わたしは此処にいる
"蜘蛛宇宙人" は顔を上げた
――ライトをタブレットに当てたまま。
目の前には黒が拡がっている。
下に、膨大な白が隠されている。
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黒と白の量と領域はイコール関係にない。
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そして、そこにセンスはなく…
――人間にとっての<残酷>。
"蜘蛛宇宙人" は一歩、前に踏み出そうとし……
――そして足の裏を宙に浮かせたまま
バランスを取った。
そのまま
――大きく踏み出さずに
足を置いた。
それから
――ずっと棒の様にしていた
軸足を前に出した。
そして――揃えた。
ただ――振り返る。
連続した黒――暗示される空間。
"蜘蛛宇宙人" は仰いだ。
天井は白く――オーバル。
"蜘蛛宇宙人" は一歩踏み出した
――斜めに。
また一歩踏み出した
――斜めに。
何度も足を上げ――その度に下げる。
一歩斜めに――それは「1」。
元に戻れば――それは「0」。
行ったり来たりするその間、トンネル
(B)~(C)
(C)~(D)
(D)~(C)
へと踏み出さなかった。
考えていたのだ。
そして――
「ふ」
――と………
――立ち止まった。
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"蜘蛛宇宙人" のいる場所は、ダンジョン(∀)の中間地点であった。
そこは――
「24」と「23」の組み合わせでトンネルが構成されたダンジョンモデルを「S」とし、次に繰り返されるダンジョンモデルを「T」とし、そのままアルファベティカルに(そして横に)並べると、モデル「Y」の地点(C)に当たる場所である。
そこは全体を
――数字を以って
分割しても、中心にはならない。
ただ、全体を
――数字を以って
分割する事で、中心となる場所である。
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"蜘蛛宇宙人" はタブレットに当てていたライトを傾けた。
正面に道が在る。
右に道が在る。
左に道が在る。
以前と同じ様に見えるトンネル。
ただ、"蜘蛛宇宙人" は呟いていた。
「此処は無限ループなんかじゃない……」
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"拙い者" は、此処で結論に跳びつくかもしれない。
「出口が在るかもしれない!」
――疲れ切った身体を以って、凋んだ希望を掻き立てる。
しかし――すぐに悲観する事になるだろう。
実際、"蜘蛛宇宙人" の眼前に広がる物は
――ただの
闇…。
いつまで経っても、
白マテリアが
<先の可能性>
を暗示しているだけなのだ。
そして、先に、光はない。
一筋もない。
光は "蜘蛛宇宙人" の手の中に在る
――それだけなのだ。
それだけなのだ。
そして、その光に、温もりはない。
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