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第42話:限りない力! 変身、仮面ランサー勇気!

 さて、仮面ランサー変身キットが完成し、ついにお披露目だ。


「ボク、仮面ランサーになれるの?」


「お姉ちゃんがならせてあげるわ。こっちよ」


「うん!」


 河川敷の入口付近では道から見えるから、ちょい奥に移動。しっかし、ここまで純粋だと逆に心配になるな。ホイホイ付いて行くのはマッドサイエンティストだけにしなきゃダメだゾ♪


 移動完了。


「それじゃあ行くわよ~? じゃじゃ~~ん」


「「わぁぁ~~~~っ!」」

「「おぉ~~っ」」


 ボワワ~~ンという煙の中から変身ベルト登場。勇気くんと茉奈ちゃんは大きな声を上げ、2人の兄も感心した様子だ。


「鏡子って子供の心つかむのは上手いのよね・・・」


 なんでそんな不安そうに呟くんだよ。私はあくまで小さな子の夢を叶えてあげたいってだけで、その純粋な心を使用してやろうなんてことはこれ~っぽっちも考えてないんだぞ~~っ?


「じゃあベルト付けるから、じっとしててね」


「うん!」


 自分で両手を肩の位置まで上げる勇気くん。偉いゾ。


「わぁ~~~っ」


 テレビで見ているのと同じベルトが腰に取り付けられることに興奮したのか、手を下げてきてベルトをペタペタ触る勇気くん。


「よし、完璧!」


 装着完了!


「「「おぉ~~っ」」」


「ゆうきお兄ちゃんかっこいーっ!」


 軽くパチパチと手を叩く2人の兄と鈴乃、そして本人以上に興奮している様子の妹。


「さ、後は真ん中のやつを回して“変身!”って叫ぶのよ」


「うん!」


 さあ、ニューヒーローの誕生だ。



「変身!!」



 ギュイィィィィィィィィィン!!



 強烈な音を出しながら高速回転するベルト中央のギミック。それと共に現れ、勇気くんを包み込むまばゆい光と稲妻。


「わっ、わっ、わっ!」


 自身の身の周りで起こってることに戸惑う勇気くん。テレビで俳優が光に包まれてるのを見るのと、自分がその光に入ってるのとでは訳が違うからな。無理もない。


「すげー・・・テレビで見たまんまだ」


 呟く次男。外側から見たらもちろん、テレビで見たまんまを再現している。むしろそれしか計算に入ってないから内側からの景色は知らない。


 そして、ジリジリと派手に稲妻のエフェクトが出たあと、


 バーーーーーン!


 変身完了!


「「「おぉぉ~~~~っ!」」」


「仮面ランサーだーーっ!」


 ギャラリーから声が上がる。しかし当の勇気くんはキョロキョロと自分の体を見回している状態だ。


「お、おぉ・・・」


 もちろん、仮面の内側からでも外は見える。自分の手が、足が、テレビで見た仮面ランサーと同じものになっているのを認識してくる頃だろう。


「すごーーーーーーい!! ボク、仮面ランサーになってるーーーーーっ!!」


 両手で拳を作って喜びを爆発させる勇気くん。


「やっ! はっ!」


 さっそく槍を振り回し始めた。もちろん、稲妻のエフェクトもセットだ。


「こらこら、あんまり振り回しちゃ・・・」


 鈴乃が駆け寄って止めにかかるも、


「えい!」


 止まる様子はない。


「はぁ・・・」


 まあ、広い河川敷だし、こっちが近付かなきゃ問題ない。しばらく見守るかとも思ったが、


「見て見て! 凄いよ! ええい!」


 見て欲しいという願望もあるようで、こっちにも意識を向けた。


「勇気くん、これも使って!」


 私が投げたのは、緑の小瓶。


「わっ、わっ」


 ナイスキャッチ。


「わぁ~~~っ!」


 自分が受け取ったのが何なのか気付いた勇気くん。早速ベルトのスロットにそれを差し込んだ。


【Set!! Green bottle!!】


 テレビと同じ合成音声がベルトから出て、ジリジリというエフェクトのあと、槍の黄色い部分の模様が緑に変わった。


「やあぁーーっ!」


 ビュゥゥン!


