楽器を買おう!
『シュンはギター、サエはベース、ヒョウカはドラム、キミノリはキーボード、ボーカルは私よ!』
アカネは意気揚々と伝える。
『アカネ、みんな楽器持ってるのかしら?』
ヒョウカは質問する。
『俺は自分でキーボード作れるよ。というか作ったのが既にある。演奏はあらかじめ打ち込めばいいから練習はいらないかな。』
『ベースなんて持ってないわ、私。』
『俺もギター弾けないよー!』
口々に言う。
『ヒョウカもドラムやったことないよね?』
アカネは恐る恐る尋ねる。
『任せなさい。昔ヘビーメタルバンドやってたから余裕よ!』
いつももの静かな、ヒョウカがウィンクで満面の笑顔だ。
一同は唖然としている。
『よ、よし!サエとシュンは私とギター、ベースを買いに行くわよ!』
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放課後
『どれがいいのかしら、お姉さんよくわからないわ。』
『うへー。ギターだけでもこんなにあるのか。』
『ねえねえ、店員さんに聞こうよ!あ、店員さーん!』
アカネのこういう時のリーダーシップは目を見張るものがある。
『いらっしゃいませ、いかがいたしました?』
『あの、初めてで1ヶ月後に発表しようと思っていて、ギターとベースは初めてです!』
あたふたしながら、説明するアカネ。
『でしたら、こちらはいかがでしょうか。』
1万円台のエレキギターとベースだ。
『あと、調べたら、こうギュイーンって音出すのに、何か必要なんですよね?』
『はい、アンプとエフェクターですね。』
店員はギターとベースをつないでくれた。
『ほらほら、シュンもサエも弾いてみて!』
『おう、、。』
『あらあら。』
2人はアカネに促され、触ってみる。
『す、すげえ!』
『お姉さん、ちょっと興奮しちゃうわあ。』
『これ、買います!!』
アカネは間髪入れずに店員に伝える。
『おいおい、金はどうすんだよー。』
『シュン、バイト代入ったでしょ!』
シュンはラーメン屋でバイトをしているのである。
『お姉さんは大丈夫よぉー。』
サエは30センチはあるだろうか。札束をボンっとだす。
『サエはお金持ちだね!』
シュンはバイト代から、
サエは謎の札束で楽器を取り揃えたのだった。