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夢病

ライが立て篭もって2時間が経っていた。

『キミの要求を言いたまえ!』

応援の警察がスピーカーを使って呼びかける。



ライは呟く。

『だからアカネと話がしたいんだってさ。』

鼻で笑う。

『ちょっと爆破するか。』


病室を一つ爆破する。

『ぎゃあああああああああああああ!』


人質の肉片が外にまで飛び散る。

生首がスピーカーで呼びかけている警察官まで飛んでくる。



『ひっ、、、!!』







『はっはっは!警察も腰抜けだなあ!生首くらいでびびってしまってさ。』




ライは既に要求を伝えているのに、なぜ動けないか。それは1時間前の出来事に遡る。




♦︎

『要求はアカネとの対話だ!連れて来い!』

ライは叫ぶ。



『私、ライちゃんと話するよ!サトウさん、お願い!』

『アカネいいのか、罠かもしれないぞ、、』

サトウはアカネの肩を掴む。アカネが震えているのが分かる。怖いのだ。当然だ。自ら死地に赴くようなものだ。


『怖いけど、、ライちゃんは、、友達だから!』

アカネの決断を阻むものは何もない。サトウも覚悟を決めて、中に入っていった。











『え??』

そこには、火傷で顔がぐちゃぐちゃになる前のライが何人もいた。皆、スタンガンを持っている。



『いやああああああああああああああああ!』


アカネは嘔吐する。ショック症状で意識を失ってしまった。

『くそ!なぜだ?』

サトウはアカネを引きずり出す。



♦︎


アカネは意識を失ったままだ。

サトウは思案にくれていた。


ライはアカネがスタンガンを見ると、レプリカのショック症状になる事を知っている。だが、要求はアカネとの対話である。矛盾が生じているのである。ライは話しをしたいのに、会うことを拒んでいる。そして突入しようものなら、人質は全て殺す。でも要求を実現しないと1時間に1部屋爆破する。


『何をしたいんだ。ライは、、』



♦︎

アカネは夢の中にいた。そこは、アカネが半殺しに会っている、1ヶ月の出来事が繰り返されていた。雨露にさらされながら眠り、学校にいけばシュンに半殺しにされる。サエもヒョウカも怯えている。そしてカナエに助け出されるまでを。


♦︎

サトウはとにかく情報を集める為に、ライとアカネの関係について洗っていた。

レプリカはサポート対象なので、役所の福祉課にデータがいろいろあるのだ。ただそのどれもが、友人であり、同じ寮生である事しか書かれていない。

『くそっ!これじゃダメだ。』

サトウは焦っていた。キミシマが来た。

『サトウさん、カナエさんなら何か分かるかもしれないっすよ!』

『連絡先は分かるのか?』

『今、役所に問い合わせてます!』

サトウは一つ不審な点を感じていた。それは、アカネのワーカーなのに、ここ最近のアカネの危機的状況への介入がないこと、アカネが知っている番号だと連絡が取れない事である。

『キミシマ役所はどうだ?』


『ダメです!アカネさんの番号と同じです。』

『カナエの住所は?』

『それがあたったのですが、ずっと帰ってないみたいで、、』

キミシマへのタレコミを最後に消息を絶っている。

『くそっ!』

ふと、サトウはライの病気について目に入った。

『夢病、、、、か。学園時代に一度発症しているか。学園時代?』

サトウは夢病について調べる。

『なるほど。自分のトラウマの夢か。治療は、第三者がダイブする。ダイブした、第三者にまれに感染する。その際は、夢病の宿主がダイブすることにより、、、、。』


サトウは立ち上がる。


『キミシマ。夢病の治療器具を用意だ。アカネを連れていく。』

『はい?』

『早くしろ!人質の命がかかってんだ!』


♦︎


サトウの読みはあたった。

なんなく、ライの元へ行くことができた。

『サトウさんだっけ?さすがアカネの彼氏だね。よく見抜いたね。僕がアカネの夢病に入りたがっていることに。』


ライは治療器具を装着する。

『さあ、君たちは病院の外へ。大丈夫。アカネは私の殺害対象じゃないから。』


サトウとキミシマは出て行く。


ライはアカネの頬を撫でる。


『ごめんね、、アカネ。私、、、、。』

ライは涙する。




涙をぬぐい、自分のベッドに横たわる。



『アカネ、夢の中でキミに真実を告げるよ。アカネと私だけの秘密を。』






ライはアカネの夢にダイブした。

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