レプリカ解放軍の夜襲
私は会ってしまった。
あの子にあってしまった。
自分のおなかを痛めながら産み、育てそしてたった5年だけど
満ち足りた時間だった。
そこからの時間はレプリカを本当の意味で解放するためにその為だけ・・・
あの子に銃を向けたのもその為。でもいざ自分の子どもに銃を向けた罪悪感。
それをこの組織内では悟られてはいけない。
「アカネさん、司令がおよびです。」
「わかった、今行く。」
司令の部屋についた。
司令は体を常にアーマーと仮面で覆っており、素顔は不明だ。
どうやら紛争で体中を傷つけられ、顔は火傷でほぼただれているとのこと。
だが、そんな状態で人を導けないということで仰々しい格好をしている。
「司令、お呼びでしょうか。」
「アカネよ。解放の時はきたのだ。この前の吸血鬼派の強襲はうまくいった。
その前も、内乱がうまくいったな。今こそレプリカの解放だ。この作られし、禍々しき
まがい物である我々を清めていく必要がある。その為に必要なことなのだ。まがい物とその創造主たる
ものたちを清め、真の世界を作る必要があるのだ。その為におまえに委ねたい使命がある。」
「は!司令の仰せのままに!」
先日、強襲をかけた地域を足がかりにし、更に深く食い込んでいく。
いわば切り込みをかける。その為に進むべきは周辺の街、都市の制圧。
その先にあるのは吸血鬼派の殲滅と、我らレプリカの血を清めること。
レプリカの血の清める為には、吸血鬼派の中枢にある、それに必要なものを
獲得する。
私は団員に一斉指示する。
「今夜、日付変更とともに吸血鬼派に夜襲をかける!!ここから吸血鬼派を一気に崩すぞ!」
レプリカの解放という大義を達成できる高揚感と、もしかしたらまたあの子に会うかも
しれないという、焦燥感にかられながら出撃に向かった。