誕生日だよ
『シュン君、お姉さん生クリームが欲しいわ。』
『へい、へい。ほらよ。』
『キミノリ、いちごが足りないわ。買ってきて。』
『はいよー。』
一同は部室で超巨大ケーキをつくっていた。
『それと、やっぱり16歳になったらこれだよな。』
吸血鬼の証である、血液の初吸いのために
血液パックが用意されている。
『アカネで、最後だもんな。』
他の部活メンバーは既に16歳になり、初吸いを終えている。初吸いを終えたら基本的に食事は血液になる。今まで通り人間が食べているものでも栄養補給は可能だが、吸血衝動を抑えるのと食欲の両方を満たせるのは血液パックが手っ取り早い。
『これでみんなで血液バーとかいけるな!』
『シュン、血液バーは未成年は禁止よ。』
『ヒョウカはお堅いなあ、、』
アルコール入り血液を用意しているのが血液バーだ。
『そろそろオードブル取りに行ってくるわ。』とキミノリ。
『ケーキできたわあ。』
高さ2メートルのケーキだ。
『ウエディングケーキより、高いな、、。』
シュンは見上げる。
『早く食べたいわね。』とヒョウカ。
『オードブル到着ー。』
キミノリが帰ってきた。
『そろそろアカネが来るわね。』
アカネは期末テストが赤点だった為、補習中だ。
赤点の常連なのでこういうサプライズも計画しやすい。
『来たわよ、お姉さん興奮しちゃうわー!!』
『みんなー!やっと補習終わったよ、疲れた疲れた。』
パーン!
クラッカーが盛大に鳴る。
『アカネ、誕生日おめでとう!!』
シュンがくす玉を割る。
幕が降りてきた。
アカネ、初吸いおめでとう
と書かれていた。
『うわあああああ!みんなああありがとうう!』
アカネは号泣している。
『泣くアカネもかわいいわあ。お姉さんまた興奮しちゃうわああ。』
サエは思わずアカネに抱きつく。
『さあ、みんなで作ったケーキだ!』
『うわあ!めちゃくちゃ背の高いケーキだああ。』
『さあ、オードブルも食べよう!』
一同はごちそうを食べて、飲めや歌えやの時間を過ごした。
『みんな、みんな本当にありがとう!!』
アカネは相変わらず泣いている。
『さあ、血液の初吸いだ!アカネぐいっといったれ!』
『うん』
アカネは血液パックのキャップを開ける。
飲み口に口をつけて、一滴目を飲む。
瞬間、アカネは目を見開き、嘔吐した。