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初恋の果てに

サトウとアカネは、砂場町の公園のベンチに座っていた。気まずい沈黙だ、、とアカネはショック症状から落ちついて思う。ただ一つ気になるのは、症状が出ていても落ちついてサトウは見守っていた。落ち着いてからは、一緒に、公園まできて休むのを見届けてくれているのだろう。多分、それが警察の仕事だから。

『アカネさん、コーヒー飲みますか?』


サトウはアカネに缶コーヒーを渡す。

『あ、ありがとうございます。』

タブを開け、飲む。普段のコーヒーだが、なんだか優しい味がした。意を決して、アカネは口を開く。

『わ、私レプリカなんです。実は、レプリカの街の火災の生き残りで、、。気持ち悪いですよね。

あんな姿、、、親にも友達だった人にも半殺しにされて、それでも安心して暮らしたいから街に引っ越しして、、でもまた火事で友人が居なくなって、唯一の友達だった子の幻影を追いかけて、、

もう忘れたくて、でも自分が燃やされた方が良かったと思って、償いのために病院の友人とは会っていて、、。』

涙が止まらなかった。隣にいる、サトウも優しくなんてしてくれない。多分、私から離れていく。

ちょっと真っ直ぐな人で、20歳過ぎてからの初恋なんて、ちょっと生き遅れてるけど、でもこの人ならもしかして、、と思ったけど、もう迷惑になるから去ろう。捜査には協力するけど、、


『ごめんなさい。もう大丈夫なので、帰りますね。』


アカネは立ち上がる。

















『え、、、、、?』

アカネはサトウに強く抱きしめられていた。



『アカネさん、今までの人生お辛かったと思います。レプリカだからという理由で差別されてきたと思います。でもね、僕はレプリカだからとかあんまり関係ないんです。純粋にあなたにときめいてしまった。もう、30過ぎていてときめくなんてそれこそ気持ち悪いかもしれませんが、それが僕の素直な気持ちです。』


サトウはアカネを真っ直ぐ見る。


『だ、ダメですよ。レプリカとの、なんて周りになんて言われるか、、』

アカネは目をそらし、視線を地面に落とす。

顔は赤い。


『アカネさん、僕を見てください。』

アカネは思う。この真っ直ぐさにはかなわない。逃げられない?逃げる?私は逃げたいの?

















『アカネさん、30過ぎのおっさんですが、あなたの笑顔を何がなんでも守ります。私の恋人になってください。』


アカネの涙は止まらない。レプリカでも恋ができるなんて。

















『はい、不束者ですが、よろしくお願いします。』

アカネは満面の笑みで返事を返した。

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