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わたしは此処にいる

 読む者のレベルが低ければ、選ばれる者もそのレベル。

 だからこそ――笑えるのだ。


 昔から評価に嘆く者がいる。しかし、評価とは《"その程度" にとって、どういう意味があるか?》が表わされるだけだ。そこに<間違っている>事は現れない。


 よく言うだろう――作品とは見る者を写し出す鏡である、と。


 原始人にとって、携帯電話は0点だ――煮ても焼いても食べられないから。


 未来の文明の利器だって――相手次第で50点。


 そこに間違っている事は何もない。




 それぞれ序数としてステップを積み重ねて到達した点は、推論のルールで予想された対象とはならない事がある。




 "蜘蛛宇宙人" は

 ――また

 同じ事をする。




 歩くのだ。




 そして、地点(D)に辿りつく。




 24歩であった。




 地点(D)に何も変化はなかった


 ――ただ到来は三度目になるから、踏み跡が増えているだけ。




 ――――――――――――――――――――――――


 そこは


 「⊥」


 でしかない。


 ――――――――――――――――――――――――




 右へ行けば、地点(C)

 ――左へ行けば、地点(E)。




 "蜘蛛宇宙人" は地点(E)に向かった。




 そして、トンネルの中を "n" 歩踏んだところで――

 (因みに "n" は24以下である)――




 地点(E)が見えた。




 同時に、変化が見えた。




 《何かいる…》




 地点(E)にて、<何か>が在る。




 それまではなかった物。




 それは細長い。




 近づく。




 その細長い物は

 ――近づくにつれ……

 ――タブレットの弱い光を受け………

 ――自ずから……


 分離した


 ――すくなくとも、そう見えた。




 "蜘蛛宇宙人" は地点(E)に到達する――

 が――




 その前に――




 歩きながら――

 形から――


 その<何か>が何であるか?


 "蜘蛛宇宙人" には予想がついていた…――




 が……――




 地点(E)領域に到着して――

 そこで次へ進まず………――

 <何か>を軸とし……――

 回り込む事で――

 細長い<何か>を

 より具体的に――

 確認する事が出来た――




 目で。




 その眼で。




 触れなかったが、確認する事が出来た。




 <何か>とは、<足>であった。




 宙に浮いた足であった――

 壁から足が突き出ているのだ。




 それも、人間の足。




 裸の足。




 二本足。




 ちょうどダンジョン構造から云えば内側、折れ曲がる所から生えていた。




 トンネルの円…――

 その直径に照らすと半分

 ――即ち、円の中心点と水平な場所

 ――円周上……

 から

 ――横に

 生えていた。


 いくら位置がそうだとしても――

 生えている足の長さは

 円の半径とイコール関係にはない――


 より、短い。


 太腿が

 ――白マテリアの中

 半分埋まっているからではない

 ――太腿と骨盤周辺が完全に剥きだしでも

 ――円の半径には到達しないだろう………。


 爪先を伸ばしても、円の中心には到達しないだろう……。




 足はバタついていた

 ――まるで

 ――空間の中

 泳ぎをするかの様に。




 膝から下が――




 左。




 右。




 左。




 しかし、身体は壁の中…

 ――であるから……

 ――前進する事はないのだ。




 ――――――――――――――――――――――――


 勿論

 ――誰にでもわかる事であるが………

 これは


 <排中律を使って対象化された対象>


 である――


 シンメトリカルな片割れ。


 このダンジョンの中では

 ――存在こそするが……

 人が思う(望む)形で存在する

 ――存在し続ける

 訳ではない。


 ――――――――――――――――――――――――




 「そこの人…」




 ――地点(E)に立ち、"蜘蛛宇宙人" が声をかけた。




 とつぜん、足のバタつきが止んだ。




 返事は何もない。




 ただ片方が上がり

 ――片方が下がったまま。




 そして少し無音が続いて……――




 足は震え出し………――




 またバタつきだした。




 "蜘蛛宇宙人" が声をかける前よりも速く――




 過激に。




 ただ

 ――幾らバタついても

 白マテリアはびくともしなかった。




 欠片すら、落とす事はない。




 その内、運動する足の速さが

 ――緩やかに

 戻った

 ――苦なく動き続ける事が出来る程度まで。




 そんな<対象>

 ――足……

 は、何も話さない。




 何も音を発しない。




 ただ膝から下が上下するだけ。




 風を刻む音さえない

 ――風そのものがないのだし…。




 「上下する」




 ――と表現した。


 しかし、足の上下運動は

 ――横から見ると……

 ――単調な

 ――エレベーターの様な

 垂直的上下移動ではない事がわかる。


 膝を軸とし

 ――弧を描きながら

 爪先が行き来している

 ――メトロノームの様に。


 つまり、その上下運動は

 ――横から見ると………

 左右に動いているのだ

 ――振り子の様に。


 そしてその振れる角度は、直角以上である

 ――太腿の分があるから。




 勢いがあるから。




 ただ、<膝から下>が、膝より下に行く事はない




 ――爪先以外。




 そしてそれは

 ――横から見ようが

 ――前から見ようが

 <足>である事に変わりはない。




 因みに、地点(D)から地点(E)までは、23歩であった。



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