かもらえぬか聞いてみよう。卵や小麦粉ぐらいならあるだろう」


「お願いセンセ! センセもアタシの手作りデザート食べたいよね!」


「いかにもッ!」


「イエェス!」


 思いのほか真っ正直な反応だったな、尾峰。


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 昼飯の後はまた自由時間だった。がっつり泳ぎこそしなかったものの、ボート乗ってどっかの林に行ったり、歩き回ったりデカい岩の頂上を目指したり。

 昨日は男女で分かれる形だったのだが今日は笹山さんの「男子も一緒に来ること!」の一言で全員行動となった。もちろんセルシウスとハナちゃんは2人だけで同じボートに・・・はハナちゃんがすごい眼力で訴えてきたので鈴乃を同乗させた。ほとんど鈴乃が場を繋いでたみたいだし、進展はまだまだ先だな、ありゃ。


 で、登ったデカい岩とやらが、中々のものだった。頂上は思いのほか広く足場も安定していて、天体観測にはぴったりだった。その場でみんなで話をして、晩飯の後にまたここに来ることに。例の、天の封印を考えるにも高台の方がいいだろう。



 そんなこんなで午後4時。夜のひと仕事に備え、少し早いが晩飯の準備。でもって笹山さんはデザートの準備。一応昼間の自由時間中も天の封印は意識していたのだが、デカい岩が天体観測に良さそうだという発見以外に大したものはなかった。超常現象の類も、些細なことすら起きなかった。とりあえずメシとデザートを嗜むしかない。


「さて」


 晩飯の準備だ。もろもろの野菜と、冷凍保存で持って来た、尾峰が友達からもらったいうツボダイを野菜と一緒にグリルにする。

 ツボダイはその辺のスーパーでは見かけない魚なのだが、父の実家・佐賀に帰省すると出ることがあり、身の食感はホッケに似てるかな? 中々に歯ごたえがあることは覚えているが、もう何年も前だから忘れた。印象に残ってるのは皮の方で、焼くと固くてパリパリするのだがそれがタマラナイ。食べる習慣の有無は地域差もあれば家庭差もあるようだが、どちらにしても、でかした尾峰。あいつも人脈だけは侮れない。


 魚はひとまず真空パックごと氷水に漬けて解凍させ、みんなで野菜を切り始めた。


「よぉ~し、アタシもやっちゃうよ~~?」


 笹山さんはデザート製作に取り掛かる。さて、どんなものができるのか。

次回:スーパー(?)パティシエール笹山

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