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わたしは此処にいる

 ちょうど、

 "蜘蛛宇宙人" がトンネル(C)-(D)の「ピン」にいる頃、

 "鳥頭" はトンネル(A)-(F)の「ピン」にいた。




 ――――――――――――――――――――――――


 地点(A)と(C)は「ピン」に含まれず、

 地点(D)と(F)は「キリ」に含まれない。


 ――――――――――――――――――――――――




 "鳥頭" は、<未経験であった事>を受け入れる事が出来なかった

 ――その状態が

 ――そこに

 ――ただ

 ――示されているのに。




 そして、

 内に木霊する疑問符は、

 現象を吟味するよう

 ――"鳥頭" に

 余裕を持たせる事はなかった。




 "鳥頭" は、

 以前抱いていた欲望の解消

 その結果として発生し

 ――また解消されるまで渦巻く

 次なる欲望

 ――各々は序数的関係だ…

 その解消方法が

 目の前に提示されている事

 に気付かなかった。




 さらに……――音に注目する事もない。




 現象は序数的にあらわれている

 ――しかし、観察者は

 ――自分の立つ点

 ――その<前>の点がなくなる瞬間を

 ――知らない事がよくある………。




 そして

 ――過ぎ去った後

 ――振り返り……

 時系列を参照しても

 ――もう

 辿る事は出来ない。




 そして――「0」を想定するのだ。




 それでも…

 ――そうする前に

 "鳥頭" は

 ――人間らしく

 後悔した。




 ただ――




 <自分が何をしたか?>




 ――を吟味する事はないのだ。




 ただ――




 嘆くのだ




 ――撫でながら。




 そして――




 いつの日か、忘れる。




 そしてそれは――




 前向きではない。




 コンストラクティブルではない。




 そんな "鳥頭" の隣に在る――水滴達。




 更新を続ける――すべて同じ様な質量、状態、形。




 動き。




 それは――「ω」の様な物だ。




 各々に膨大な可能性が在る

 ――それでも、留める形はひとつ。




 <テンプレ>の形で

 ――己を維持して

 空間に提示する




 ――意志を持たず。




 ――――――――――――――――――――――――


 「みんな

  ――何かしら

  ――何処かで

  ――誰かに

  影響されている……」


 「この世にオリジナリティなんかない!」


 これらの意見そのものが………

 ――オリジナリティのない<テンプレ>。


 それら意見は、


 まるで――


 財布を持たずに飲食店に入った者が

 トイレに立った隣客の財布を盗み見て

 「無銭飲食だ!!」

 と非難する様なもの。


 まるで――


 "0" が、

 「すべては、だ!!!」

 と、言い張る様なもの。


 目の前に "1" が在り

 ――その先には

 "2" がいるにも関わらず――


 "0" によって断定された「0」。


 「人それぞれ」


 ――という意見すら、テンプレだ。


 多様な意見――多様な感情。


 本当にそうなのだろうか?


 本当に "人々" に<多様な意見>など、あるのだろうか?


 さまざまな感情など、あるのだろうか?


 少なくとも――

 外見や人格と云うものが異なろうと、

 同じ考え、同じ意見、同じ感情的発露が

 社会の中で繰り返される機会は多大にあり、

 それら繰り返しは

 ――繰り返しに過ぎないのに……

 前にあらわれた原型的「1」とは異なる「1」として

 換算されている。


 別言する。


 <人それぞれ>は、

 ”一つのパターンの繰り返し”

 に過ぎない物をすべて

 それぞれ独自の「1」として

 数え上げる。


 ただ、「1」にいくら「1」を掛けても、「1」だ。


 <人それぞれ>の論理では、

 「1」を百回掛けた物が

 「100」の価値があるものと見做される。


 ただ、「1」にいくら「1」を掛けても「1」だ。


 そして、百度繰り返された「1」は、

 二度と繰り返されない「1」以上の「n」に劣る。


 ――――――――――――――――――――――――


 加減は――延長と縮小。

 乗除は――グルーピング。


 ――――――――――――――――――――――――


 四人の人物によって発された、四つの意見があるとする。


 ①「林檎は赤い」


 ②「りんごって赤いよね…」


 ③「マジ、リンゴ赤いんだけど!」


 ④「林檎は青い」


 この四つは、四つの多様な意見なのだろうか?


 ――――――――――――――――――――――――


 パターン(テンプレ)的意見、それは

 本当に意見発言者が持っている――


 <自分の意見>


 ――なのだろうか?


 ――――――――――――――――――――――――


 少なくとも……

 ある人間が――


 「他とは違う、<自分なり>の意見を持とう」


 「違う物を<自分なり>に得よう」


 ――とする

 姿勢(試み)を保持しているか否かは、

 <知性や学問の量とはあまり関係がない>。


 誰もが使う事の出来る

 ――努力せずとも簡単に用いる事が出来る

 <テンプレ>

 によって

 自分を誤魔化さない人間の行動原理は、

 あまり正義や悪と関係がない。


 常に前進しようとする人間は、

 目の前の障害など、もろともせずに

 <自分なり>

 に視点を得て、勝手に進んでいくのだ。


 関係がないのだ。


 その進む姿は、

 誰が何と言おうと………――


 <高潔>


 ――だ。


 どれだけ誰かに――


 「醜い」


 ――と言われようが……

 関係ない。


 その姿は――


 <崇高>


 ――だ。


 ――――――――――――――――――――――――



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