「緑色の稲妻と共に風が吹いて、茶色く枯れかかっている芝生を揺らした」


「すげ~~~っ」


「お兄ちゃんかっこいーーっ!」


 自分の家族がテレビの仮面ランサーばりに稲妻や風を出していることに驚く次男と妹。長男である浜西くんも、無言ではあるが目の前の光景には驚いてるようだ。


「勇気君すごい! もっと近くで見たいから、落ち着いて、ね?」


 鈴乃がそう声を掛けることで、勇気くんは槍を振る手を止めた。


「えへへ・・・」


 照れ臭そうに額をポリポリ掻く勇気くん。仮面ランサーの恰好でそれをやるものだから、ちょっと滑稽だ。落ち着いたところで、残った私たちも勇気くんのもとへ。


「マジすっげぇ~~~」


 興味津々の様子で勇気くんが纏うスーツをじろじろと見回す次男の圭人くん。仮面ランサーそのものよりも、スーツが再現されたことの方に関心があるようだ。マッドサイエンティストの素質があるよ? 君ぃ。


「ほんとうに、凄いや・・・」


 依頼主たる浜西くんも改めて感嘆の声を漏らしている。


「厳木先輩、ありがとうございました」


「なんのなんの。それに、満足するにはまだ早いわよ?」


「え?」


「はい。勇気くん、これ」


 私がジャラジャラと両手に広げたのは、他の色の小瓶。


「わぁ~~~っ」


「使いたくなった時は、そう念じればポンって出るようになるわよ?」


 仮面ランサーの世界もハイテクになってるようで、主人公は戦いながらその場で小瓶を取り出すことができる。無論、私の変身セットもそうした。


「わっ、消えた! すご~~~い! 出て来い、ブルーボトル! わっ、ホントに出たぁ!」


「当ったり前でしょ? このお姉ちゃんが作ったんだから」


「お姉ちゃんすごーーい!」


 どうよ。これがマッドサイエンティストってモンよぉ。


(“マッド”が付くのがホントに残念でならないわ・・・) by 大曲鈴乃16歳。


「せっかくだから使ってみたいよね?」


「うん!」


「どうすんのよ。鏡子が悪役やるの?」


「まさか。夢見る子供の味方であるこの私に悪役なんて務まらないわよ」


「私には鏡子以上の適任が思い付かないんだけど」


「いるのよ、それが。カモン!」


 ザザッ。


「「「!?」」」


 異変を感じ、振り向く兄2人と鈴乃。しかし、時既に遅し。


「きゃーーーーー!」


「「茉奈!」」


 2人の兄が叫ぶ。妹である茉奈ちゃんが、黒いマントの怪しい奴に捕まっていた!


「フハハハハハハ! この娘は頂いた! 返して欲しくば、我々を倒してみよ!」


「たすけてーー! お兄ちゃーーーん!」


 悲鳴を上げる茉奈ちゃん。マント野郎は、実行犯も含めて3人だ。


「まなを返せ!」


 今度は仮面ランサーに変身中の勇気くんが叫んだ。お兄ちゃんだねえ。


「・・・もしかして、野球部・・・?」


 そんな推察をするのは野暮ってモンだぜ? 鈴乃ちゃぁん。


「ゆけ! しもべたちよ!」


 シュバッ、シュバッ。


 リーダー格のマント野郎の指示を受け、茉奈ちゃんをその場に残して2人の手下が出動。5倍近い倍率のクジ引きを乗り越えた選ばれしメンバーだぜぇ?

 なお、奴らとは月曜日の帰りにラーメン食いに行く約束になった。奢るとも言ったのだが、「鏡子さんと一緒に食事に行けるだけでも十分です!」と返されたので、“先方の申し出による値下げ”と捉えて承諾した。


「さぁ勇気くん、悪い奴らをやっつけるのよ!」


「うん! みんな、離れれて!」


 サマになってるねぇ。


 バットを武器に迫り来る2人の黒マントを前に、槍を構える勇気くん。


「やあぁーーっ!」


 ビュゥゥン。


 そういや緑の小瓶のままだった。


「「ぐわーー!」」


 ひっどい秒読みで風を受け、雑な演技でその場に倒れ込む黒マント。


「勇気くん、もっと近付いて! 稲妻を当てれば大ダメージよ!」


「うん! やぁぁぁぁぁっ、」


 槍を振り上げ、地面に倒れ込んでる黒マントに接近する勇気くん。


「たぁーーーーっ!!」


 ジリリリリ!


「「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!」」


 風と共に現れた緑の稲妻を受け、絶叫する黒マント。


「え・・・あれって、マジ?」


「ケガしない程度にはマジで電気出てるわよ? その方がリアリティあっていいでしょ?」


「危ないでしょ!」


「ごめん、マッドサイエンティストだから」


「開き直らないで!!」


 まあまあ、どうせ野球部なんだからいいじゃん。


「くっ、くそ・・・!」


 立ち上がる2人の黒マント。


「次はこれだぁーっ!」


 勇気くんが取り出したのは、赤の小瓶。


【Set!! Red bottle!!】


「やぁーーー!!」


「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」


 演技上手だねえ、あいつら。まるで本当に熱を持った稲妻が出ているかのようだ。


「・・・あれ、何度なの」


「60」


「え・・・」


 まあまあ、どうせ野球部なんだからいいじゃん。


【Set!! Blue bottle!!】


「たぁーーー!」


「「のわーーーー!!」」


 勇気くんの猛攻は止まらない。


「これでトドメだ!」


【Change!! Evolution style!!】


 勇気くんがセットしたのは、槍自体をアップグレードさせる小瓶。そこで槍は、稲妻と光は出しながらガチャガチャと変形し、1段階進化した。少し長くなっているのと、若干太くなっているのと、見た目もカッチョ良くなっている。そして、


