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燃えさかる街

「そんな私達の街が!!!」


街全体が炎に包まれている。消防は??

警察は?なぜ助けが来ないの??


アカネはパニックだった。

「いやああ!ライ、アスカ、リュウヤ、カンナさん!」

「アカネ!危ないは街の中に入るのは!!」

サエはアカネの腕を引っ張る。

「でもこのままではみんな、みんな!」

また失うのか。かつて、この隣の女に奪われたように・・・・。

「サエ!あんた、まさか・・・・・!」

アカネの目に殺気がこもる。


「ち、違う、私は、私は!!」

アカネはサエの腕をふりほどき寮へ向かった。


あたり一面は火の海であった。

「うわあああああああ!あついいいいいいいいいいい!」

「誰かああああ!み、水を・・・・。」


火だるまになって今にも絶命しかけているレプリカばかりだ。


その人達を助けられない。アカネは自らの非力を嘆く暇もなく、

寮へ向かう。


「そ、そんな・・・・・。」寮は完全に火がまわっていた。

「みんなは?みんな、、、避難したのよね・・・・?」


火が強すぎて寮の中に入るのは難しそうだ。

辺りを見回す。消火栓くらいあってもいいものだが、、

寮の入り口の横に水道があった。


「あれで水をかぶって中に入ろう。」

アカネは蛇口をひねる。

「あ、熱っ!」

蛇口も既に火のせいで熱くなっており、うかつに触れない。

今度は今度は仲間を失いたくない・・・。アカネはやけど覚悟で

蛇口をひねった。肉が焼ける。

「っっっっっつ!」

水が出る。全身、水で浸して玄関に入った。

ぼうぼうと炎がアカネに襲いかかる。

「誰も・・・誰もいないの・・・・!?」


「・・・ネさん。」

カンナだった。火傷がひどい。

顔を含めて左半身が黒焦げである。不自然な焼け方だ。

「アカネさん・・・・逃げなさい。そうでないとあなたまで・・・」

「カンナさん、カンナさん!!!」


「うわあああああああ!リュウヤああああ!熱い熱い熱い熱い!助けてよおおおお!」


アスカだ。ただし、火だるまで階段を転げ落ちてくる。

「アスカ・・・・・・・!!!!」

アカネは自分の上着で火をはたく。しかし、火は消えない。

「ああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」

アスカはそのまま動かなくなった。


「・・・カネさん、逃げなさい。私たちはもう・・・・助からない・・・。」


「カンナさん、リュウヤは?ライは?カナエさんは!!?」

「・・・・・・・・・・・・・。」

カンナも既に息をしていなかった。


2階に上がる。人が居る気配がない。

「ライとリュウヤは・・・・逃げたのかしら・・・・。」

1度外に出てもう一度水を浴びよう。アカネが外に出ようと1階の玄関に近づいたそのときだった。

グシャッ!

下半身が黒焦げの男性が落ちてきた。見たことのある顔だった。

頭から落ちて顔半分がつぶれているがはっきりと認識できる。

「・・・・・・・・リュウヤ・・・・!!!!!!!」


ライが見当たらない。逃げたのだろうか。そのときだった。

「アカネさん!!!逃げるわよ!」

カナエさんだった。

「カナエさんは無事だったんですね!!!」

「早く!逃げるわよ!!」

「ライは・・・・・ライはどうなったんですか・・・・!!?」

「ライサンは全身火傷の大けが。既に病院に搬送されているわ。。」

なんてことだ。いったい何が起こったのか。

誰がいったいこんなことを。


真っ赤に燃える炎は街ごと燃え消したのだった。

鎮火したのは3日後のことだった。


犠牲者数 2万人 行方不明者 1万5千人

負傷者 多数(計測不可)

4万人の小さな街だった。


レプリカのほとんどがいなくなってしまったのだった。


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