わたしは此処にいる
これからも学者は、余計な事に口を挟むだろう
――それら学者は、自分の研究に行き詰っている。
そして――何も発見しないだろう。
"運転手":
「あんたの親はな…
――ずっと頭の良いヤツを弾いてきたんだよ。
叩いてきたんだよ!
あんたの親みたいな人間は
――最初こそ……
見抜く事が出来ないんだ。
それでも頭角をあらわして来たら
――発揮できない様に
沈黙するんだ………――
消極的に攻撃するんだ!!
そして優秀な者たちが自分から出て行く様に仕向けるんだよ。
そして――
そのお蔭で――
<お前>は、これまで、生きる事が出来たんだよ。
お馬鹿さん。
親のお蔭で生まれて
――子供になり
大人になった……
――かどうかは知らん。
そんな甘ちゃんな考え方をまだしてるようじゃ
――大人とは言えねぇか…。
『笑』
これは別に過去の話じゃない――今だって続いている。
あんたの兄貴が会社から<出来過ぎるヤツ>を間引きしているんだよ――
<出来過ぎるヤツ>が先へ進めない様に、沈黙するんだ――
そして消極的に排除しているんだよ。
そんで問題がなさそうなヤツだけ残して――
仲良くやるんだ
――楽しくお喋りしながらな。
調和だよ――調和。
あんたの兄貴の子供も、成長すれば、同じ事をするようになる。
なんにも知らない子供――可愛いだろ?
そして何も知らないからこそ――跡を継ぐんだよ。
黙り込み――無視するんだ。
これまで、人が苦しむのを見てきた……。
ずっと、見てきた。
『0=1を可能としてきた者達!!!』
自分も同じ目にあいたいと思うか?
経験して学ばない者こそ馬鹿だ!!
俺は馬鹿のフリをする………
――必死にな。
馬鹿のフリをしている限り、攻撃はされないから。
屑みたいな人生だけど――最低にはならない!
自己防衛さ。
虫けらみたいな命でも、ないよりマシ……さ。
オレはこれからも頭の悪い話でも読んで、感動するよ
――みんなと一緒に。
『泣けるんだよ…』
――って嘯くよ
――誰かが実際にオレの嘘泣きを見る訳じゃないからな。
『あの話面白い!!』
――ってみんなが言うなら、それを見て
『面白い!!!』
って言うよ。
大したことがなくてもみんなが
『すごい!!』
って言うなら、同じ事を言うよ。
みんなが
『生意気だ!』
って誰かを叩くなら、加担するよ……
――このスコップを武器として使って!!
『正義は人それぞれ』だからな。
お前は知っている筈だ――
『人それぞれ』とは――
明らかに共同体と他人の不利益になる事を
正当化し
相手に押し付ける
――魔法の言葉。
『お前消えな!!!』
『は?』
『意見は人それぞれ。
みんなの意見は、みんな大事。
だから――
俺が言った<お前消えろ!!>という意見も
お前の研究に関するお前の意見と同じくらい大事なの。
お前は、俺が言った――
<お前消えろよ!>
――という素晴らしい意見を尊重しなきゃダメなの。
意見は人それぞれだから!』
どんな最新の研究しても同じ――
馬鹿の意見と価値は同じ。
人それぞれで、みんな大事だから。
みんなに合わせなきゃ………――生きる為に。
みんなに合わせなきゃ!!
――それが人間として<生きる>という事なんだ!!!」
そして、"運転手" は以下の言葉で語りを〆た。
「ウルグス インドクトゥス!!
センペール コロクオー クム ウォース!
エゴ フィオー ウォース――イド エスト ノース!!
ノーメン ノストルム エスト アミコース!!!」
"運転手" は片手で掴んでいたスコップの先端を地面から浮かせた。
そして――
拳を捻り
――宙で
立てていた棒を横に倒し
――両手で棒を握り……
――片肘を引き…
――腋を締め……
構えた
――スポットライトを浴びながら。




