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第73話:地学研究はバクハツだ!

 スドォォォォォォォンン!!


 さっそく、発破。


「いや~~~っ。清々しいバクハツだね、厳木クン!」


「それほどでも~」


「“それほど”だよ! マッド才媛の名前は伊達じゃないね!」


「伊達なんかじゃ、マッドサイエンティストは務まらないからね」


「そっちこそ伊達であって欲しかったわよ・・・」


 爆弾だって必要とされる時が来るんだ。悪く思わないでくれ。


「バクハツ。私には専門外だが、やはり研究者のロマンをくすぐるものだ。そうは思わんかね厳木クン!」


「ロマン以外の何を見いだせばいいのか分かりませんね」


「せめて建前だけは並べてくれない?」


 並べたさ。心の中で。


「よし、それではゆくぞ地学研究部諸君!」


「おー!」

「「「おー・・・」」」

「「・・・」」


 やっぱり、地学部に笹山さんって必要なんじゃないかと思えてきた。


「笹山さんは何で地学部に?」


 聞いてみた。地学以上に謎だからだ。


「あ、やっぱ気になっちゃう?」


「それはまあ」


「じゃあしょうがないな~、教えちゃう」


 笹山さんはクルッと1周回ったあと、改まって私を見た。


「こう見えてもアタシ、楽しんで地学研究やってるんだよ?」


「は、はあ」


 シンプル過ぎる答えに、反応に困った。そうは言われてもなぁ・・・と思ってセルシウスの方を見ると、ゆっくりと肩をすくめた。どうやら本当らしい。他の部員の反応的にも、デタラメではなさそうだ。意外だな。


「なに? もっと意外すぎる方が良かった?」


「いや、そんなことは」


 ある。どうせなら、実は業界じゃ有名人でしたとか。


「ま、シュミとして続けるだけになりそうだけどね~」


 けど、それくらいにはハマってるってことか。笹山さんみたいなキャラクターが趣味程度でも残ってくれるなら、業界としては喜ばしいことだな。


「笹山さんの一番厄介なところは、地学部としての活動はちゃんとやってるところなんですよね」


「あー野々宮君ひどーい! ちゃんとやってるんだからイイことじゃん!」


 それはそうなんだけどね・・・部長がそう言いたくなる気持ちも分かる。



 さて、発破してえぐった岩肌に近付いてみる。


「うっはー・・・なんだか生々しいわね」


「えぐりたてホヤホヤだからね」


「おっ? これは!」


 笹山さんが岩山の欠片を拾い上げた。そこに尾峰が近付いてじっくりと眺め始める。


「むむっ! これは・・・アァ~ラゴナイッ!」


 興奮したように叫ぶ尾峰。


「アーラゴナイ?」


 首をかしげる鈴乃。


「多分、アラゴナイトね。炭酸カルシウム由来のもので、石灰岩の一種だと思ってればいいわ」


「珍しいの?」


「そうでもないはずだけど・・・」


 尾峰の様子を見る限り、ただの石灰岩ではなさそうだ。そもそもアラゴナイトって、ひと目でそれだと分かるものなんだっけか。


「このような結晶で見つかるとは珍しいッ!」


 と、いう訳だそうだ。


「諸君! ここを見たまえ!」


 笹山さんが持つ石の一部の箇所を尾峰が指差す。さすがに石全体のサイズでの結晶ではなく、埋まってるみたいだ。

 そして地学研究部、みんな興味津々の様子で石を見ている。その後ろから私と鈴乃も見て、なるほど、若干だけ紫のかかった比較的透明に近い結晶があった。さすがにこのままアクセサリーに使えるほど綺麗ではないが、石としては十分に綺麗だ。


「素晴らしい! 素晴らしいッ! 幸先のよいスタートだッッ!!」


 なんかいきなり熱くなったな尾峰の先生。


「もしかして、鍾乳洞とかもあったり?」


「えっ鍾乳洞?」


 笹山さんの言葉に鈴乃が驚いた。しょうがない、説明してあげよう。


「あれも炭酸カルシウム由来なのよ。水に溶けやすいから雨とか地下水に浸食されて、空洞ができたり、水に二酸化炭素が含まれてると改めて炭酸カルシウムになってそれが結晶になったりするの」


「へぇぇ~っ。そうなのね」


 感心した様子の鈴乃。


「さすがは厳木クン! 是非とも我らが地学研究部へ入らないかッッ!!」


「え、やめてくださいよ尾峰先生」


 おいセルシウスてめー言ってくれんじゃん? 


