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8.自己紹介:エウィルダ=ヴィ=コルネイユ


 さて、荷物の中にあったものを使って作りましたし、ほんとうにびっくりしましたわ。

 火石がきちんとセットされているというのもですけど、それがきちんと使えたことでしっかりとしたご飯が作れそうですわ。


 え?火石が何かですって?


 そこまでのレベルなんですか?


 いや、冗談を言っているようではないですね。

 簡単に説明していくとこういう石は火を出せる火石、水を出せる水石があります。あと、それに関して風が出る風虚という木がありますけどそれなりに大きい家では必ずあるものですね。

 三大生活魔力セットです。


 へぇ、って驚かれていますが感動が薄いですね。

 え?もっと便利なものとかあるとか?


 もう、どういう世界なんですかね、タツヤさんのいたところっていうのは。


 まぁ、ともあれ・・・・


 お食事もできあがりましたし、いただきましょう。

 といっても簡単なものですよ。

 厚めのベーコンを煮て焼いたものとお庭のすぐそばに自生していた香草のスープ。

 あとはパンですね。

 スープに浸しますが・・・・ああ、そのくらいはわかるようですね。

 よかった。


 それでは食べましょうか。

 では祈りを捧げまして・・・・・あれ?何を面食らった顔をしていらっしゃるので?

 ひょっとしてお祈りも知らないので?


 ・・・・・食事前には必ず神へ食事が出来ましたことを感謝する簡単な祈りをするんですけど、こう軽くうつむいて手を握り合わせて黙祷を捧げて「感謝」といって食べます。

 ハイでは一緒にしましょう。


 「感謝」


 では食べていきますか。

 あ、このまま食べながら自己紹介も挟むんですよね。

 では雑談代わりに。



 わたくしはエウィルダ=ヴィ=コルネイユと申します

 

 まぁ、ヴィといっても姉がコウェルダ公爵にとついだことから頂いたものですけどね。

 その姉に付き添って私もともにまいったものです。

 ・・・・姉と申しますのももとは酒場の歌姫でしたが、とても珍しい精霊魔術を扱える精霊師でもありました。『精霊の歌姫』と評判を呼ばれても降りましたわ。

 

 今はもうこの世にはいませんけども・・・


 ああ、暗い顔をなさらないでください。

 そうであっても今そこに、そのレイがいますもの。

 

 ああ、レイは姉の子です。

 ですからその子とわたくしとは叔母と甥の関係でもあります。

 

 姉はその子を産んですぐに身罷りました。

 そしてわたくしに託されたのがあります。


 何よりもあんな伏魔殿にいてはこの子はいずれ殺される可能性もありましたからね。

 今まで生きてこられたのがある意味奇跡に近いものもあるかもしれませんが。



 この子の額を見てお気づきでしょう。

 私たちにはない宝石が埋め込まれていることを。

 それは産まれた時からあったものなのですが、レイが産まれてから不可思議なことが多く起こるようになってしまい、かつこの子と一緒に外へ出ると必ず魔を宿す獣、魔物に遭遇することが多かったのです。

 タツヤさんも見たでしょ、あのオオトカゲみたいなものです。


 不思議と館の中にいればそういうこともないのですが、その場合は目に見えぬ、おそらく精霊による事象がよくおこるのです。


 窓ガラスにひびが入ったり、ゆりかごが宙に浮いたり、もっとひどくなると魔力をもつ品が暴走することもしばしばでした。


 

 それゆえにこの子は家の者たちからも忌子と腫れものに触るような形で扱われてきたのです。


 そんな中、もう館に置くのは難しいと家を出されることになり、その形でわたくしとあともうひとり、執事として急遽つけられた男がいて家をだされました。


 もっともその男、執事とは名ばかりで急遽雇われたごろつきのようでしたけどね。


 馬車の中で言い寄られて、襲われそうになって・・・・・



 ああ、でも、オオトカゲが襲ってきたために彼、その被害にあったみたいですけど、そのおかげで襲われずに済んだのはありましたね。


 そして、追われて追われて・・・・もうだめというときに、タツヤさん、貴方に助けられたということです。



 改めて本当にありがとうございます。


 あ、お水をどうぞ。

 あと、ちょっと暗いですし燭台の明かりをもう少し出しましょうね。

 王都の宮殿では照明用の魔石というのもあってそれはそれはとても明るいようですが、とても高価なのでなかなか手の届かないものなんですけども・・・・



 あれ?タツヤさん?何を考え込まれて?

 あ、いきなり燭台を吹き消して、真っ暗になっちゃいますよ!



 ・・・・え?光が・・・・ああ、そういえばタツヤさん光の精霊をお出してきましたっけ。

 それをわざわざ?

 でもものに付与までは・・・・・ああ、できましたか。そうですか。

 

 あー、なんだかとてもびっくりな感じです。

 いえ、怖がりはしません。


 でもとてもとても助かります。

 今後もなんだかいろいろ助けてもらえそうですね。


 それはそうと、方向性でしたっけ。

 もしよろしかったら、執事というのを目指されてはどうですか?

 せっかくですし、レイ様の従者のような形で一緒にいて頂ければとても助かりますが・・・


 あら、二つ返事なんですのね。



 なんとお礼を申し上げれば・・・


 いえ、こちらこそ。

 それでは心得とかはご存知で・・・ああ、しらないですか。

 でしたら、わたくしでよろしければいろいろとお教えしますわ。

 これでもいろいろと観察眼や記憶力には自身がありますから。



 では、今後みっちりとそのあたりお教えしますので、タツヤさんはいろいろな雑務などわたくしと一緒にがんばっていきましょうね。


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