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第二十一話:てめっナメてんじゃねーぞ16

きつい

皆さん、ご存じ...じゃない人もいるかもしれない曾澤です。


この前行ったテストですが、返却は後日になるということで


結果が楽しくも、怖いという気持ちもあります。


また、れいに関してはあの二人から若干ひかれてました。


最初に言い始めたのは二人だと思うんだけどな...


そんなことを思いつつ、武道場の入り口につくと


「あれ?曾澤君?」


ひょこっと弓道場の扉から顔を出した花蓮先輩が自分に気づいた。


「あっ、花蓮先輩こんにちは。あれ?今日って弓道部ないですよね?」


「うん。そうなの。自主練ってことで、先生に許可もらってるから安心して。」


「大丈夫ですよ。その点では先輩たちのことは信頼してますから。」


「あれ?その点だけ?」


「はい、あとはセクハラしか覚えがないので。では。」


花蓮先輩の止める声が聞こえたが、聞こえないふりをして階段を上った。


毎回思うけど、この三階までの階段がとても辛い。


なんかハイテクな学校ではエレベーターがついてるっぽいけど...


そう思いながら次は柔道場のある二階についた。


柔道場の入り口は扉ではなく、暖簾のれんとなっているため


中の様子を簡単に見ることができる。


確か柔道部も今日オフだった気がする...?


そう思ったが柔道場の真ん中、畳の上で瞑想をしている人がいた。


こっちから見ると背中しか見えないが、あの紫色の髪は恵理先輩だろう。


とても集中しているようで微動だにもしていなかった。


やっぱり、この三つ子は他と熱意が根本から違う気がする。


いわばカリスマ性があるのだろうか。


だから信用できる。


こうして階段を上り、三階についた。


剣道場はふすま式の扉で、和の雰囲気がよく出ている。


僕はふすまを開けると大きな声で言った。


「よろしくお願いします!!」


この挨拶が剣道の礼に始まり礼に終わる、というものだ。


入りからきちっと入ることで、終わりはなおよくなる。


「う~ん。十点中三点かな。」


結構いい感じに声を出したが、厳しい評価が返ってきた。


「何ですか?遠藤先輩?茶々入れてこないでください。」


「え~?だって今は柊いないから、俺がやっただけじゃん。」


そう言って、今俺の前にいる眼鏡をかけ茶髪をセンターで分けている


この男子は遠藤瞬途えんどうしゅんと先輩だ。


今僕の入っている剣道部の副部長でもある。


まぁ、部長はあの人だけど...


そうある人を思い浮かべながら、自分の荷物を置き、剣道着に着替えながら


遠藤先輩に質問した。


「で、今日のメニューは何ですか先輩?」


「今日?今日は新人戦が近いから試合に近い練習をやれって。


 たぶん互角稽古だから曾澤は柊が来るまで待ってて。


 座礼は先生来てからやろう。」


「はい、分かりました。」


なるほど、互角稽古か...


互角稽古が知らない人に説明すると、同じくらいの技術レベルの者同士が、


試合のように真剣に打ち合う稽古のこと。


まぁ、地稽古とも呼ばれたりするけど、


一番大事なのがこれは勝ち負けを競う試合ではなく、技を正確に出し切ること。


ほかのスポーツの練習試合と違って、勝ち負けを気にしないから、


自分の技術向上に集中できる。


今すぐにでもやりたいが、『互角』なので麻友先輩を待たないといけない。


もうみんな始めているため、だんだんうずうずしてくる。


けど待たないといけない。麻友先輩が来るまでは。


ーーーーーーーーーーーーーーー二時間経過ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「よろしくお願いしま~す。」


「................」


「あっ、稜人来てたの?行くって言ったら、もっと早く来たのに。」


「................」


「稜人?どうしたの?なんかあった?」


「.....まずは周りを見たらどうですか....?」


「えっ?互角稽古じゃない?それがどうし......⁈」


「................」


ようやくことの重要さに気づいたらしく、めちゃくちゃバタバタしている。


「えっ、ちょ、ま、待って、怒ってる稜人?」


「.........先輩。早く剣構えてください。」


「えっ⁉ちょ、待って、まだ防具が....」


そう言った麻友先輩を無視して、


僕は麻友先輩に剣を手、脇腹、太ももの順に叩き込んだ。


「イタっ!!ちょ、待って、痛いッ!!」


「.........」


「待って、ご、ごめ.......ごめん、なさい。ゆ、ゆるして。」


ブンッ!!ブンッ!!


