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第十三話:てめっナメてんじゃねーぞ8

曾澤が兼部を許可されたらしい。


帰ってきた曾澤と桐谷に、良かったな。と言ったら校長がせかしてたぞと言われた。


なので速攻で決めていきたいと思う。


「う~~~ん。」


そう悩んでいるといつものメルヘン女が...


「そんなに悩むものなの?」


「だって、俺は転部しないつもりだからな。」


さて、今のところの候補がバスケ、野球くらいか?


「こいは、今さバスケと野球で悩んでんだけどさ、どっちがいいと思う?」


「え~、私は断然バスケ!バスケやってる人ってかっこいいから!」


確かに盛り上がり具合的にはバスケだな。けど...


~「えっ?野球部に入れって?」


「あぁ、君は野球部にはいたほうが活躍できる。この俺が断言する。」


そう言ったのは田口。彼は野球部でキャッチャーをしていると俺に話した。


「君は、見たところ運動神経がとてもいいじゃないか。」


「見ただけでそんなん分かるのか?」


「あぁ!その体。いかにもアスリート向きな体だ。君は野球部に入り、


 ピッチャーをすべきだ。」~


「って言われてさ。」


「あぁ、で勧められちゃったわけだね?」


ん~、悩むな。


「そうだ!れいくんが男バス行ったら、女バスと合同練習や試合があるからバスケ教えられるよ?」


ふっ、そんなこと言われたら答えは一つじゃないか。


「お願いしますっ!」


そういうと俺はみんなに見られる中、額を床にこすりつけた。




「よしっ!二人ともこれで提出してくるね!」


「「うん。よろしく~。」」


こうして俺は男子バスケットボール部、曾澤は陸上部と剣道部に


入部することになった。


「予定どうり出せて安心したわ。」


そう俺が安心していると隣の席から、


「ねぇ、そういうの期限までに出すのって当たり前じゃないの?」


「黙れ、このクソ真面目ギャル女が。」


「まぁ、れい。これは綾の言うとうりだよ。」


くそっ。最近曾澤が言ってることがすべて正しく聞こえてしまう...


なんだよ。俺の味方はいないのかよ。


「うん。今はいないんじゃない?」


はぁ、隣の席のやつがうるせぇ。


「って、そうじゃん提出した日から部活動入るんだっけ?」


「うん、たぶんそういう決まり。僕は剣道部あるけど、れいと綾は部活あるの?」


「ん?私は今日オフだった気がする。」


「多分俺も。」


「じゃあ僕だけか。今日の放課後行ってくるね。」


「「おう。いってらー。」」




この学校の武道場は体育館の隣に建てられていて、最近改装が入ったばかりらしい。


一階が弓道場、二階が柔道場、三階が剣道場だ。


なので僕はこれから部活がある日は毎回三階まで登らないといけない。


放課後に友達に別れを告げると、小走りで剣道場の前まで来た。


「誰かいるのかな?」


そう思い僕が中に入って確認しようとすると。


「はいっ!ストップー!」


バシィ!


痛っ!誰かにたたかれた?


「ストップ新入り!剣道場に入るときは靴下を脱いで礼して入って来ないと。」


そう言われたほうを見ると、黒い袴はかまを着て


紫の長い髪を肩に流している女子が立っていた。


「あぁ!すいません。すぐします!」


うわ~。やらかした。初日からこれとは...第一印象最悪だな。


「失礼しますっ!」


「うん!いい声だね。君が綾が言ってた兼部の子?」


「あぁ、そうです。」


「そう。名前は?」


「一年の曾澤稜人です。」


「曾澤君かぁ...よろしくね。私の名前は二年生の柊麻友ひいらぎまゆよろしく!」


「よろしくお願いします、柊さん。」


そういう簡単なあいさつを交わすと、自分のロッカーに私物を入れるように言われ剣道場を案内された。


「ここが更衣室ね。左が男で右が女子。間違えても右に入らないでね。」


「入りませんから心配しないでください。」


この人ニヤニヤしながらとんでもないこと言ってきたな...。


「後、お手洗いが一階でしょ?そして防具もあそこにあるから...


うん!大体伝え終わったね。」


「はいっ、ありがとうございます。」


「いやいや、私は当然のことを...ってそういえば君って剣道やったことある?」


剣道か...いや~剣は扱ったことあるけどなぁ、剣道ねぇ...


