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お別れだよ!!

サエとアカネは隣町に早朝、到着した。

レプリカはほとんど住んでいない地域でこの情勢だとかなり危険な

エリアに該当する。

「サエ、なぜこの町を選んだの?確かに隣町だからソノエがいけそうな範囲では

あるけれども・・・。」

「実はあまりこの地域にいてほしくはないんだけども、ここにはこの国最大の

歓楽街があるの。そこではレプリカだろうが、通常の吸血鬼だろうが

実力されあれば生きていける。もしあの街がなくて、身寄りがなければここに向かうと

思うわ。寮付きで働ける場所も多いと聞くわ・・・・。」

「歓楽街だよね。ということは夜、運営しているお店が多いと思うんだけど、

ソノエ、まだ未成年よね。」

「そんなの関係ないわ。適当にごまかして働く事なんていくらでもできるし。」

「で、その歓楽街に向かうとしてどうやってソノエを探すのかしら。」

「そこは残念ながら、しらみつぶしに探すしかないわ。」


夜の街だから早朝から探すのは、と思うところではあるが勤務明けの

労働者が使う飲食店などがある。そこを中心にあたっていくことにした。


PM12時。歓楽街のファーストフード店で、アカネとサエは

ハンバーガーを食していた。

「やっぱりそんな簡単に見つからないわね。」

「覚悟はしていたけど、お姉さん少し疲れてしまったわ。」

「午後はどうするの、サエ。」

サエは少し考え、

「午後からは空く店も出てくるわ。それまでは、とにかく道行く人に聞いていくしかないわ。」

「にしても、レプリカがそんなにいないのに、割と安全な街ね。」

「レプリカかどうかなんて、見た目じゃわからないわ。レプリカがバレるのは外だったら

症状発生時か血液を出すお店に行った時くらいじゃないかしら。」

カナエが警戒するほど、危険ではないのかもしれない。薬は念のために飲むくらいの感じなのかも

しれない。

それではなぜ、サエは薬を飲んでいるのか。

「サエ、なんであなたは症状を抑える薬を服用しているの。」

「それは、、今話すには少し長い話になるからまた今度ね。」

サエはうまく話しをはぐらかした。


「ああ、この写真のこか。昨日、見かけたよ。あのお店だったかな。」

通行人から有力な情報を得ることができた。

指しているお店は夜のお店といった感じではなく、少し小汚い中華料理屋であった。

「夕飯もかねて入ろうかしら。」


ドアを開ける。

「はい、いらっしゃいませ・・・・。」

ソノエだった。


「ソノエ!」

アカネは近づく。ソノエはアカネの口をふさぐ。

「事情は話すからシフト終わるまで待っていて。後1時間くらいで終わるから。」

「わかったわ。じゃあお食事させてもらうわ。」

アカネとサエはそれぞれ定食を頼む。

程なくして、頼んだものが来る。アカネは餃子定食、サエはラーメンを頼んだ。

静かな店内で咀嚼音とラーメンをすする音だけが聞こえる。

店のキッチンからは、何か油であげるような音が聞こえる。


「お姉さん、こういう静かな店は嫌いじゃないわよ。」

サエの発言に対して、アカネは特に反応しない。

お店の扉が開く。

黒いスーツの男が1人、白スーツの男が1人。どちらもがたいが良い。

2人の男はサエとアカネの席に近づく。

「おい嬢ちゃんたちか、姉さんのことかぎまわっているっていうのは。」

「え???姉さん??」

ソノエが出てくる。

「ごめんね、2人とも。悪いけど、もうあの学園に戻る気はないの。レプリカであることに何も

希望はないの。あの学園にいて私の夢を叶える希望もない。だから、あなた達と話すことは

何もない。だからこの人達があなたに危害を加える前にこの街を去ってほしいの。」


サエもアカネも事情が飲み込めない。

「聞きたいことはいろいろあると思うけど、私はこの街でこの人達と生きていくから。」

「そういうことだ。嬢ちゃん。傷が付く前に去りな。かたぎを傷つけるのもポリシーに

反するからな。」



アカネとサエは学園に戻る。持ち合わせたお金も底をついていたので、歩いて帰っている。

片道1時間半位の道のりだ。

「アカネ・・・・。」

アカネは歓楽街からずっと黙ったままである。アカネは混乱していた。

ソノエとあの男達の関係は?ソノエはもう戻る気が無い??

アカネの頭の中はぐるぐるぐるぐる考えがまとまらず混乱している状況であった。


そうこう歩いていると、学園がある街が見えてきた。

「今日は疲れたわ。早くベッドで寝たい。」

アカネはサエにそれだけ伝えた。

疲れだろうか、視界が赤くめらめらと揺れている。

「めまいかしら。サエは大丈夫なの??」

アカネは尋ねる。

サエは固まっていた。

「サエ、サエ?」

「ア、アカネ。。。街が街が・・・・」

アカネは街の方をしっかり見る。

「そ、そんな街が。」
















そう。街が真紅の炎に包まれていたのであった。

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