「ですが、」


 ここで部長が話を戻した。


「炭酸カルシウムが多ければ、この中に大きな空間がある可能性もありますね」


 確かに。鍾乳洞とはいかなくても、洞窟ぐらいならあるかも知れない。


「バクハツで当てるしかないね!」


「頼んだよ厳木クン! バクハツだ!」


「マッドサイエンティストにお任せあれ」


((不安しかないんだけど・・・)) by 鈴乃&セルシウス


 そんなこんなで、爆破しながら岩肌や欠片を見るというのを繰り返した。すると、


「おお~~!!」

「「「おぉぉ~~~っ」」」

「ブゥ~ラボッッ!!」


 洞窟を引き当てた。1/3ぐらい削っちまったな、この岩山。東京ドーム何個分かは知らないが。

 不安の色を見せていた2年部員ABとハナちゃんも少しテンションが上がっている様子だったが、


「本当にあるなんて・・・」


「仕方ないですね、こればかりは」


 部長とセルシウスはあまり嬉しくなさそうだった。地学部員なのに。


「もっと喜びなさいよセルシウス。研究者魂が揺さぶられるでしょ?」


「始めから洞窟になってれば純粋に楽しめたんだけど」


「その洞窟だって、誰かが掘り当てたものでしょ。それこそ、爆弾も使って」


「摂津君の気持ちも分かるけどね・・・」


 私には分からないな。多分、尾峰と笹山さんも分かってない。


「これに背を向けるなど地学研究者にあらずッ! 虎穴に入らずんば虎子を得ずッ! ゆえに我らは進むのみッッ!!」


 さすがは尾峰センセー。自分の爆弾で開けた洞窟の入口に背を向けるマッドサイエンティストがどこにいるって話だ。


「先生が部員を虎穴に連れ込もうとしてるんだけどいいの?」


 鈴乃がセルシウスに対して呟いた。


「虎がいないことを祈るしかないね」


「えぇ・・・」


 不安な表情を浮かべる面々を余所に、尾峰と笹山さんが先陣を切った。中は暗いが、地学部はみんなランタンを持っている。


「ちょっと鏡子、あんたも何か持ってないの?」


「火を点けてもいいならあるけど?」


「やめて!!?」


 既に7人もランタン持ってるからいいだろ。予備のつもりなのか、今使っているのは3つだけだが。


「へ~~っ・・・」


「ほぉ~~~・・・」


 やっぱりそこは地学部員、入ってみると不安などどこ吹く風、感心した様子で辺りを見回したり壁に手を触れてみたり、思う存分に洞窟を堪能していた。


「お! これは・・・!」


 笹山さんの目に何かが留まったようだ。そこに尾峰が近付く。


「むむっ! これは・・・アァ~パタイッ!」


 この叫びは毎度のことなのだろうか。


「えっと・・・アパタイト?」


 さすがに鈴乃も尾峰のパターンを読み取ったみたいだ。さて説明してやるかと思ったら、その前に笹山さんが口を開いた。


「たまには地学部員らしいことさせてネ! アパタイトは燐灰石とも呼ばれてて、リンの元素が含まれてるんだけど、骨とかに混ざってる成分だよ!」


「え、骨?」


「そっそ、骨ホネ! 鈴乃ちゃんの綺麗な歯とか!」


「は、はあ・・・」


 今のはダジャレなのか鈴乃?