「やぁーーーーーーー!!」


「「ぐわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」


 攻撃時の稲妻の量は2倍だ。冷気を伴う青い電撃を受け、2人の黒マントが撃沈。


「佐藤! 西岡! しっかりしろ!」


 おい、名前で呼んでんぞ。


「・・・ちなみにあれは何度?」


「マイナス40」


「聞かなかったことにするわ」


 じゃあ聞くな。


「いいぞ勇気! 後はアイツだけだ!」


「くっ・・・しかし、私は奴らのようには行かんぞ! 覚悟しろ!」


「お兄ちゃーーーん!!」


「まな! いま助けるぞ!」


【Set!! Bronze bottle!!】


 ボス戦ということで早速銅の小瓶をセットした勇気くん。しかし、


「フハハハハハハハ! どうだ! ついて来れまい!」


 私が与えたミニバルーンで空中浮遊し、ボスは大きく円を描きながらぐるぐると回り始めた。


「わーーん! たすけてーーー!!」


「まな!!」


 妹の名を叫ぶ勇気くん。


「そんな・・・」


 演技なのかは知らないが、絶望の溜め息を漏らす浜西くん。


「すっげぇ~~」


 ミニバルーンに関心している様子の圭人くん。


「・・・どうすんのよ、あれ」


 などと言っている鈴乃。銅の稲妻は所定距離も長いので遠距離攻撃は可能だが、このままでは茉奈ちゃんが巻き込まれるので、確かにどうしようもない。てなワケで、


「勇気くん、これを使って!」


「え・・・!?」


 こっちもミニバルーンを授けた。


「あれは元々私が作ったものよ! 奴らに盗まれたの!」


 という設定にしておこう。


「うん!」


 ミニバルーンはそんなに難しくない。割と直感操作で自在に飛び回れる。仮面ランサーにも空中戦はあるのだが、あれは近くのビルとかを駆け上がっていくものなので河川敷では再現できない。だったら、空を飛べばいいのさ。仮面ランサーに不可能などない!


「たぁぁぁぁぁぁぁあああっ・・・!」


「なにっ!?」


 空飛ぶボスに迫る勇気くん。片手は気球につかまるので塞がるが、もう片方の手で槍をしっかりと持っている。


「きえぇぇい!」


 ピュン、ピュン。


 水鉄砲で応戦するボス。


「きくもんか!」


 しかしフツーの水鉄砲なのでショボく、あっさり避ける勇気くん。そして、


「まなを・・・返せーーーーっ!」


「のあーーーーっ!」


 稲妻を出すと茉奈ちゃんが巻き込まれるので、普通に槍でぶっ叩いた勇気くん。ボスの手から茉奈ちゃんが離れ、それを勇気くんがしっかりと受け止めた。更に、


「やぁぁーーーっ!」


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 今度は銅の稲妻を出して攻撃。ボスはプスプスと灰色の煙を出しながら墜落していった。勇気くんは、茉奈ちゃんを抱えたままゆっくりと着地。


「お兄ちゃん・・・!」


「あいつはボクがやっつけるから、みんなと一緒に見てて!」


「うん!」


 こっちに駆け寄って来る茉奈ちゃん。他の兄や鈴乃ではなく私をチョイス。わかってるねえ。


(なんでよりによって鏡子なの・・・) by 大曲鈴乃16歳


 人徳の差さ。by 厳木鏡子17歳。


【Set!! Silver bottle!!】


 銀の小瓶をセットし、


「ぬ゛、あ゛・・・!」


 墜落の痛みに地面でもだえるボスの方を向き、槍を振り上げ、


「食らえ! トリリオン・シルバーショック!」


「ぐあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 それが斜めに振り下ろされることで、テレビでも使われた必殺技が発動。空から無数の銀の稲妻がボスを襲った。こんなこともあろうか、音声認識により、技名が叫ばれたら出るようにしておいたのだ。石田、骨は拾ってやるよ。


