ライと傭兵団
『ら、ライちゃん!?』
『危ないアル!伏せろ!』
銃弾が頭上をかすめる。
『ひっ!』
アカネは慌てて伏せた。
『この、クソっ!』
ライは応戦する。1人2人と、仕留めていった。
『退却ー!退却ー!』
敵兵らしき集団は逃げていった。
『あわわわわ。』
アカネはパニックになっている。
ライはアカネの頬を引っ叩いた。
『死にたいアルカ!立て!逃げるんだ!』
アカネは幼い姿のライに連れられて
ジャングルの奥へと逃げていった。
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『ここまでくれば大丈夫アル。お前あそこで何してた?武装はしてないようだが。』
ライはライフル銃によりかかり尋ねる。
アカネは思う。自分と会う前のライだから自分のことを知らないのだろう。そして夢を見ている自覚はないのだろうと。夢を見続けるというのはそういうことなのかもしれない。
しかしこんな小さな頃から戦っていたとは。まだ、親に甘えたい年頃だろうに。
『私は、あなたを助けに来たの。』
『お前、私に助けられたじゃないかアル。言っていることが意味わからないアル。もしかして志願兵か。兵力が足りてないから助かるアル。私がいるゲリラ基地に来るアル。』
アカネはライに連れてかれた。
1時間ほど歩き、洞穴が見えてきた。
洞穴前で、ライは2度ほど手を叩く。
すると暗闇から、1人の兵士が出てきた。
『おう、ライ。無事だったか。後ろにいるガキンチョはなんだ?』
『志願兵アル。襲われてるところを助けたら、我が陣営に志願したアルよ。』
『そうか、武器を持っていないかチェックする。おーい、マオハオ!』
奥から、黒髪長髪のミリタリー服の女性が出てきた。顔立ちはかなり整っていて、美人である。
『女の志願兵か。あの草に茂みでチェックするからついてコイ!』
マオハオと呼ばれる女兵士は茂みでアカネのボディーチェックをする。
『コイツは問題ない。基地に入れろ。』
アカネとマオハオ、ライは洞穴に入っていった。
そこには30人ほどの兵士がいた。
傭兵団だそうだ。
『おお!ライ!お帰り!』
『ライ、無事だったか!ほれ、飯の用意があるぞ!』
『ライ、風呂も沸いてるぞ!』
ライはこの兵士達には可愛がられているようだ。
『おーい、ライ後ろのかわいこちゃんは誰だ。』
『志願兵だ。助けてやったアル。』
『アカネと言います。よろしくお願いします!』
『志願兵なら歓迎だ!姉ちゃんも飯食え!』
肉まんのようなものを差し出される。
『美味しいですね!これ!』
『アカネは食いっぷりがいいアルね。』
一同は一通り食事を終え、休息をとっていた。
『うう、お父さん、お母さん。』
ライが寝言を言う。
『ライちゃん、、。』
アカネはライの髪を撫でる。
『ライは、もっと幼い頃親を殺されたんダ。だから、親の愛を知らナイ。』
マオハオがアカネとライに近づき、座った。
アカネは起き上がる。
『ライちゃん、、辛いよね、、。』
『だから、私たちはライを大切に育てたいと思ってイル。一人前にしなきゃ、ライが困る。お前をライが助けたと聞いて、成長を感じた。』
『マオハオはライの姉貴分って感じね。』
『ああ、ライの為ならこの命は投げ出せる。幼い子の未来が希望に満ち溢れるようにと、その為に戦ってイル。』
その時だった。
洞穴の外から爆発音が聞こえた。
『敵襲!敵襲!総員戦闘態勢につけ!』
ライも飛び起き、ライフルを構える。
『アカネもこれをもつアル。』
ライフルを渡される。
『使い方はさっき教えた通りアル!』
アカネもライフルを構えて息を潜める。
その時、洞穴に煙のようなものが流れてきた。
『しまった!催眠ガス!マオハオ、大丈夫アルカ、、、?』
『ライ、逃げるんだ。。』
『ライちゃん、、、』
洞穴の傭兵達は全員眠らされ、拘束されてしまった。