「ふむ。これは興味深い。引き続き、この洞窟の調査を進めようじゃないか諸君!」


 再び歩き出す一同。


「ところで、」


 鈴乃から何か質問があるらしい。


「今までどうして、ここの調査はされなかったんですか? 地学者なら、ちゃんとした爆弾とかで岩を削れると思うんですけど」


「誰の爆弾が“ちゃんとしてない”って言ってるのかな鈴乃ちゃん?」


「それは“マッドサイエンティスト”の肩書きを捨ててから言って」


「そうするぐらいなら“ちゃんとしてない爆弾”を作り続ける方がマシね」


「そもそも爆弾なんて作らないでよ」


 それは無理だ。マッドサイエンティストだから。


「さて、今の大曲クンの疑問だが、」


 そういやそんな話だったな。鈴乃が余計なこと言うから。


(誰かさんが普段から余計なものばっかり作ってるからでしょうが) by 大曲鈴乃16歳


「ここは私有地なのだよ。管理人の家系が、何百年も続く地主でね。今までこういったことに興味のない人ばかりだったのだろう」


 わざわざ自分の土地を爆破したりもしないだろうしな。重機で掘ったような場所はいくつかあったが、デカい岩山は放置してたみたいだ。


「いやはや、私と同じ時代の当主が地学に興味を持ってくれて良かったよ」


「それは幸運でしたね。ついでにこの私も同じ時代に生まれたんですから」


「この巡り合わせを素直に喜べない私を許して、摂津君」


「僕も同じだから心配しなくていいよ」


 お前らなあ・・・。


 地学部失格な面々も連れて奥へと進む。


「わっ、ヘビ!」


 笹山さんが片足を上げて驚いた。


「みんな気を付けてね」


 軽っ。まぁ地学部だしな、ヘビぐらい見るか。他の面々も、ヘビから距離を取るだけで慌てたりする様子はない。私としてはハナちゃんのもっと可愛い姿を拝みたかったのだが。


「ちょっと鏡子なんとかしなさいよ」


「私は無益な殺生はしない主義よ」


「何のために来たのよ・・・」


 爆破だよ。人をヘビ処理班みたいに言うなよ。


「ふむ。外には林があるからな。こちらに紛れ込むこともあるのだろう」


 あんだけ爆破してようやく入れたんだけどな。まあ、ヘビなら入るルートはいくらでもあるか。ちっこい虫はチラホラいるから飢えることもないだろうし、この湿度なら水場があってもおかしくない。


 気を取り直して進むと、広い空間に出た。って、ここは・・・


「おおぉ~~~~っ!!」

「「おぉ・・・っ!」」

「まさか・・・」

「すご・・・!」

「わっ・・・」

「エェ~~クセレンッッ!!」


 私とセルシウスを除く一同が声を上げる。セルシウスも無言ではあるが、目を見開いている様子だった。


「やった! 鍾乳洞じゃん!」


 まさかマジであるなんてな。目の前には、“鍾乳洞”で画像検索したら出て来るような光景が広がっていた。決してキラキラの宝石ではないが、不思議と美を感じてしまう美しさと、どこか心の内面まで覗かれている気分になる神秘のパワーを兼ね備えた、見事な鍾乳洞だった。


「早速、下りてみるとしよう」


 まだ私たちは隅っこの方から顔を出したに過ぎない。壁伝いの細い坂道を、尾峰を先頭に下っていく。


「みんな~、足元気を付けてね~」


 一歩踏み外したら転げ落ちちまうぜ。


「ほら、ハナちゃんには男子が手を貸す!」


「えっと・・・」

「っ・・・・・・」


 顔を見合わせ合う男子たち。さすがは地学研究部、草食系揃いだな。男子の中で一番ハナちゃんから離れた場所にいたセルシウスが、一瞬で状況を察知して動き出した。


「う~~ん。ま、ゴウカクかな。位置的に立候補するのは不自然だし。他の男子はフゴウカクね」


「すみません・・・」


 ハナちゃんに近かった2年男子Bが懺悔した。笹山さんには頭が上がらないことだろう。で、ハナちゃんのもとまで行ったセルシウスが手を差し伸べた。こんなことをするタイプではないのだが、笹山さんが見てるからな。体たらくは晒さないだろう。


「織絹さん、大丈夫?」


「あっ・・・りがとう、ございます・・・」


 おっと? ハナちゃん、もしかして、もしかするのか?


「行こう」


「は、はい・・・///」


 おいおいおいおい。青春してくれてんじゃないのよセルシウスぅ~。こんないい子そうそういないんだから泣かせたりするなよ?


