第七話:てめっナメてんじゃねーぞ
朝日がまぶしい時間にその声は鳴り響いた。
「せんせーい!」
「ぼくたちー!」「わたしたちはー!」
「「スポ-ツマンシップにのっとり正々堂々と競技に取り組むことを誓います!」」
壇上の奴らはあんなことを言ってるけど...
「やるわけねぇだろ。」
ふつ~に、考えてほしい。
勝ったほうと、負けたほうどっちのほうがすごいと思うか?
まぁ確かに負けたやつでもすごい奴はすごいけど...
けどまぁ勝ったほうだろ?
だから、何としてでも勝ちにいく。
というわけだ、勝負なんて最初はなから負けに行くやつなんていないだろ。
そういえば、前の檀上に立っている男子は、俺のクラスの学級委員兼で赤組の応援団長の田口涼斗たぐちりょうとだ。本当に暑苦しいやつなんだけど、根はいいやつだ。この前日の帰りの会でもみんなの下校直前に絶対勝つぞー!と騒いでたしな。
その田口の隣にいる女子は峰岸恵玲奈みねぎしえれなだ。
名前だけしか聞いたことないからぶっちゃけ知らないけど、The一軍女子って感じがする...
「レイ様、今よろしいでしょうか?」「ん?」
どうこうしてたらアイザスに呼ばれちまった。
「どうした?」
「今日、先生方が作った門が崩れていたのはご存知ですか?」
「あぁ、あの担任ゴリラが嘆いてたな...それがどうした?」
「あの門を私が独自で調べてみたんですが...看板に『All for the Angel』と書かれていていまして...柱の足元に『崩壊』のあとが...」
「!!」
『All for the Angel』...すべては天使のためにという意味か...
なんか気になるが...
「おーい、れいくーん。と曾澤君もいたか。」
「どうしたこいはって、お前どうしたその怪我?」「え?」
こいはは、すっとぼけているが膝や腕が擦り傷でいっぱいだった。
「あ~、これ?これはねぇれい君に迷惑かけないように今日の朝ちょっと練習してたの。」
「へ~、二人三脚なのに一人で?」
「一人じゃないよ、叔父さんがれいのためならしょうがないって。」
あの人何やってるんだ?
ちなみに俺が学校に入る際に保護者が必要ということで、こいはの叔父が俺の保護者になった。
「で?親父お前の叔父は?」
「私と一緒に転んで腰打ったから来れないかも。」
おい、周り巻き込んでんじゃねぇよ。
まぁいいや。
「そういえば、曾澤、第一競技は?」
「あ~、たぶん玉入れだと思うよ?」
「そうか、二人三脚とリレーは?」
「二人三脚が五番目で、リレーは最後。」
ん~てなると...集合が一種目前だから...
「俺らに残された時間は三種目ってことか...」
「ん?え?もしかしてれい君、私たちの競技までってこと?」
いや、そんなもんじゃない。
「曾澤、『係りの仕事』をしに行くぞ。」
「うん、分かった。」




