第十九話:てめっナメてんじゃねーぞ14
桐谷の家で勉強してから6日がたった。
テスト前日、それは普段勉強に親しんでいない人
からすると、地獄のような1日だろう。
何故そうなのか?
それは...
「お前ら...何それ?」
俺はテスト前日で勉強しようと思い、みんなを誘って
図書館の自習スペースに曾澤といたが、
今来たこいはと桐谷が歩くたびに
カランっと音が鳴る袋を手にしていた。
「えっ?...これのこと?」
「うん。図書館に持ってくるものとしては
爽快な音をしているなと...」
「これはテスト前日には必須のアイテムだよ!」
なるほど、こいはがそこまで言うってことは
いらないものってことかな?
そう思っているとこいはが袋の中から
何かを取り出し...
「ジャジャーン!エナジードリンク‼︎」
そして桐谷も袋から何かを取り出し...
「で、私はコーヒー。」
「...何?お前らって廃人?」
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そんなこんなで勉強を始めたが
こいはからの質問ラッシュが止まらない。
「ねぇ、れいくん。この分の文節の切り方がよくわからない。」
文節か...どれ?
そうして俺はこいはのやっているプリントをのぞき込んだ。
③私は週末に公園で走っている。
あぁ、なるほど。
「こいは。自立語と付属語ってわかる?」
「うん。そこまでなら何とか。」
「俺自身が国語苦手だから教えられるか不安だが...
それなら、文節には二つの切り方がある。
まず一つ目は、『ね』や、『や』、『よ』などを文中に入れる。
例えば、私は猫を飼っている。だったら、
私は㋧猫を㋧飼って㋧いる。だ。
だから、私は/猫を/飼って/いる。ってなる。
二つ目は、自立語が文節の先頭になることを利用した切り方だ。
もし、私のお父さんはテレビを見ている。だったら、
この文の自立語は、私、お父さん、テレビ、見て、いる、の五つだ。
こうして、私の/お父さんは/テレビを/見て/いる。となる。
大体わかったか?」
分かりやすく説明したつもりだけど...
「う~ん。じゃあこの問題は、
私は/週末に/公園で/走って/いる。ってこと?」
「!!...マジか。正解すると思わなかった。」
「ちょっとれいくんさすがに舐めすぎじゃない?」
「そうだったわ。すまん。」
「まぁ、別にいいけど。
えっと、じゃあ、この④の
先生がみんなの前で国語を教える。は,
先生が/みんなの/前で/国語を/教える。で合ってる?」
おぉ~なかなかすごい成長速度。
「こいは、もしかして国語得意?」
「うーん、たぶん?」
「じゃあ、別の教科やったほうがいいな。」
「うん。分かった。」
そうしてこいはがバックをごそごそしているとき、
「ねぇ、稜人。」
「どうしたの?綾。」
「ここの問題が分からなくて...」
「おっけ。ちょっと待ってて...」
二人とも前までぎくしゃくしてたのに今ではもう普通だな。
ったく、なんで桐谷は曾澤のこと無視したんだ?
「ねぇ、れいくん。」
「あぁ、わりぃ。どうした?」
こいはに呼ばれ振り返ると、英語のテキストを手に持ち俺を見つめていた。
「aとanの使い分けがわからない。」
「それはな、a, i, u, e, oで始まる単語の前は、anを使うんだ。
例えば、I eat an apple.とI eat a banana.みたいにな。」
「うん。分かった。ありがとう。」
だんだんこいはも勉強できるようになってきたからな...
「こいは、たぶんこのまま行ったら赤点は回避できるぞ。」
「本当に!やった!」
そう無邪気に喜ぶ姿を見て、少しは教えてよかったなと思った。
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「よぉーし、ここらへんで終わりにするか。」
時刻は6時、図書館の窓から見える外の町並みは夕日に照らされていた。
「ん~。めっちゃ賢くなれた気がする。」
「それが、気がするで終わらなければいいけどな。」
そういいながら、四人で外に出るとこいはと桐谷が俺と曾澤に言った
「じゃあ、私たちこっちだから。」
「それじゃ、れい、今日はありがと。」
そう言って手を振り離れていくのを見届けた俺らは
「じゃあ、帰ろう。れい。」
「あぁ、そうだな。」
どんどん二人との距離が離れていく。
こうそて俺たちは帰宅の途に就いた。
それにしても...
あのエナドリとコーヒー飲まないだろうな?
明日テストで一夜漬けは...まぁ、爆死だろ。




