噺家(はなしか)メイド登場
黄色い着物に身を包み、右手に座布団を持ったメイドは眠る主を呼んでいた
『ぼっちゃん起きてください 起きてくださいぼっちゃん』
しかし主はまったく起きる気配がない。
するとメイドは足元に座布団を置いて座りながらこう言った。
『仕方ありませんな では死神というお話を一席』
『縁起でもねえわ!』
こうして今日も屋敷中に主のツッコミが響き渡る。
『ええと君はまた新しい人? 名前は?』
『はいな! あたくしの名前は寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末 雲来末 風来末食う寝る処に住む処 藪ら柑子の藪柑子 パイポ パイポ パイポのシューリンガンシューリンガンのグーリn』
『長いわ!』
主がツッコむとメイドはケラケラと笑って、気さくに自己紹介する。
『すんまへん冗談や 寿限無って呼んでな』
『最初からそうして!』
こうして主は新しいメイド寿限無と会話しながら、
朝食の席へ向かう
食卓に着くとハンナがいた。
『お寝坊っちゃま おそようございます』
『遠巻きに馬鹿にされた!?』
『いいえ、ただの事実です』
『言い返したいけど事実だからなんも言えねえ!』
いつものコントを繰り広げる主とハンナを見ながら寿限無はケラケラと笑って言う。
『このお屋敷の人はおもろいな 今度ネタにしてええか?』
『恥ずかしいからやめて!』
『ええやんええやん減るもんやなし』
などと、会話していると突然口に何かを突っ込まれた。
ハンナの仕業だ
『お喋りはその辺にして早く食べてください 無理やり放り込みますよ!』
『ふぉうりくぉんれくら言わないで!』
またもケラケラと寿限無に笑われながら、主は急いで朝食を食べる。
今日は珍しくハンナが作ったらしい。 悔しいが美味い。
食べ終わると主は寿限無と共に玄関へ向かう ハンナは後片付けがあるので、見送りを拒否した。
『ほな また来週』
『見送り適当過ぎない!?』
こうしてぼっちゃまはメイドに送り出される




