わたしは此処にいる
素直で率直な "声" が在った。
「痛いぃぃぃ…」
啜り泣きの様なビブラートが
――尻尾の様に
――電波の様に
揺蕩う。
――――――――――――――――――――――――
そして
――元と繋がっていて……
切れる事はないのだ。
見えなくなるだけなのだ。
最後には「ない」物として扱われるだけなのだ。
――――――――――――――――――――――――
それが満ちる空間は、暗かった。
"蜘蛛宇宙人" の足元に落ちたライトは、
出来事にスポットライトを当てていない。
ライトはただ――行く道を照らしていた。
――――――――――――――――――――――――
前後にシンメトリカルなトンネル――
ライトは、その一方しか………
――照らす事はないのだ。
――――――――――――――――――――――――
"ω":
「……何やってるの?」
タブレットが押し付けられる
――より深く
――より深く。
押し付けられた「ω」の底は――より深くなり…
他の「それ」とは異なる領域を持つ様になる。
そして深くなる分だけ
――脇は寄せられ……
退けられる。
結果
――押し付けられた「ω」の両脇が
浅くなる
――歪になる。
崩れ………――
「ω」
――である事を止めてしまう。
そのうち、<直線>に近くなり――
それを<感じる>と……
――グループで叫び出すのだ。
"ω":
「おい、『何してる?』って訊いているんだ!」
"ω":
「苦しい!!」
"ω":
「痛いぃぃぃぃぃ!!!」
その叫び "声" は反響し――他の『1』達を呼ぶ。
共感を、より遠くへ…――グループの端まで。
"ω":
「どうしてひどい事するんだ!!?」
"ω":
「貴様――人間じゃないのか!?」
そして端は、何も目撃しない
――そして叫びが<真実である>と信じるのだ。
そしてグループは知らない……
――量は保持されたままでも
――"声" 全体の内容は、半分である事を。
"ω":
「意味わかんない………」
"ω":
「やめてよ!!」
"蜘蛛宇宙人" は、力を抜いた。
そして――タブレットを壁から引き剥がした。
分裂によって――
一方が放つ光が、
より深まった相手の大きさを、
明らかにした。
――――――――――――――――――――――――
そして
――深まった分だけ……
陰が出来る。
――――――――――――――――――――――――
最早…
"それ" は――
「ω」
――ではない。
"蜘蛛宇宙人" は言う――
「単純な事だ
――難しい事じゃない」
タブレットと "ω" は対面関係――交差点はない。
タブレットの光と
光の中の――
「continuum hypothesis」
――は消えていない。
そして……
――その文字は
――その概念は
相手に爪痕を残さない。
ただ形が乱れ………――深くなっただけ。
一拍空けて――
<「ω」でなくなった者>
――が、テンプレを言う。
"ω":
「キモイ」
"ω":
「キモチワルイ!!!」
"蜘蛛宇宙人" が返す。
「――オレもそうだよ。
ずっとそうだったんだよ。
でも――言わなかっただけ。
<素直に>言わなかっただけ……。
こんなのは<残酷>でも何でもない。
努力している者にとっては、難しくも何ともない。
簡単に言ってやろう
――簡単に、わかりやすく。
これはな…――
<地点(E)の大きさ>
――を問うているんだよ」