「あ、待って!うぐ、ん♡//、あ、いっったいから!!本当に!!」


「痛い?今軽く悦んでませんでした?」


「えっ?そんな....ことないよ....うん。」


ブンッ!!


「え、ちょ、んっっ♡♡//...待って、あっ♡//、その目、す、好きぃ。」


なんなの?怒っているというのに、


この人目がとろけてきてご褒美みたいになってないか?


まだ怒りは収まらないが、年齢制限がかかる前に止めておこう。


「ったく。麻友先輩!!しっかりしてください!!」


「ん~?う~....はっ!


 危ない危ない。あともうちょっとで新しい扉が開くところだった。」


「もう開いてそうでしたけどね......


 ほかの姉妹は今日オフだってのに自主練してましたよ。


 それなのになんであなたは普通に部活があるのに


 二時間も遅れてくるんですか⁉」


「.......いや~、ちょっと...」


「ちょっと?」


「.......サボってました...。」


カチャッ!


「はっ!その視線...バッチこい!」


こうして僕はこのダメ先輩の頭をカチ割った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あの後麻友先輩を床に放り投げ、遠藤先輩と稽古をした。


「すいません。ありがとうございました。」


「べつに?どうってことないでしょ。」


稽古をできた時間は30分くらいだったが、自分の足りないとこが分かった。


自分は最初の動き出しが遅く、


最初は相手に攻撃されてしまうため気を付けるようにしたい。


そうして、稽古が終わり部室を片付けていると...


ガラッ!


「もうお前ら片付けていたか。」


そう言って顧問の剣崎一真けんざきかずま先生が入ってきた。


「お疲れ様です。」


「お~!曾澤か。用がある.....って、柊は何してるんだ?


 打ちあげられたマグロの真似か?」


「ほっといてください。で、用とは?」


「あ、あぁ。新人戦の団体戦お前をを使おうと思う。」


「本当ですか!?」


それを聞いた途端、とてもうれしくなった。


自分が学校を背負って戦えることが誇りに思った。


部活に入った日からずっと練習を積み重ねてきたので、実った感じがした。


「あれ?けど団体戦ですよね?


 ほかの選手ってどうなっているんですか?」


「あぁ、そうだな。話しておくか。


 今回の団体戦形式が男女混合五人制のため、先鋒、次鋒、中堅、副将、大将だ。


 先鋒が遠藤、次鋒が早乙女、中堅が曾澤、副将が柊、大将が峰岸だ。


 先鋒で勝ちつつ、中堅と副将で勝負を決める感じだ。」


団体戦は三勝したら勝ちだから、大将に強い人を置くわけじゃないんだな。


でも....


俺は気になり後ろを向くと、後ろを向くのをわかっていたようにある人物と目が合う。


「稜人、おめでとう!初だね!」


なんで、この人選ばれてるんだろう。


そう思うと、少し団体戦が心配になってきた。


しかし、


「大丈夫だって!」


そう麻友先輩は言うと、僕の肩に手を置き、


「勝っても負けても私が後ろにいるから。


 大丈夫。稜人の初陣は私が支えてやる。」


そう麻友先輩が言ってくれたおかげで、少し気持ちが軽くなった。


「あ、ありがとうございます。」


「ん?何?聞こえないよ~。」


あ、待ってやっぱ前言撤回、めっちゃむかつくかも。


「へへ、冗談だよ稜人。一緒に頑張ろう。」


そう言って先輩はモップ掛けをしにモップを取りに行った。


女子で小さいながら、その背中は大きく偉大に僕の目には映った。


やはり、その点では信頼できる。


.........遅刻がなければ完璧なのに。

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