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わたしは此処にいる

 地点(A)に、"鳥頭" がいた。




 "蜘蛛宇宙人" の気配がなくなっても、動かなかった。




 座っていた

 ――壁に凭れていた。




 瞬きをする――何も見えない。




 頭の向きを変える――黒は黒のまま。




 何も生まれない。




 音はする

 ――身体の強張りを避ける度に動くと

 ――微かに。




 関節や骨の音。




 すべての接触の際に生じる音。




 それ以外――音はない。




 誰もやってこない。




 "鳥頭" は

 ――立ち上がらず

 同じ場所にいた。




 そして――思っていた。




 《…今頃みんな、どうしているんだろう……?》




 《………心配しているんだろうか?》




 《いや――俺の代わりなんか、いくらでもいる……》




 《俺自身が、以前の "運転手" の代わりなんだ…》




 《俺は、個性なき<足>……》




 《そうだ――俺の家族だって心配をしていないだろう………》




 《どうせ――金を運ぶ運搬車だと思っている……》




 《俺がいなくなれば、別を探すだけだろう…》




 《失踪届くらい――出るんだろうか……》




 《出るんだろう………》




 《それでも暫く帰らなければ――忘れようとするんだろう……》




 《――不便を乗り越える為…》




 《よく人は問いかける――『人間が生きている意味とは何だ?』》




 《答えの出ない問い……》




 《そのまま………――考えもせずに答えを出す……》




 《『それを探すのが人間だ!』…》




 《それは……――答えになっていない………》




 《そして……――実際に探す事はない…》




 《結論を長引かせるだけ……》




 《結論なんか、ハナから出すつもりなんかない………

  ――得られないと諦めている》




 《難しい事など考えたくない……――》




 《今を生きられればそれで良い…――》




 《<今>が揺らいでいるから

  ――戯れに……

  ”生きている意味”などを考えるのだ………》




 《そうこう考えているうちに<今>は終わり……

  ――自然と<次>になる…》




 そして――待っていた。




 すると――腹の虫が鳴った。




 "鳥頭" は、腹を手で押さえた――




 空腹の解消には、何の役に立たなかった。




 "鳥頭" は、腹を極度に空かせていた

 ――そして…

 <腹が減った事>

 ばかりを考えていた。




 《ここ(ダンジョン)を出られたら、なに食べよう?》




 そして

 ――妄想の中で

 食べ物を弄んだ。




 それに飽きると――性について考え始めた。




 性欲をどう満たし――解消するか。




 それが終わるとまた――




 「腹減った……」。



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