表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/88

ナンパ野郎だよ!

『いってらっしゃいー。』

カンナの見送りで、寮のメンバーは登校していった。

アカネは初日という事で、カナエと待ち合わせをしている。


『アカネさーん!』

『カナエさん、おはようございます!!』

ピッと姿勢を整えるアカネ。

『今から緊張してどうするのよー。』

ふふっと笑いながら、アカネの手を引く。


校門をくぐり、教室に入る。

『今日は転校生がいる!』

教師が威勢よく宣言する。

『アカネと言います!よろしくお願いします!』

さらに背筋を伸ばし、自己紹介する。

少し声がうわずってしまった。


大半のクラスメイトは目を丸くしていたが、

寮のメンバーは苦笑している。


『じゃあ、アカネはリュウヤの隣だな。』

アカネはリュウヤの隣に座った。

『アカネは、緊張していてもかわいいな。』

リュウヤがボソッと耳打ちする。

『リュウヤ君が笑ってくれたからなんか、助かったわ。』と返す。

『そ、そうか。』

リュウヤは顔が赤くなる。


ライがその姿を見て、

『リュウヤ、お主はアカネだと調子が狂って大変アルね〜。』

クックッと笑う。

『う、うるせっ!』


『こら!ライとリュウヤうるさいぞ!』

教師に叱られた。


♦︎


『ねえ、かわい子ちゃん。俺とお昼一緒に食べようよ。』

『そこのおねいさん、放課後、2人で秘密のティーパーティーしない?』


リュウヤは学校中の女生徒にナンパしまくっていた。

『ソノエ、リュウヤ許せない。アカネがいるのに。』

『ソノエちゃん、私とリュウヤ君はそんなんじゃないよ〜。』

あははと笑いながら話す。


『リュウヤはいつもナンパとやらの下品な行為ばかりするのよ。アカネ気にしないことよ。おーほっほっ。』

キミコはよく分からないタイミングでお嬢様風に笑う。

『とはいえ、リュウヤが女生徒以外と話してるの見たことないのよね。』


『確かに。同性には嫌われてるアルかね。』


そんな時にリュウヤに近づくショートヘアの黒髪の可愛らしい女子が近づいてきた。

『あの!リュウヤさん!これ!』


その子はリュウヤに手紙を渡し、足早にその場を立ち去った。


『リュウヤ、見せなさいよ。』

キミコが手紙の中身を見る。


♦︎

リュウヤさん、私は一年のアスカと言います。

この半年リュウヤさんのことを思うと夜も眠れません。

今日の放課後、体育館の裏にきていただけないでしょうか。


♦︎


『わー、ラブレターアル!ラブレターアル!』

『ソノエ、怒った!アカネという子がいながら。』

『だからソノエちゃん、そんなんじゃ、、』

『おーほっほ、気立てのいい子じゃないの。いってらっしゃいな。』


リュウヤもすっかり顔が赤くなってしまい、

動かなくなってしまった。


♦︎

放課後

リュウヤは体育館の裏にいた。

寮のメンバーは草の茂みに隠れて様子を見ている。


『リュウヤ君、緊張してるねえ!!』

アカネは目を輝かせている。

『アカネ、リュウヤを寝取られてもいいの!?』

『ソノエはまず国語辞典を引いた方がいいアル。』

『興奮しますわ!興奮しますわ!』

なぜか、キミコは息があがっている。


アスカがやってきた。


『リュウヤさん、来てくれたんだ。嬉しい。』

アスカは頬に右手を添えて、恥じらいながら目を伏せている。


リュウヤはアスカに見惚れていた。なんてかわい子なんだろう。この子が一緒にいてくれるなら、もうナンパはしない。


そう誓ったのだ。


『リュウヤさん、好きです。僕と付き合ってください。』


『きゃあー僕っ子とか萌えますわああ!』

キミコは鼻をつまんでいる。鼻血が手がけているようだ。

リュウヤは違和感を感じた。

『今、僕って言わなかった?』

『はい、だって僕、男ですから。』


リュウヤは固まった。

『美少年同士の恋!ああ、想像しただけで、、』

キミコは鼻血を出しすぎてその場に倒れた。


『キミコはすぐ興奮するアルなー。』

ライはどこか遠くを見ながら、キミコを肩に抱えた。


『え、、、、?』

アカネは目を疑った。



『テル、テル、テル!』

リュウヤはアスカに襲い掛かっている。

『きゃあああああ!』


アスカに馬乗りになり、頬を何度も叩いたかと思うと、服を剥ごうとしている。


ライとソノエはすぐさまリュウヤにタックルをかまし、取り押さえた。


アスカは震えてしまっている。


リュウヤの目は血走り、

『テル、テル!愛してるんだ!どこにもいかないでくれ!』

と叫んでいる。


『御免アル!』


ライがリュウヤの首に手刀をかまし、リュウヤは気絶した。


震え上がるアスカをアカネが抱きかかえ慰めている。


『いったい、何が、、、。』

アカネは目の前の光景にただ呆然とするしかなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