02.万年みかん
その団地はK県最大級、
1棟から99棟まで連なるマンモス団地と云われている。
その木にはみかんがぶら下がっている。
カラス達に食べられた後、
一つだけ残ったみかんだ。
?:「今、飴細工屋台が通った模様〜」
完熟してとてもおいしそうだ。
?:「久々、紙芝居が今年も来た模様〜」
よくカラスはみのがしたな?
?:「休憩ハイリマース。」
、、、
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シンが学校帰りの道すがら、
その途中にある一軒家の庭から
ブロック塀を超えて道にはみ出している
みかんの木。
「?また、一つだけ残ってるなぁー」
毎年なぜか落ちずに残るみかんが木の枝からぶら下がってる。
去年もあったけど一年中残ってる、
まぁ、そんなものだろう と
シンは家路に急ぐ。
、、、、
?:「シン君、通過〜。今日はまっすぐ帰る模様。」
みかんが震えだし皮が割れ、ギョロリと眼が飛び出す。
生物?機械?どれともつかないような眼だ。
また眼が閉じる。
ドタドタドタ、しばらくして男の子が
みかんの横を通り、
男の子:「シン君待って〜!」
シンを追いかけていった。
男の子が通り過ぎたあと、また眼を開け
みかん:「今、近所のハトシ君がシン君を追いかけて行った模様。」
ハトシ君、シンと同じ団地に住む同級生だ。
シンとは仲がよく、いつも一緒に遊んでいる。
みかん:「以上、報告オワリー、休憩ハイリマース。」
ひと仕事したみかんはまた眼を閉じる。
02[万年みかん](見守りサービス)
終
次回は〜
03[火鉢の金魚]
[今回の登場人物]
・シン
小2の主人公、11棟106号室に
家族と住んでいる。
・ハトシ
シンの同級生、11棟305号室に
家族と住んでいる。
・みかん
シンの通学路にある一軒家の庭の木に
一年中残ってる柑橘系。