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わたしは此処にいる

 水が少なくなり――止んだ。




 "蜘蛛宇宙人" が前に踏み出した時

 ――"鳥頭" は同じ場所にいた。




 "蜘蛛宇宙人" が同じ場所で右往左往する時

 ――"鳥頭" は同じ場所でただ、失った物を悼んでいた。




 "蜘蛛宇宙人" が同じ場所で誘惑の声を聞いた時

 ――"鳥頭" は既に経験していた。




 そして "鳥頭" は、

 経験した事について、

 考えなかった。




 <既に行った事>と

 <結果>を結びつければ

 予想のつく事。




 しかし、"鳥頭" は

 ――ただ…

 疑問だけを続けていた。




 《何で?》




 《なんで?》




 《ナンで!?》




 そして――涙する。




 涙する分だけ――渇いていく。




 散々泣いた後――繰り返す。




 「あ―あ。喉乾いた……」




 そして実際に――喉を鳴らす。




 そして――感じるのだ。




 「きっと疑問し続ける事が大切なんだ!!

  ――それが人間なんだ!!!」




 そして具体的な答えを得ず――それ以上、探さない。




 ただ――晴れやかな心。




 素直な――笑い。




 <結果>を得たのだ。




 さっぱりした "鳥頭" には、

 自分が為した事

 に関する記憶的ビジョンが

 欠如していた。




 そして欠如した所に別のモノが宛がわれる

 ――パッチの様に。




 "それ" は立ち上がる

 ――3Dの様に。




 "鳥頭" は、視神経の先に映る<黒>に全身

 ――皮膚という一面すべて

 を包まれた様に感じながら、

 そのディリュージョンを楽しむ。




 即ち――昔を懐かしんでいた。




 そうしている間、

 "蜘蛛宇宙人" という存在を

 <心>と呼ぶ場所から締め出していた。




 そこに意志はなかった。




 その心は――温かかった。




 "蜘蛛宇宙人" の手袋

 その<フェイクファー>にはない

 ――ぬくもり。




 内壁は――




 「もふもふ」




 ――している。




 毛の生え方が、手袋と心では、逆なのだ。




 そしてその "鳥頭" の<心>は………――

 ペットの様な、その<暖かい心>は……――




 ”自分が残酷である”




 ――という事を知らない。




 同じ頃、

 縦軸で見ると違う場所だが、

 横軸で測ると "鳥頭" と同じ地点にいる "ω" が

 "蜘蛛宇宙人" の背中に話しかけていた。




 「わたしを食べて!!」




 "蜘蛛宇宙人" は、無視した。




 そして――歩き出した。




 前に向かって。




 「わたしを食べて!」




 "蜘蛛宇宙人" は、需要に応えない。




 白き泥濘を抜け出す。




 トンネル(D)-(C)に入る。




 "ω" の声は、そこまで追いかけて来ない

 ――声が届かない事を知っているのだ。




 それでも

 ――同じ場所にい続ける

 "ω" は話し出す




 ――隣りの "ω" と。




 "ω":

 「なんだあいつ――負け犬の癖に!!」




 "ω":

 「あいつの代わりなんか掃いて捨てる程いるんだ!!!」




 そして自身がそうである事を――見ないフリ。




 そして――話題を変えるのだ。




 そんな "ω" は、

 ダンジョンに於いて

 <地点>にすら含まれない

 ――<分岐点>にすらなれない。




 そしてそれを知っていて…――他人にそうあって欲しくないのだ。




 そして大勢の "ω" の求める事が――社会では<需要>と呼ばれる。




 "蜘蛛宇宙人" は進む。




 45歩で――分かれ道。




 ダンジョンモデル(S)の地点(D)に辿りつくと、

 同モデル地点(C)に向かう。




 到着すると、そのまま地点(B)に向かう。




 地面は濡れていた

 ――しかし

 ――足場に於いて

 ――踏み惑う事はない。




 地点(B)に到着する。




 少し湿った白マテリアの中、"骸骨" が在った。




 頭蓋骨が地面に転がっていた。




 ――――――――――――――――――――――――


 雨は "骸骨" を押し流す事は出来ない

 ――削る事すら出来ない。


 洗うだけだ。


 ――――――――――――――――――――――――




 そのまま進む。




 "蜘蛛宇宙人" は――地点(A)に到達した。




 右を向く。




 ライトがホローに光を投げかける。




 そこには、"鳥頭" がいなかった。




 躊躇なく、"蜘蛛宇宙人" が踏み出す。




 "鳥頭" が在るべき場所は――から




 そして踏みしめた事は、"鳥頭" に何も影響を与えなかった。




 尻の下に足跡が発生しようと、

 "鳥頭" には見えないし、

 "鳥頭" は感じない。




 そして――認めない。




 地点(A)から(F)に向かって歩き出す "蜘蛛宇宙人" は、

 次に為す事だけを考えていた。




 そして――為す機会が訪れる事になる。



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