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解放軍の敗北

私達は強襲された、吸血鬼派のエリアで医療キャンプを行い、

負傷者の手当を行っていた。


「いつ、敵襲がきてもおかしくないエリアだな、テツノスケ。」

「ショウ、大丈夫か最近顔色悪いぜ。」

それもそうだ。まともな神経なら死地にありながら、

そこからでることも叶わず、そこで働けと命ぜられているからである。

加えておそらくショウはそこまでの命の覚悟がないまま、従軍医師になっているようだ。




「・・・従軍医師?開業するまでのアルバイトみたいなものさ。」

そんな話を居酒屋でしていた。それでこんな状況に置かれているのである。

むりもない。私もここまでひどいとは思わなかった。




「て、テツノスケは強いんだな。そのあまりこの状況でも動揺していない。」

「俺には従軍医師である理由があるからな。ほら、次あっちいくぞ。」


テツノスケの従軍医師である理由は気になるところが、そんなことより

負傷者の手当が優先である。


本当に人手が足りていない。この負傷者すべての救急対応を行った後は

どのくらいかかるのだろうか、メンタルケアの業務が待っている。


そんなときだった。



「敵襲ーーー!」


私は司令の指示にしたがい、まずは強襲拠点の占拠を第一ミッションとして

団を動かした。



どうやら医療キャンプが展開されてるようだが、お構いなしに兵を投入する。

「あの子、たぶん医療キャンプで仕事しているような格好だったわね。」

実の子どもではあるが、レプリカ解放の大義とあの子の解放の為にも

情けは無用だ。よしよしどんどん、吸血鬼派の負傷兵が倒れていく。


この調子なら今日の午後にも占拠はできそうだ。ここを拠点に吸血鬼派を

どんどん追い詰めていく。


「よし!前線をすすめる!」


戦車を進めて占領後の奇襲に備える。旗をたてるよう指示し、占拠したことをアピールする。


よし、前線を進めた。捕虜もそれなりに捕らえた。

このまま、更に進めるか?兵の状況を各隊の隊長に聞き取る。

「は!このまま進めても問題ないです!」


よし、一気に。一気に、吸血鬼派を崩す。



私達はレプリカ解放軍の強襲にあった。急いで逃げる。

負傷兵をおいて、バンに乗り込む。

「おい!おまえら負傷兵をおいていくのかよ!」

「ショウ!この人数ではむりだ。撤退してだな・・・・。」

「医師としてはずかしくないのかあああああ!!!!!」

「クレハ、ショウはもうだめだ。おいていく。」


ショウは限界を迎えてしまって、混乱状態だった。





「この畜生どもがああああああ!!!!!!」


ショウはその後、すぐ投げられた手榴弾の餌食となった。

四肢はばらばらになり、首が宙に舞うのを見た。



「クレハは落ち着いているな。」

「テツノスケも慣れているわね。どんなメンタルしているのよ。」

「ん。まあ、俺は子どもの頃、ゲリラに育てられたからな。こんなの日常茶飯事だ。」

さらっと、重たそうな過去を伝える。

「クレハはなんでそんな落ち着いている?俺みたいな育ちなのか??」

「うーん、なんというか。あの解放軍に実の母親がいるからかな。」

「それはなかなかだな。父親は??」

「父親は、普通の吸血鬼。警察で働いているよ。」

「なるほど、ミャーコはその辺のつてか。」

「ところで順調なくらい、撤退がすんなり行っているのはどうしてかしら?」

「なんだかね、吸血鬼派のそういう作戦らしいよ。強襲される5分前くらいに

迅速に伝令がきたわ。」

ああ、そういうことか。もしかしたら、あの団に母がいたら死ぬか捕らえられるかは

するかもしれないな。



「敵襲--------!」


私達は一転してピンチに陥っていた。

背面からの伏兵によって次々、兵が倒れ、戦車が壊され、作ったキャンプを

燃やされていく。はめられたか。


初めての失敗である。立て直し方がわからない。前線の方からも敵がやってくる。

はさみ撃ちだ。


近くで手榴弾が破裂した。

爆発には巻き込まれなかったが、爆破された何かの破片らしきものが私の頭に直撃し、

私はそのまま意識を失った。

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