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パラレルワールド

『え?あなたの従業員で、いた女の子のこと、ですが、、、。』

『うちは、俺1人でやってる中華料理屋だよ。バイトなんて雇ったことはないねえ。』

『え、、でも、、そんなはずは!』

スーツの柄の悪い男が2人近づく。

『嬢ちゃん、あんまりマスターを困らせないでおくれよ。』

男の1人がアカネの肩を強く掴む。

『痛っ。』

『嬢ちゃん悪いね、ちょっとお帰りいただきたいんですよ。カタギに手を出したくはないからな。』

アカネは身の危険を感じ、店を後にした。


どうして?ソノエの存在がなかったことになっている?アカネはパニックに陥っている。そうだ、ライに電話してみよう。

『お、アカネか。どうしたアル?』

『あのね、砂場町のソノエが働いている中華料理屋に行ったんだけども、、、、。』

『砂場町に行くとは行ってたアルね。なんか美味いもん食べられたアルか?』

『まあ、ソノエの働く中華料理屋で餃子定食をね、、』

『中華料理屋で餃子アルか。私も久々に食べたいアルなあ。』

『マスターに聞いても、ソノエという従業員は雇った覚えがないと言っているの。ソノエの存在がなかったかのように。』

『そうアルか。私からも聞きたいことがアル。』

『何かしら??』

『アカネは今日、その中華料理屋に飯を食いにいったアルね。餃子定食を食べて、いもしない従業員のことを聞いて店のマスターにはそんなやつはいないと言われた。』

『え、うん簡単に言うとそういう事なんだけど、、』

アカネはライの話の仕方に違和感を持つ。

『アカネ、最近疲れてるんじゃないアルか?休みの日くらい、、、、。』

『何を言って、、、、。』

















『ソノエって誰アルか?』






♦︎

アカネは電話を切り、砂場町を彷徨っていた。

ソノエがいない事になっている?ライの記憶にもない。カナエさんならどうだろうか?アカネはカナエに電話をかける。繋がらない。休日だからか。

『クソっ!』

アカネは携帯をしまう。誰も味方ではないような感覚。誰にも受け入れてもらえない状況。どのくらいの時間が経っただろうか?

気づいたら、オカベの飲み屋に来ていた。

扉を開く。

オカベとタクトがいた。


♦︎

酒に酔ったからか、寂しさからか。タクトとオカベにことのあらましを伝えた。


『なるほど。アカネさんの記憶にある友達が周りの人の記憶からなくなっていると。ふむ。』

タクトが考える。

『それはお辛いでしょう。実はね、僕は1つ仮説があるんです。』

タクトはさらに続ける。

『私のセミナーでもね、こういった話はよくするんです。ちょっとスピリチュアル系の講義で話をすることなんだけども、いや、キミの言っていることは信じる。ただ世の中の文脈で言うと、スピリチュアルに部類される事象に近いんだよ。』

アカネはタクトの瞳に吸い込まれている感覚がある。この人は私を信じてくれている。私の知らないことを教えてくれるのではないか。頭ごなしに否定しない。


『アカネさん、それは私の仮説は、、、

パラレルワールドです。あなたのお友達はパラレルワールドに飛ばされた。この世界では存在しないことになっているのです。』

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