「ふっふ~~ん」


 ご満悦の様子の笹山さん。地学部も大変だね・・・。



 無事に下までおりきった。


「下から見てもすっごいね~! 世界の中心にいる気分だよ!」


「鍾乳洞の中心ではあるが、しかしこれを1つの世界と呼ぶのなら、ここは世界の中心やも知れぬ」


 実際、そう言いたくなるような場所ではある。ただの私有地にしとくのはもったいないぐらいだ。一同、上下左右を見回してこの景色を堪能していたのだが、


「ふむ、あれは何でしょう・・・」


 部長の野々宮が何か見つけたようで、一点を見つめて固まった。確かに、何かあるな。周りの景色の方が目立つから見づらいが。


「近くで見るとしよう」


 尾峰が歩き出し、全員で続く。


「こ、これは・・・ッ!」


 立ち止まった尾峰の横から顔を出し、その先を見る。


「わぁお!!」

「「おぉ・・・っ!」」

「こんなことが・・・」

「え・・・」

「これって・・・」


 何ということでしょう。そこには、大きな象のような動物の化石があったのです。


「・・・もしかして、化石?」


 鈴乃が、驚きを隠せないままに言う。


「だと思うわ。さすがに博物館みたいに立ってないから分かりにくいけど、全身あるんじゃないかしら」


 頭蓋骨とそこから出る2本の長い牙は当然のこと、背骨やアバラ、足に尻尾と至る部分まで揃っている気がする。全部にバラバラと地面に置いてあるだけだが。


「すごい! すごい発見だよ! この一帯にも大昔にゾウが住んでたってことだね!」


「うむ。おそらくはナウマンゾウであろう。動物由来のアパタイトがあったゆえ、よもやとは思っていたがこれほどとは・・・ッ!」


 私も、マジもんの化石なんて見るのは初めてだな。地学や考古学の調査に同行することなんてないし。


「すっごいわね~~」


 鈴乃が近くまで行って、ジロジロと化石を見る。


「なんか動き出しそうで怖いかも」


「さすがに動いたりはしないわよ。見ての通りバラバラだし」


「でも動いてくれたら面白んだけどな~~」


「やめてくださいよ笹山さん!」


 臆病者だなぁ地学部の部長さんは。普通、こういうのは動かないかって期待するモンだろ?


 ゴゴ。


 ん? なんか今。


 ゴゴゴゴ。


「え?」


 ハナちゃんの声が響いた。やっぱ、揺れたよな。


「ちょっと鏡子、なんかした?」


「やってないわよ」


 だから人を何だと思ってるんだ。だが、そんなじゃれ合いをしてる暇はなかった。



 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・!!



「「おわ・・・っ!」」

「「わぁ・・・っ!」」

「「きゃあ・・・っ!」」

「ぬほ・・・っ!」


 くっそ、もう気のせいなんかじゃないぞ。どうなってやがる・・・!


「みんな、あれ!」


 珍しく、セルシウスが叫んだ。この状況で、何かが起こるとするなら1つしかない。


 ガラ、ガラガラガラガラ・・・。


「嘘でしょ!?」


 動き出しやがった・・・! 骨が!


 それは、まるで映画のワンシーンのように、骨がひとりでに浮かび上がり、次第に標本のようにしっかりとゾウの形に組み上がっていった。


「そういえば、聞いたことがある・・・ッ!」


「何なの尾峰センセー!」


 どうせ、化石が突如動き出すとかいう都市伝説か何かだろう。だが聞こう!


「発見した化石が全身揃っていた場合、ひとりで動き出すことがあるとッ! そして、ここの管理人の土地内ではポルターガイスト現象がたびたび起こることがあるとッッ!!」


 随分と具体的じゃん?


「いつ聞いたのそれ!?」


 ンなもん決まってんだろ!



「さっきだ!!」


「セン、セ~のバカ~~~~~~~~~~!!!」



 この大きな地鳴りで、文句を言ってる暇もない。というかもう、ブツは完成しちまったぞ!


「どど、どうすればいいのこれ!?」


 さすがに鈴乃も慌てている。


「逃げるんだ諸君! ここは私と厳木クンで食い止める!」


 さらっと人を巻き込むんじゃねえ!


「頼んだわよ鏡子!」


 さらっと人を残すことにしてんじゃねえ! だが、何かあったら後で私までドヤされてしまう。なぜ顧問の引率があるのにゲストの私まで責任を取らされるのか。


「セルシウス! みんなの避難は頼んだわよ!」


「分かった! 笹山さん、大曲さんもお願い!」


「おっけー任せて!」

「うん!!」


 3人の先導により、部員たちは来た道、つまり壁沿いの坂道をのぼってこの場を離れ始めた。よし、あの辺まで行けば安心だな。ぶっちゃけ外まで行って欲しいのだが、目の届かない場所に行かれるのも不安だし、セルシウスたちがあそこに残る判断をするなら任せよう。


「それで、どうするんですか尾峰先生?」


 年寄りに無理をさせるのも気が引けるんだが。


「これでも引率責任者! 私が前に出よう! 厳木クンはサポートを頼むッ!」


「はい、さ」


 そう言うのなら、任せてみようじゃないか。


「ふぅぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!! こんなこともあろうかと、実家で鍛えておいて良かったわぁぁぁ!!」


 シュバババババババッ。 え?


尾峰頸撃流(おみねけいげきりゅう)の技、受けてみるがよいッッッ!!!」


 ええぇ~~~~~~~~。

次回:尾峰 対 象の骨

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