新たな拠点
お母さんは銃を向けたまま無言である。
私は、ここでは死ねない。ジュンの裏切りや、母さんが銃を下ろさない理由。
レプリカ解放軍とは何なのか。。
解放軍がその意味を皆違えているとすれば、吸血鬼派と争う理由はなんなのか。
吸血鬼とはそのまま血を吸う種族のものをさす。とすれば私の父も血を吸う。
レプリカは血を吸えない吸血鬼だから、吸血鬼派はそれを差別している。
この差別が激化したから、今戦争状態となっている。
そういえば、北方の村の紛争はどっちから仕掛けたんだっけ??
ああ、レプリカからだ。でも北方ってレプリカが多いんだよな。
なんでレプリカ解放軍がレプリカが多い村で殺傷を繰り返す??
レプリカがレプリカを殺そうとしている。もちろん、吸血鬼派と
争っているのだから吸血鬼派を制圧したいという感情が根本的にあるはずだ。
2軸あるのか。この争いの目的は。
なんて、ちょっと伏線張りまくっているSFであるまいし。
そうでないならば、私の母がまず銃を下ろさない理由。
それは、私が実はレプリカでないという可能性。
父は吸血鬼。母はレプリカ。ハーフならレプリカの可能性が高い。
検査もうけているので、確実にレプリカだが。。。。検査結果を見たのは
母だけだ。レプリカということにしていたのか??
それも考えずらい。差別対象になりがちのレプリカを
詐称するメリットがなさすぎる。
だとしたら母はなぜ銃を下ろさないのだろうか。
「く、しまった気付かれた。」
母さんは、後方を見る。中立派の武装車両だ。
「クレハあああああああ!!!!!」
テツノスケとミャーコ、レイコにショウだ。
母さんは急いで銃を下ろし、颯爽と私のもとをさっていく。
その目には涙があったような気がしたが・・・・。
♦
私は中立派の拠点でけがの治療を受けていた。
この後、中立派のお偉いさんが聞き取りを行うようだ。
私は、お偉いさんに話しをした。
ジュンがつかっていた謎の薬。薬を飲んだ、村民は狂い始めたこと。
そしてそのジュンとかあさんと呼ばれる女性と何か画策していること。
逃げる途中、レプリカ解放軍の斥候に銃を向けられたこと。
そして母の存在。
すべて話をした。どうせちょっと調べればわかることだ。ならば従軍医師として
つとめるものとして、すべて話をしていた方が良い。
お偉いさんは聞き取りを終えて、私に引き続き従軍医師としての勤務継続を許可し、
新たな拠点に向かうよう伝えた。
新たな拠点は、吸血鬼派の領土だという。