「「ぶちょーーーーーーーーー!!」」


 さすがに心配になったのか、既にやられたはずの2人が体を起こした。なお、石田は、シュゥゥゥゥと煙を上げたまま屈伏している。


「部長! 大丈夫ですか!」


 倒れた石田のもとに駆け寄る2人。そこは“ボス”って呼べよお前ら。


「なんの、これ、しき・・・」


 稲津は人が死なない程度にはなってるが、さっきの墜落ダメージもあって辛そうだ。


「ここはアレでいきましょう!」


「あ、ああ・・・!」


「こんな時のための、ドーピングガム!」


 あ、それ食っちゃう? ドーピングガムは、即時で筋力向上の効果が得られる一方で、24時間後に全身が強烈な筋肉痛に襲われるという副作用を備えたものだ。


「うぅぉぉぉぉおおおお! まだまだ勝負は着いてないぞ! 仮面ランサー!」


「お前たちなんか、ボクがやっつけてやる!」


【Set!! Gold bottle!!】


 ついに、金の小瓶がセットされた。ジリジリと、黄金の稲妻が槍を纏う。


「そんな子供騙しが通用するか! きぃぃえええええいいい!」


「よせ佐藤! 無暗に突っ込むな!」


「たぁーーーーっ!」


「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「佐藤ーーーーーーーーーー!!」


 佐藤、撃沈。


「次はお前だ!」


「俺はそいつのようには行かんぞ! せいっ!」


 ドーピング効果を活かし、スピードのあるジグザグ移動で勇気くんに迫る西岡。しかし、


「はぁっ!」


「ぬぅぅぁぁぁぁぁぁああああ!!」


 金の稲妻の攻撃範囲は広い! 薙ぎ払うように振られた槍から出た稲妻で、西岡、ダウン。


「くっ、バカな・・・っ!」


 うろたえる石田。


「あとはお前だけだ! まなを怖い目にあわせたのは許さないぞ!」


【Change!! Ultimate style!!】


 勇気くんは小瓶を入れ替え、槍を更にグレードアップ! 黒マント軍団が私の用意したサクラだとは知らないために、容赦がない。


「ひ、ヒィッ・・・!」


 怖がる石田。


「かくなる上は・・・」


 どうする石田。肩を負傷しているものの、ドーピング効果はあるぞ!


「さらばだっ!」


 逃げた!


「待て! 逃がさないぞ!」


 背を向けて走り去る石田に、勇気くんは2段階グレードアップ状態の槍を向けた。


「よみがえれ! 限りない力!」


 テレビと同じ台詞を叫ぶと、その槍の先端に黄金の稲妻が集まり始めた。石田は、相変わらず情けないフォームで一直線に逃げている。まあ、よけちゃいけないんだけれども。


「はぁぁぁぁあああああああ・・・っ!」


 エネルギーの充填が済み、準備が整った。今こそ、限りない力が解き放たれる。


「ゴールドラッシュ・レボリューション!!」


 ドオオオォォォォォォン!!


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」


 ビームのように放たれた黄金の稲妻砲は、石田を背後から襲った。


「・・・あれ、大丈夫なの・・・?」


「石田だから大丈夫」


「前提が大丈夫じゃないのは分かったわ・・・」


 やがて稲妻砲は止まり、うつ伏せに倒れる石田だけがその場に残った。


「やったーーーーーーー!!」


 自分を攫おうとした悪い奴がやっつけられて喜ぶ茉奈ちゃん。変身が解かれて元の姿に戻る勇気くんのもとに駆け寄って行く。


「厳木先輩、ありがとうございました」


「別にいいわよ。キャンディの味見さえしてくれればね」


 勝利の余韻が覚めたらやりますかね。野球部の奴はほっといても勝手に退散していくとして、私たちも勇気くんと茉奈ちゃんの所に歩いた。


「お姉ちゃん! やったよ! ボクが悪いやつをやっつけだんだ!」


「よくできました♪ 私の変身セットを使ったんだから、当然よね」


「うん!!」


 こうして、見事野球部の魔の手から茉奈ちゃんを助け出した勇気くん。めでたしめでたし。

 一方、石田は(主に墜落が原因で)全治一ヶ月の怪我を負った。体を張ってまで小さい子の夢を叶えた、高校生の鏡である。治ったらラーメン食い行こうな、石田。


 さて、キャンディ試食会に移りたいところなのだが、


 くいっ、くいっ。


「ん?」


 服のすそを引っ張ったのは、茉奈ちゃん。右手で私の服をつかみ、左手の人差し指を軽く咥えて上目遣いでこちらを見上げている。これは、おねだりか。ついさっき、彼女の兄が仮面ランサーに変身して悪を倒した。彼女は、まだ幼稚園児である。そこから導き出される答えは・・・、


「フリ、ピュア・・・」

次回:フリピュアに大変身!

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