「まぁ、似たようなことはやってるので、大体できると思いますよ。」


「そう?それじゃあさっそく手合わせ願おうか?」


えっ?まだ来たばかりなんですけど?


「まぁまぁ。そうと決まればやっちゃおう!」


そういうと柊先輩は僕に密着して防具を装着させた。


先輩に体を触れられた瞬間ドキッ!となり、


「あぁ~、私で反応しちゃった?」


「してません!」


こういうことをしてる間に先輩は僕に防具をつけさせ終えていた。


「どう?キツイとこない?」


「ないですけど、頭の防具って案外重いですね。」


「そうなんだよぉ。で、やってみよっか。先生とかもいないし今がチャンス!」


そう言うと先輩は、髪を後ろに束ね、慣れた手つきで剣道着を着て...


「さぁ、はじめようか?まぁ私は剣道で全国出てますので。」


なるほど。今目の前で鼻を高くしているこの人も綾と同じく全国経験者か。


「まぁ今回はどちらがきれいなのを相手に入れたら勝ちっていう特別ルールで。


 準備いい?」


「いいですよ。自分は準備OKです。」


「それじゃあ...『はじめ!』」


そういうと先輩は剣先をこちらに向け近づいてきた。


「ごめんね!私は手加減できない主義なの!」


ブンッ!と耳元で先輩の剣の振りの音が聞こえる。


振りがとてつもなく早く、間合いの詰め方も完璧。確かにこれなら勝つだろう。


「ほらぁ!逃げてるだけじゃ何も始まらないけど?」


先輩はさらにもう一ギア上げる。格段に振りの質が変わった。


「なんだ先輩。手加減してたじゃないですか。」


「ううん。私の攻撃をこんなによけてる人は、あまり見たことないから


 楽しくなってるだけ!」


ブンッ!ブンッ!と聞こえる音の鋭さも上がってきた。


けどそろそろだ。


剣道というスポーツは短時間で終了するが、


その分集中力をとても削ぐスポーツでもある。


だからだんだん先輩の動きがわかってきた。


袈裟斬りけさぎり[相手の体を斜めに切る技]の時に絶対に右足を出す癖がある。


そこを狙えば...


「ほら、そっちは攻撃してこないの?」


相手に惑わされない。袈裟斬りまで待つこと。そこに一転集中する。


すると先輩が右足を出し刀を肩に引いた。


来たっ!疲れてるせいで動きが単調になってる。


「これでっ!」


先輩がそういうと同時に袈裟斬りしてきたが、自分の剣で抑えながら


前にスライドさせる。


そして近づいたと同時に先輩の剣を自分の剣を使って上に押し上げ...


「貰いました。先輩。」


僕は先輩の脇腹に剣を当てる直前で止めた。


「当てるのはよくないと思い止めちゃいましたけど。これって僕の勝ちでいいですよね?」


「.............」


僕が話しかけても先輩は反応しない。


「あの先輩?」


そう言ったとたんに、


ドサッガタッ


先輩が後ろに倒れた。


「大丈夫ですか先輩?」


「........うぇ、」


「えぇっ!」


まさか...


「うぅぅぅ‥、えぐっえぐっ、‥あぁぁ~ん!」


「先輩どうしたんですか?」


「曾澤君が、曾澤君が強いのに弱いふりして


 私のこともてあそんだ!っ、う……うぅ……うあぁ……っ!」


えぇ~?この人なんかめんどくさいんだけど。


「もうこれじゃ約束守らないとじゃん!」


「えっ?なんのですか?」


「......私ね。よく漫画とかでありそうなんだけど私より強い人が...」


「強い人が?」


「....好きなの//...」


えっ?はぁぁ⁈


「もうみんなにも言ってるんだから//」


そう先輩は赤面を隠すように両手を覆っていたが、


「本当に僕には関係ないんでご勝手に!」


僕がそう言って立ち去ろうとすると...


「待って!!もう曾澤君のとこ以外お嫁にいけないの~//!!」


「もうやめてください~!」




のちに剣道部に来た部員からこの話は広がり曾澤は兼部生ながら


剣道部に無事暖かく向かい入れられた。


が、そのうわさが飛び交った日に陸上部の倉庫が荒れていたのは


曾澤には知る由もなかった。

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