0.プロローグ:否めぬ始まり
進めたい方向性が見いだせたのでプロローグとして載せさせていただきます。
元は大広間だったのだろう。
だが、様々なものが散乱し、壁は崩れかけ、かろうじて屋根を支えているといった風情である。
階段もところどころひび割れており、所狭しと敷かれているシンクのカーペットはほつれ、破れ、見るも無残な様子を見せている。
その上に、数多の着飾った貴族、貴婦人、豪商といった絢爛豪華な人々が呆然としたような、放心したような、中には倒れて気絶しているものもいた。
その中心には円を描くように、その周囲には死屍累々と倒れふす屈強な男たち、それに少数ながらも奇妙な服をきた女性も数人いた。
そして、中央には三人、まるでスポットライトにあたっているかのように光り輝いている。
そのうちの一人にはやや光が弱くあたり、一層、ほかの二人の印象が強くなる。
一人は年端も行かぬ幼児
一人は綺麗な執事服を来た端正な美青年
幼児はすっくと立ちつくし
向かい合って美青年は膝を折っていた。
「では、これよりレイ=フィガロ=ヴィル=コウェルダに領地なるフィガロ領を与える」
光弱く当たる人、初老の男が宣った。
そのとき、
幼児は悲しそうに
美青年も苦笑しつつも受け入れるよう幼児に言う。
「おおせのままに」
その一言によりすべてがはじまり、
そして、すべての流れがこの幼児により、はじまった。
苦笑を浮かべる、執事とともに・・・・・